2021.10.10

宝塚じゃない、オールフィメールの「ジュリアス・シーザー」

PARCO劇場。
蜷川さんやジョナサン・ケントがオールメールで挑んだ
シェイクスピアに、森新太郎さんが挑んだのは、なんと
殆どオジさんしか(笑)出て来ない上に、エゲツない
マウント合戦に終始する政治劇「ジュリアス・シーザー」

日本には、宝塚、と言う、オールフィメールの演劇シス
テムもある中で、いわゆるそうではない女優さんによる
男性言葉によるシェイクスピア(しかも、よりによって
難易度高めな福田訳)と言う発想がどこからきたのか、
詳しいインタビューは未読ですが、結論から言うと、肉体で
男性らしく見せようとしていない分、腕力を排除しての
純粋な言葉による、パワーゲームが炙り出されて、
なかなかな仕上がりでした。

通常でも男優に劣らない迫力を見せるシルビア・グラブ
さんの、男優への遠慮なしによる(笑)、迫力炸裂の
シーザーは勿論、ブルータス焚き付け度は、明らかに
蜷川版の鋼太郎を凌駕した松本紀保さんキャシアス、
さすが、女子グループのセンター、と言う特別な地位を
知るだけに、居方も処し方も身につけているのが生かされて
いるようにさえ見えた、松井さんのアントニーの狡猾さ
(褒めてます)、とりわけ、「コールドケース」などでも
見せる、女が惚れる男気、もうダダ漏れ、の羊さんの
ブルータスは絶品。
かつて、三谷さんの同じPARCOの舞台で、他のベテラン
俳優さんに圧倒されていた羊さんとは、隔世の感があり
ました。

初日だけにまだ細かく気になるところも有りましたし、
なんでオールフィメールなのか、と言い部分を完全に消化
できてはいませんが、「スリル・ミー」の伊藤雅子さんに
よる、鏡を使った大掛かりでシンプルなセット(自分の
顔は鏡でしか見られない、と言う、ブルータスのセリフ
にもリンクかも)、壮大な音楽、赤の濃淡、紫、緑の濃淡と
統一感のある衣装など、久しぶりにがっつり舞台、出来
なかったけど気持ちはスタオペでした。

チケット代がもう少し安かったら、リピしたいくらいです。

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「NO TIME TO DIE」3回目(吹替版)。そしてオープニングシークエンスについて。

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通常、映画館では吹替は見ない派。
特にダニエル・クレイグご出演なら当然声込みでファン
ですから、尚更ですが、今作は、キーワードの「ヘラクレス」
部分が、非常に難解なルールで成立していたため(少なく
とも私には)、字幕の情報だけでは到底太刀打ちできず。
見終わっても、あちこち、何だ?何だ?と解決できない
まま勢いで過ぎてしまった箇所がいつも以上にたくさん
あって、まるで、いのうえ歌舞伎だ(笑)、これはいくら
なんでもマズい、と、ダニエルの声をやむなく一度諦めて
回数の限られる吹替版を早めに見る事にしました。

公開初週に吹替で見る人は少なかったですが、山路さんや
原さんの美声を、大きなスクリーンで見られた(聞けた)
のは勿論ですが、やはり、吹替ならではの情報量は理解の
助けになりましたし、字幕を追わない分、例えば、Qの謎の
前掛けや、ズッキーニを中華蒸籠で蒸して何を作っているの
かしら、とか(笑)、画面全体からの情報を、より多く獲得
できた気がします。

字幕版になかった情報としては、ベルマーシュ、と言う、
ブロフェルドが収監されている刑務所の具体名が出たり
何より、そもそも最初に「兵器」と科学者が盗まれる研究
所に、Mが深く関わっていると、字幕ではちゃんと認識
できてなかったのが問題だったのが判明。

更にそれが、Mの思惑を越え、敵味方が入り乱れて利用され、
しかも彼らの意図を越えていくのを見ると、ブロフェルドや
サフィンなど、悪人といっても、スケールが小さく見えて
しまうのも無理はない気がしました。

