2017.10.16

「怖い絵展」を観る

「怖い絵展」を観る
上野の森美術館

美術展は通常一人の画家やグループ、一つの時代や所蔵館という
くくりで
見せることが多いですが、これは、中野京子さんが独自の視点で
絵を読み解く、ヒット本「怖い絵」シリーズの絵を実際に見るという
斬新な企画
中野さんの本は「怖い絵」シリーズ以外もほぼ読んでいますし、
楽しみにしていました

また今回の目玉「レディー・ジェーン、グレイの処刑」は堀北真希さん
主演の舞台「9日間の女王」で見ていて興味がありましたし。

しかし美術展を見に行くタイミングとして重要なのが、「テレビ
(美術番組。特に「日曜美術館」は影響大)でやる前に行くこと」(笑)。
「春信」も「日美」放送の前の週に行きましたが、特にこの展覧会は
企画趣旨からして、1点づつしっかり見ないと意味がないので、
本当は土日はやめようと思ったのですが、最近の展覧会は、一度
ブームになると平日でも平気でとんでもない待ち時間を覚悟する
事になるので、それならテレビでやる前に、と週末に行ってきました

ツイッターで事前に確認したところ、だいたい入場までに50〜80分
待ちだったので、その覚悟で行ったところ、確かに「50分待ち」
とありましたが、幸い結局20分で入れました

しかし中が狭いんですよね、こちらの美術館。
入場制限かけていても、作品の前には三重くらいの人の頭。
仕方なく前半は飛ばし(そのため、エッチングとか小さい作品は
いくつか断念)イヤホンガイドを聞いて我慢しました

「レディ・ジェーン・グレイ」は最後の部屋にあったのですが
想像していたよりずっと大きい作品でびっくりしました。
(たぶん高さ2メートル、横3メートルくらい)
本の方は肝心の絵が本文と違うページになっていたり、絵の一部が
本のノドにかかって見づらいなと思っていましたが、何よりこの
サイズ感は本では味わえないもの。
怖さが大きさで増幅するというのもある気がしました
(逆に細かくびっしり、がコワイ、というのもありますけど)

また、セザンヌの既存イメージが全然異なる作品はインパクト大
でしたし、ホーガスのビール街、ジン街は、ちょっと「レミゼ」の
世界を彷彿とさせる感じでした

サロメとか、ビジュアルで怖いとわかるものより、背景がわかると
怖い絵のほうがじわじわ怖さが来ますね。
(むろん、この「怖い絵」シリーズを読む前から絶対一番怖い、と
思っていた「サトゥルヌス」の絵とか、怖い絵シリーズで見てから
文化村でホンモノを見て絶句したレーピンの作品とか一目で怖いと
わかるもののインパクトもすごいですけど)

しかしやっぱり混んでましたね
これ、絵を解説と一緒に読み解くという趣旨からすれば、実際には
全部の絵がホンモノでなくても、模写や写真ででもしっかり見られれば
企画の意図は遂げられることを考えると、もう少し条件が良くなる
方法、たとえば広いホールとかでも開催しても・・・と思いました

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2017.10.15

「ござる乃座56th」を観る

国立能楽堂

たぶん1年半ぶりくらいの「ござる」でした
そもそも国立能楽堂が久しぶりで、千駄ヶ谷の駅が随分変わっていて
びっくりしました

プログラムの寄稿は予想通り「花戦さ」がらみで池坊専好さん。

最初に「舟渡聟」
しかも万作さん舅、萬斎さん聟、と言う顔ぶれで、まるでメイン
ディッシュが前菜にいきなりでてくるような贅沢さとちょっとした
落ちつかなさでした。

萬斎さんがまだ聟をやって違和感ないのが凄い!。

素囃子「神楽」を挟んでの新作狂言「なごりが原」

原作を知らないので、正直ストーリーも、それが例える事柄、つまり
舞台となる場所の知識、物語の前提などなどが私の中で欠落している
ため、何がなんだかわからないまま、もやもやとして終わってしまい
ました。

これを理解するには、たぶん事前レクチャーか、プログラムに詳細な
原作や時代、社会背景についての解説か何かが必要な気がします。
(配布リーフレットの語句解説も、神様の表記が仮名と漢字が混在
するなど、分かりやすいと言いきれず)