また、ボンドがオブルチェフから奪ったUSBをマネーペニーと
一緒にQの自宅に押しかけて解析するよう依頼する場面は、
字幕は結構ストレートな表記で、おい!と思いましたが、
吹替では「素手で触るのはやめた方がいい」とか、ちょっと
ソフトな表現になっていました。
原文はどっち寄りか、字幕版をもう一度見て(まだ見る気)
なんとか聞き取りたいです。

そして内容判ってから見るオープニングシークエンスは、
改めて示唆深い。
秀逸だったのは、DNAの二重螺旋が全て拳術になっていて、
弾を無限に発射するもの
また、ギリシャ彫刻のような彫像の兵士が手にし、また、
砂に埋もれていく三叉の武器の形は、サフィン基地に
潜入する時の、Qによる場所特定画面のボンドのアイコン
Ψ(プサイ、サイ)につながっているのかも。

何より、ラスト、あらゆるものが砂時計の砂になって落ちて
いくのは、全ての象徴「TIME」

ラスト前にMがボンドのために引用した文章にも、勿論
タイトルや、ビリー・アイリッシュの主題歌にも、更に
エンドロールに流れるルイ・アームストロングの曲にも、
含まれていました。
冒頭と最後に、ボンドがマドレーヌに「いくら
でもある」
と言い、マドレーヌが「もっとあれば」と言う、全てに関わる「TIME」

因みに上述、Mがラスト前に引用していたのは、
「人間は存在するだけではなく、生きるべきである。
先延ばしにしては無駄にすることなく、自分の時間を
使おう」
と言う意味でしたが、これが、私には、ハムレットが、
結局、レアティーズとの相討ちになってしまう直前に親友
ホレイシオに言うセリフ
『覚悟がすべてだ。生き残した人生など誰にもわからぬ
のだから、早めに消えたところでどうと言う事はない』
(河合祥一郎先生訳)
で、なんとなく似ている気がしたのですが、考え過ぎで
しょうか(笑)

ともあれ、私にはダニエル版ボンドがリアルタイムであり
ほぼ全てなだけに思い入れも深いですし、次のボンドが
登場しても、見ないかも。
勿論、ダニエルがMで再登場、とかなら別ですが(笑)


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2021.10.07

10月期ドラマ

まずはCX「ラジエーションハウス」
既視感ありありのパート2らしい始まり方ですが、高橋洋
くんが医師役でこっそり?(笑)登場してました

WOWOWで始まった「ソロモンの偽証」には、柏木役で
萬斎さんの息子さん、裕基くんが出演。
雑誌のインタビューで、ご自身も言ってますが、目が、
パパそっくり。
特に「七つの会議」の、八角さんを見ると、同じDNAだと
確信します(笑)

最近はテレビ欄だと雑に扱われて目立たない深夜にも
いくつもドラマ枠がありますし、「ソロモン〜」同様、
WOWOWは相変わらず、硬派中心に独自の路線で安定した
ドラマを作っているので、暫く新ドラマチェック続行です。

また、ドラマではないですが、NHKの「土方のスマホ」も、
去年の「光秀〜」に続いての「スマホ」シリーズ。
1話2話見ながら、土方の声、誰?と思っていたら、3話の
池田屋襲撃をライブ配信(笑)に、自撮りの土方として映り
込んでいたのが、窪田正孝さん。
3話まで再放送と4話以降は来週オンエアで、こちらも楽しみ
ですが、大河リアタイがないのが寂しい(笑)

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2021.10.05

「NO TIME TO DIE」を見る(2回目)【主に音楽について】

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完全に、一人「NO TIME TO DIE」祭で、待ちきれず、
間を空けずの2回目(笑)
1回目はDolby Atmosで、確かに大スクリーンて見る大作
らしさはありましたが、2回目をIMAXで見たら、霧に包まれた
森の、姿の見えない敵の銃声が周り中に反響して聞こえて
くる感じとか、没入感を更に感じました。
まあ、判って見ている分、ストーリー以外にも意識が向いた
と言うのもあります、多分(笑)

しかし、判っているラストで、まさか「007」で泣く日が
来るとは。
フェリックスと船の底で人生を語るシーンも涙腺崩壊寸前
でした。
しかも、エンドロールに流れるのが、「女王陛下の007」の
挿入歌だった、ルイ・アームストロングの「We have all
the time in the world」。
映画のタイトル「NO TIME TO DIE」と呼応し、また「女王
陛下の007」の内容と今作との関係も示唆しているし、
(ロンドンオリンピックの開会式時には、本当に女王を
ダニエルボンドが会場にエスコートしましたしね!)
何より、楽曲の美しさと、サッチモの醸す安定した懐かしさが
IMAXやDolby Atmosで、ガツンガツンと五感をフル稼働
させられた脳みそに、モノラルっぽさが沁みて、もう衝撃的に
ズルかったです(笑)

音楽と言えば、音楽がここ2作のトーマス・ニューマンから、
巨匠ハンス・ジマーに変わりました。
ハンス・ジマー、と言えば刻むリズムと、壮大なオーケ
ストレーションが特徴で、先日WOWOWでオンエアされた
映画音楽、劇伴音楽についてのドキュメンタリーで、ジマー
自身や関係者が語っていた話はかなり興味深かったですが、
今回、映画で見ている分には、いつも程は刻んでないな(笑)
と思っていましたが、サントラを買って、単独で聞いたら、
映像と音楽を完全にシンクロさせる、職人芸がみっちり
張り巡らされていたために気がつかなかっただけで、実は
物凄い割合で、ジマー節、炸裂していました(笑)
その分、サントラは映像を思い出しながらでないと、それ
だけでは若干地味で楽しみにくいかも。

(ダニエルボンドシリーズでも名曲はたくさんありますが
「カジノ・ロワイヤル」冒頭の「African Rundown」と、
「スカイフォール」のAdeleの主題歌が個人的には双璧です)

因みに、これをあれこれ書き直ししている間に、吹替版も
見たので(笑)、また改めて。
写真はミッドタウン日比谷の展示の数々。

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2021.10.02

「九月大歌舞伎」を観る

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例年九月は「秀山祭」として、吉右衛門さんが中心になっての
古典作品・が上演されるのですが、今年は吉右衛門さんが
病気療養中ということで、一部は歌右衛門さん、芝翫さん
追善公演、二部は播磨屋さん一門による「盛綱陣屋」、
そして、三部は「桜姫」に続く、仁左衛門さん玉三郎さん
コンビニよる「四谷怪談」と魅力的な演目が並んだのですが
初日前に俳優さん2人の感染が判明、二部が初日から6日まで
公演中止し、7日から「盛綱陣屋」に代役を立てての遅い
初日を迎え、日程半ばにようやく当初の配役での上演となり
ました。

「盛綱陣屋」は、小四郎と小三郎の二人の子役が揃わないと
できない、と言われているようで、なかなかかかりません。
私も多分3~4回目くらいなので、イヤホンガイドと、久し
ぶりに買った筋書きを結構しっかり聞き、読み込んで拝見
しました。
おそらく、吉右衛門さんご自身が盛綱を、孫の丑之助くんと
なさりたかったと思いますが、今回、盛綱は幸四郎さん。
和田兵衛を錦之助さん、小四郎を丑之助くん、小三郎を
亀三郎くん、時政を又五郎さん、早瀬は、この顔ぶれだと
本当は菊之助さんという気がしますが、今回は米吉さんで、
篝火が雀右衛門さん、そして歌六さんの微妙。

盛綱に対して秀盛が立派過ぎかなぁ、とかちょっと思い
ましたが、娘専科、だった米吉さんが、若い母親役も新鮮
でしたし、丑之助くんは、初舞台からわずか数年で、本当に
しっかりした役者さんになったなあと思いました
(手がとても綺麗!)
そして、何より歌六さんの微妙!!
悪役から実直な老人、武士から市井のひとまで、大抵の
役柄は拝見してきましたが、まさか「三婆」の一つを
演じられるとは思いませんでしたし、更に思った以上に
繊細で美しい微妙でした