分かったのは後半の舞が完全に「三番叟」の鈴の段そっくりだった
ことくらいでしょうか。
古典の新作は、歌舞伎にしても文楽にしても能狂言にしても全般
説明しすぎるものが多く、「間」が楽しめないものが多いのですが
これについては、日本語が判らなくなったかと思うくらい難解でした。

う〜ん、久しぶりの「ござる」にしては残念でした

残念といえば、更にテレビを見る如くに出演者一人一人を特定しては
隣の奥方に囁くマイペースな老紳士、上演中、咳が止まらずとも
水も飲まず、飴もなめず、マスクもしない、周りへの配慮に無頓着な
マダム、上演中の動きが余りに謎過ぎて舞台より気になった殿方と
今回は周囲の客席が動物園、でした。

そろそろ能楽堂か主催者さまも、観客性善説に立つのはあきらめて、
上演前に見所回っての注意アナウンスが必要なのでは。
(チケット同封の注意事項など、見ないままな方も多いはず)

やや不完全燃焼でした

来春も既に日程として無理そうで、次は来年秋になりそうです

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2017.10.13

「トロイ戦争は起こらない」を観る

「トロイ戦争は起こらない」を観る
「トロイ戦争は起こらない」を観る
「トロイ戦争は起こらない」を観る
新国立劇場

本来観る予定だった日に急用が入って行けなくなり、代わりに取れた
チケットは2階上手。
谷田さんウォッチには下手が正解です(くどいか)
出演時間短いのに、ほぼ横顔のみは残念過ぎでした…
しかしつくづく映画の「トロイ」と蜷川さんと鵜山さんの「トロイ
ラスとクレシダ」見ておいて良かったです。
ついでに言うと、同じ栗山さん演出の「イリアス」も。

別にそれらでなくてもですが、とりあえずトロイ戦争の人間関係と
状況の基本が判っていないと、現代的な思考でトロイ戦争が起こる
ことになったプロセスを、想像力豊かに再構築した、かなりの変化
球芝居であり、ジロドゥの体験と時代背景をを重ね合わせた、皮肉の
効いたセリフ劇のこの作品の構造に気づけなかった可能性があります。

↓速報で谷田さんを絶賛しましたが、全体にはあまりすっきり、
とは言えない部分が多い芝居でした。

岩切さんの翻訳は分りやすかったですが、それでも役者の力量差、
相変わらず幅広すぎて、セリフが通りにくいこの劇場に負けてしまい
肝心の声が聞こえない、渦巻状(写真)の舞台装置は役者に過分な
負荷をかけただけで必ずしも演出効果があったかも微妙だし(奥の
花道?から誰が出て来るのか、と言うワクワク感はあったけれど)、
「あわれ彼女は娼婦」などでもやっていた楽器の生演奏(最近流行り
ですか。栗山さんのマイブーム?前回はマリンバ、今回は電気バイ
オリン)も今回私は席が遠かったので良かったですが、席の場所に
よってはセリフが音楽に負ける場合もありそうでした
(近くで強く鳴らされる音に対して耳が非常に弱いので、演奏位置は
気になってしまうのですが)

また、役者の動きが少ないし(下手すると棒立ち)、当たり前ですが、
人間関係がいちいち口頭で説明されないためわかりづらい(西洋の
観客には判る前提?特に1幕)、まあ単に私が「いつになったら
オデッセウスはでてくるのか?」としか思っておらず、まさか2幕
後半まで待たされると思っていなかったと言う理由もありますが(笑)

イリスとゼウスの神託(?というのか)あの三田さんをしても
やっぱりしっくりこず、なんだか笑ってしまいそうになるのはどう
しようもありませんでした。
「お気に〜」で蜷川さんが福助出しても、「オレステス」で声だけ
だしてもやっぱり妙でしたから、直接神様の声が流れるのが私の
中では引っかかるのだと思います。
日本の古典、狂言だと「川上」で盲目の男が治癒の秘策を授けたり
「釣針」で男が婚活成功の秘策を授かるのは、「あ、そうなんです
ね」と聞いた本人が復唱するのを聞くスタイルで、それに慣れている
からかも。