続く「女伊達」は時蔵さんオンステージ、でした。

三部はチケット完売で、全く戻りが出なかった「四谷怪談」
今回は前後を省いて、山場となる浪宅と伊藤邸と隠亡堀に
集約。
玉三郎さんの芝居も夏芝居っぽいホラー味より、お岩の心理を
しっかり描いていましたし(板戸に落ちる血も血のりを
見せず、血を描いた板をスライドして見せてました)、
伊右衛門も単なる金欲しさにお梅に乗り換える、ペラッ
ペラの男だけではなく見えました
(半分は仁左衛門さん贔屓ですけどね)
孫娘可愛さ炸裂の亀蔵さんの喜兵衛、お岩の存在など全く
眼中にない、伊右衛門一途さも、あまり濃いめの色を出さ
ない松之助さんの宅悦も全体の雰囲気にあっていました。
玉三郎さんが最後に、小平女房のお花で再登場するのは
綺麗なお姿の玉三郎さまも見たい、ファン心がわかって
ますね(笑)
that's南北!を堪能させていただきました!

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「ダニエル」ボンド、最終作「NO TIME TO DIEは、「ハムレット」でした。

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判ってはいましたが、やっぱりダニエルボンドのラスト、は
15年追いかけてきたファンとしては実に寂しかったです。

今作は、懐かしいヴェスパーから始まり、フェリックスとの
友情あり、前任Mの写真も登場し、マドレーヌについては、
やや禁じ手使って来ましたが、バロマは初登場の凄腕エー
ジェントですが、ヴェスパーを彷彿とさせるビジュアル
でしたし、タナーにQ、ベニーにM、といつもの顔ぶれが
揃って、見ながらダニエルボンドの過去作を思い出したりも
しました。

しかし、スパイも今や一人では戦えないし、劇中のMの
セリフ通り、敵は目の前一人殺せば片付く時代でもなく
なっているし、で、ボンドも大変(笑)

それでも公開が延期されたからこそ、目に見えない、細菌
感染、と言う今回の「兵器」が、偶然とは言え、まさに
2021年の今に相応しいキーワードになっているのが、映画の
ミラクル、を感じました。

全体としては。「スカイフォール」あたり、ボンドの生い立ち
とか、暗かった作品からは一転、ガンガンなアクションに
懐かしい国家対立、とか、2時間40分と言う長尺を感じない
that's、ダニエルボンド集大成、でした。

そして、ラスト前、ボンドとサフィンとの一騎打ちの結末を
見た瞬間、気がついてしまいました。
さすが大英帝国、です。
この物語、21世紀のハイテクを見せておきながら、実際
には、ロニアやウィショー、ファインズと言う、シェイク
スピア役者を従えての、ダニエル版「ハムレット」、ですよね。

サフィンとの一騎打ちでボンドが負う頬の傷は、予めサフィンに
よって仕込まれた毒で、ボンドは危機に陥る一方、サフィン
自らも危機に晒されるのですから、まさにハムレットとレア
ティーズの剣の試合そのもの。
何より、ボンド、サフィン、さらにはマドレーヌまでが、
「父を殺された子ども」と言う共通点を持っている事が、
まさに、ハムレット、レアティーズ(オフィーリア)、更には
フォーティンブラス、と4人の父親を殺された子ども達に
よる物語、と言う「ハムレット」の設定そのものですし
(「NO TIME TO DIE」にも、もう一人、目の前で父親を
殺された子どもが登場しますが、まだ公開初日、なので
伏せておきます)、ハムレット同様、ボンドもある意味
国家とか、正義のために生き抜く人ですし、共通しますし。
勿論、それこそ「ホロウ・クラウン」シリーズの「リチャード
二世」で、リチャードを演じたベンと、ボリングブルックを
演じたキニーが揃って出演しているので、どうしてもシェイ
クスピアを意識し過ぎただけの思い込みかも知れませんが(笑)

しかし、ラストのドライブシーンはファンには心臓に
悪かった(泣)

それにしても最近は、吹替、字幕以外にも、IMAXやらドルビー
アトモスやら、さらに4Dやらレーザーやらと、上映環境の
選択肢が凄いのでびっくりしました。
初日が平日で、行ける時間帯が限られていたのはともかく、
緊急事態宣言解除の初日にぶつかり、チケットのオンライン
発売がギリギリに後ろ倒しになったので、バタバタし、初日は
選択肢がなくて、ドルビーアトモスで見ましたが、IMAXも
見たいし、相変わらず字幕がどうも細かいセリフが足りなくて
解らないので(誰の字幕かは敢えて書きませんが)、一回は
吹替で確認もしたいので、あと2回は見るかも。

ダニエル、やっぱり最高!

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2021.09.29

2016年版東宝「エリザベート」がBlu-ray化!

ニュース見出しを見た時、2019年版のリリース!と俄か
喜びしてしまいましたが(笑)、実際には、発売済みの
2016年版が、Blu-rayで再発売されるとの事。

更に、新特典とあったので、トート/ルキーニ逆バージョンの
映像でも入っているのかと思いましたが(期待しすぎ)、
そう言う系の新特典ではなくて、ちょっとガッカリ。
古い人間なので、ドルビーアトモスがなんとやら、より
寧ろ、新デザインのクリアファイル一枚でも全然OKで、
購入ボタン押しちゃいますけど、難しく考え過ぎ。

でも、なんだかんだ言いながら、BLACKバージョン買って
しまいそうですけど。

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「青天を衝け」に、あの人物は登場するのか?

明治編に入って、新しい登場人物がどんどん出てくる
「青天を衝け」ですが、最新回、岩倉、大隈、大久保らの
能舞台会議(何の会議?)で、いつになったら登場するのか、
土方&成一郎の函館戦争チームが出てくる都度、登場を期待
してきた、榎本武揚の名前が、ちらっとセリフに出てきました。

戊辰戦争では、大鳥圭介と一緒に土方たちと戦っていた
人物ですから、きっと登場すると思っていたのですが、
登場せず。
しかし、榎本も大鳥も、旧幕臣ながら、その才能を惜しんだ
黒田清隆により、赦免され、新政府で活躍(と言うか、
困ると頼られた感あり)したと言う点では、渋沢と似た
境遇ですから、もう残り回も少なくなってきましたが、
今後も登場を期待してます
(単なる榎本贔屓(笑)

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NHK「正義の天秤」1話ゲストで、久しぶりに演じる筧さんを見る

日曜の健康番組のMCを終えられてから、レギュラーで
見る事がなくなっていた筧さん。
ドラマとなると、「ニシパ』以来くらい。

偶然録画しておいたNHKの土曜ドラマの初回ゲスト、被告
役で出演されていて、久しぶりに拝見しましてが、メイク、
にしても、首周りとか、更にお痩せになった印象でしたが、
最後にどんでん返しがある法廷劇で、いくらでもメリハリ
つけられるところを、抑えた怒りのお芝居が、逆に印象
深かったです。
佐戸井さんも出演されているので、ちょっとだけ「踊る」を
思い出しました。

ドラマ自体は、元外科医と言うより、元野球選手レベルに
野球シーンが登場したのが気になった以外はオーソドックスな
作りでした
(弁護士が変人なのは、ドラマでは最早デフォルトで驚かない
ですし)
2話以降も見る予定。

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2021.09.27

「近松心中物語」を観る

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私にとって「近松心中物語」と言えば、やはり蜷川さん
版です。

いまや、キッカケはすっかり忘れてしまいましたが、何故か
帝劇、日生で公演していた頃の蜷川さん演出作品は、平さん、
大地さん版「近松」、浅丘ルリ子さんの「にごり江」、
「恐怖時代」や「元禄港歌」は見ていて、洗練とは無縁の、
どれも血肉燃えたぎり、歌舞伎にある演目なのに、異様に
生々しく、ざわつきや粘り気、エグミが衝撃だった記憶が
今でも残っています。
(但し、後の、日生での阿部&寺島版は、阿部さんの長身
以外余り印象がない(笑))

それから20年近く、シェイクスピアシリーズで
蜷川さんと
『再会』するまで、ばっさり何も演出作品を見ていない
だけに、何であの時期まとめて見たのかが、全く不思議です。