ちなみに三田さんと言えば、四季で、ベクトルの妻を主役とした
「アンドロマック」に主演されていた方。
いま昼間やっているドラマ「トットちゃん」に朝ドラ「チョっちゃん」で
朝を演じていた古村比呂さんが朝の母親役で出演されているのに
似た感慨です(笑)

鈴木くんは頑張っていましたが、時々叫ぶのと、栗山さん演出の
(悪)癖か、後ろ向きの芝居が結構ありますが、その時が弱い。
一路さんのヘレネはなんというか、さすが人間とは違う種類のキャラ
クターと判る、年齢不詳さかげんがすごかったし(誉めてます)、
ラストはちょっとした驚きでした
(戯曲を読んでいないので、あれが戯曲の指定だったかどうかは不明)

戦争というのは、両国のトップが会談をした翌日に起こる、とか、
日常が戦争と戦争の間みたいなセリフとか、怖いセリフが結構ポン
ポンと出てきましたし、せっかく戦争をやめさせようとしているのに、
戦争をしたがっている人たちのために努力が無になったりとする
のがさらっと描かれたりと、今に響く「怖い芝居」でした。

それにしても個人的には、ヘクトル、アンドロマケ、ヘレネ、トロ
イラス、ヘカベ、というのが耳慣れているので、エクトール、アン
ドロマック、エレーヌ、トリュイラスエキューブ、というのは最後まで
ちょっとなじめませんでした

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2017.10.12

ちくま文庫「アテネのタイモン」

ちくま文庫「アテネのタイモン」
予約しておいた文庫が届きました
さすがに未読の戯曲、早速読みます

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2017.10.10

猿之助さん負傷の影響が即京都の公演に。

またも歌舞伎役者の怪我、というイメージになってしまうんでしょうか
「ワンピース」のカテコで猿之助さんがセリでの事故で負傷、
ニュースによると全治6か月とのこと。

今回の「ワンピース」はたまたま猿之助さんが若手育成の目的で
考えられた若手キャストによる「麦わらの挑戦」座組がもともと
何公演かマチネに組み込まれていて、しばらくはその座組のメイン
キャストが代役で立つようですが(しかし「麦わら~」のシャンクスは
猿之助さんなので、それはそのまま平さん?)

また通常公演がそのキャストになると、そもそもの「麦わらの挑戦」
マチネはどうするのかが不明ですが・・・

一方、すでに先の公演にも早くも影響が出ています
管理人のところには、京都芸術劇場から12月の舞踊公演のチケット
発売延期のメールがきました
猿之助さんはこちらの芸術監督をなさっているんですね
12月の公演開催自体、および変更になる場合の発売日などは17日(火)#10時以降にweb等で発表とのこと。

外にも「三響会」の20周年記念の観世能楽堂での公演が11月下旬に、
あり、今月下旬からチケット発売のようですし、各地でのツアー
公演もあるようで、これから影響が出てくるのでは
ないでしょうか?

それにしても歌舞伎公演の数の多さ、かつ、けがや病気をしない
前提みたいな過密スケジュール、お相撲さんもそうですが、身体が
資本の仕事、特に猿之助さんのような立場の役者さんの場合は、
基本余人をもってかえがたいため、一度こういうことになると大変

猿之助さんのことなので、きっと完治しないうちにどこかで演舞場に
登場されてしまう気がどうしてもしてしまうのですが、とにかく、
一日も早い回復をと思うばかりです

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2017.10.07

「金春会定期能」新聞評

「金春会定期能」新聞評
今週、読売新聞の夕刊に「金春会定期能」評が出ました。
見に行った訳ではないのですが、何気なく読んでいたら、アイについて
万作家門下の内藤連さんが「進歩の跡を見せた」と名前入りで言及
されていました

無論、狂言「呂蓮」の万作さんが絶賛だったのに比べれば、控え目な
書かれかたですが、少なくともこの評者が内藤さんのアイを初めて
ご覧になった訳でもなく、また比較されていると言うのも万作家の
公演を拝見しているファンとしてはなかなか嬉しい限りです。

最近、能の会を本当に拝見してません
久しぶりに見たくなりました

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「トロイ戦争は起こらない」速報的に。

詳細は改めて上げますが、とにかく谷田さんをここまで格好よく
フューチャーした舞台は無かった気がします。
ありがとう〜栗山さん!!

鈴木さんとサシのシーンは最早、歌舞伎の花道挟んでの、「曽我綉侠
御所染」の五郎蔵と土右衛門のやりとりを見るようで、痺れました。

帰りがけに「鈴木さんも格好良かったけど、最後に出てきた敵方の
武将やってた人、格好良かったよね〜」と話しあってている声も確かに
聞きましたし、やっと世間が谷田さんの良さに気がついて来たかも
知れません

芝居の中身はとにかく(笑)、谷田さんの格好良さを堪能するには
絶好の舞台
惜しむらくは、その肝心の場面、上手から下手に真横向いて座られて
しまい、上手席では横顔しか拝めなかった事。

谷田くんウオッチは下手がお勧めです(笑)

しかし、蜷川さんもリアル神様を登場させたり、福助出したり苦労
されていましたが、神様(とそのお使いたち)のシーンはどうやっても
なかなかしっくりこないですね…

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2017.10.03

芸術祭十月歌舞伎昼の部「極付印度伝〜マハバーラタ戦記」を観る

芸術祭十月歌舞伎昼の部「極付印度伝〜マハバーラタ戦記」を観る

芸術祭十月歌舞伎昼の部「極付印度伝〜マハバーラタ戦記」を観る

芸術祭十月歌舞伎昼の部「極付印度伝〜マハバーラタ戦記」を観る

芸術祭十月歌舞伎昼の部「極付印度伝〜マハバーラタ戦記」を観る

歌舞伎は初日は見ない、新作なら尚更、と言うのが一応マイルール
なのですが、今月は舞台予定が多く、ほとんどやむを得ず初日に拝見
しました

が、予想以上に素晴らしい完成度で、不安は杞憂でした。

劇場外の絵看板も、黄金の神々が描かれたエキゾチックなものでし
たが、やっぱりちょっと微妙ですね(笑)
逆に個人的にしみじみしたのは「NINAGAWA十二夜」のキャストがほぼ
全員主要キャストで出演されていたこと
(菊五郎さん、菊之助さん、左団次さん、権十郎さん、彦三郎さん
 鴈治郎さん、松也さん、團蔵さん)
あれから10年以上経ったのもしみじみです

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やっと読んだ蜷川さんの本

やっと読んだ蜷川さんの本
以前にさいたまで発売のチラシをみかけていた、西堂さんの本を
やっと読みました

半分は松本雄吉さんについてで、松本さんについては舞台を体験
していないので、よく判りませんでしたが、蜷川さんについての
部分は、長谷部さんや扇田さんとは違う視点での蜷川さん評でした

それにしても蜷川さんの新作を見られ寂しさはいや増すばかり。
逆に言えば蜷川さんの演出をリアルタイムに体験できていた事が
どれだけ幸運だったかとつくづく感じます

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2017.09.30

『髑髏城の七人』Season 風を観る

『髑髏城の七人』Season  風を観る

『髑髏城の七人』Season  風を観る

『髑髏城の七人』Season  風を観る

『髑髏城の七人』Season  風を観る

ロビーには制作発表でも紹介されていた、松山くんの実物大模型?が
ありましたが、近くで見てもよくできてました

そして「花」と「鳥」キャストの直筆サイン入りのポスターが高い
位置に何気なく飾られていて、スマホで望遠を使って必死に撮り
ましたが、正直達筆すぎてどれが誰のサインやら(笑)
今回は前方上手サイド席。
下手サイドだとラスト前とか役者さんが近くで見られるのにと思って
いましたが、今回はとにかくサイドながら前!だったので、左右の
壁で一部(贋鉄アトリエのところと無界の裏手とか)奥が全然見えず、
役者が端近まで出てこないと何がなんだか、という残念な部分も
ありましたが、思った以上に役者近っ!でした
特に向井くん、近いのに顔ちっちゃ!!遠近感が狂いました(笑)

一方、ぐるぐる劇場(笑)も2シーズンを経て、いのうえさんが
効果的な使い方をマスターされて来た感じです。
歌&ダンスメインと言っていた「鳥」では少なかった、舞台を
めいっぱい主要キャストが歩いたり走ったりする場面が増えて、
特に舞台前通路?を殺陣をしながら後ろのスクリーンの風景が
変わっていくところと、全員で髑髏城に乗り込むところはかっこよかったです

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