蜷川さん以外の演出での「近松」は、勿論、新国立での、
いのうえひでのりさん版が初でしたが、、堤さん、宮沢
さん、と言う、蜷川さん舞台でも馴染み深いお二人主演
だったためか、また、いのうえさんの蜷川さんへのオマージュ
だったのか、意外に蜷川さんテイストが濃かったので、
今回、洋服姿の公演チラシと言い、スチャダラパーによる
音楽と言い、何より、長塚さんと言う、全く毛色の違う
演出家さんが「近松」を手がけると聞いて、昭和のかおり
漂う、秋元松代さん戯曲に、どんな新風が吹き込まれるか、
楽しみに伺いました。

舞台は、2時間20分休憩なし。
終演時間との兼ね合いもあるかと思いますが、個人的には、
内容がもどかしくて、物足りない印象だった事もあり、集中
しきれませんでした。

田中哲司さんは、映像では変人、本心読めない、クセ強め
イメージの方なので(笑)、最初、本当に忠兵衛?と
思ったのですが、舞台はそこがマジックで、ちゃんと
惚れた女に溺れて公金に手を付ける、入り婿さんに見えて
くるから不思議なものです。
ただ、相手の笹本さん演じる梅川のキャラが、よ単なる
綺麗なお人形のようにしか見えず、忠兵衛がなんであんなに
周りが見えなくなるまで惚れ込んだのかが、舞台のやりとりは
おろか、梅川の醸し出すものからも全然納得できずにいる
間に、いきなり死ぬしかない!になるので、ついていけず。
ひたすら、「まてまて、忠兵衛、早まるな!」と思って
ました(笑)

寧ろ、文楽、歌舞伎では憎まれ役の、八右衛門が常識もあり
良い人に見えて仕方なかったです
まあ、和服に「着られて」なかったのは、八右衛門役の
石倉さん、女将役も絶妙だった綾野さんと、今や大ベテランの、
松田洋治さんくらいだった、と言う、キャリアの違いも
あるかもしれません。

松田&石橋コンビは、もう、「大豆田とわ子と三人の元夫」の
残像が強くて、役柄もそれぞれそのままでしたし、悲劇
まっしぐら(な筈)の、梅川忠兵衛に対しての、悲喜劇を
担うと言う役割もあって、梅川忠兵衛コンビほどはイライラ
しませんでしたが、とにかく松田くんが、現代劇の脱力
キャラのまま。
まあ、それが江戸時代の大坂、と、令和の横浜を繋ぐ
アイコンなのかも知れませんが、棒セリフが浮きまくって
ました。
石橋さんはダンスをなさっているだけに、さすがの身体
能力で、ロミジュリばりの、高窓のシーンとか、軽々
されてましたが、多分大変なはず。
一番キーキー言ってる役なのに、下品にも雑にも見えない
ので、安心して見ていられました。

歌舞伎や文楽の演目を現代劇役者さんがされる時は、伝芸の
縛りがない自由で柔軟な解釈や発想に感心する場合と、
伝芸の暗黙の了解と言う、最低ラインのセイフティネット
なしになった時の、肉附のない、寒々としたものだけが
見えてしまう場合がありますが、今回は後者
でした。
音楽もそこまで弾けてなかったですし、それなら、秋元
作品に美空ひばりや森進一、「ハムレット」にこまどり
姉妹をぶつけていた蜷川さんの方が余程破天荒だったかも
です。

また、今までと、印象を大きく変えているのは、登場する
人間の数。
蜷川版、いのうえ版に共通するのは、四人を取り巻く群衆の
存在で、梅川忠兵衛もお亀与兵衛にしても、世間の目、
世間体に追い詰められていくのですが、これまでの演出では
実際にたくさんの人物が舞台に出てきていたので、その
圧を実際に感じられたのですが、今回は登場人物が最小限
だったので、その、見えない「世の中」を感じにくかった
気がしました。

せっかく、令和にこの作品をやるなら、もう少し全体を吹っ
切ってしまっても良かったし、逆にthat's昭和のテイストを
令和の役者さんで見せられる、というチャレンジを見たかった
というのもあるので、今回はそのどちらでもなかったのは
残念でした。


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