2019.12.14

「十二月大歌舞伎」(夜の部)を観る

201912kabuki

今月の歌舞伎座は、「十二月(女形)大(活躍)歌舞伎」でした。

特に、梅枝くん、児太郎くんは昼夜とも重要な役でほぼ出ずっぱり
大車輪、大活躍

まずは夜の部。
「神霊矢口渡/頓兵衛住家の場」
ひょっとしたら初めてちゃんと見たかも、です
久しぶりにぴったり適役の松録さんを観ました。
セリフも良かったし、何もしなくても笑いを誘う陽の感じは、
お祖父様を思い出しました
ただ主人公と言いながら、頓兵衛は後半30分しか登場しないので、
実質の主役はお舟役の梅枝くん。
とにかくクドキあり、アクションあり、の大活躍。
コクーン歌舞伎の「与三」あたりから、形だけでなくて、ちゃんと
芝居、の出来る女形さんだなと思いながら見てきましたが、他の
演目も含めて、いよいよ
令和のクールビューティ、本格始動かも。

「本朝白雪姫物語」
ううむ。
ううむ。
何と言って良いのか(苦笑)
確かに「俳優祭」のは面白かったです
しかしそれは、俳優祭ならではの趣向の妙で、本公演にやる、と
なると、話は別かな。
今月、国立はチャップリンで、演舞場がジブリ、そして歌舞伎座が
グリムと、揃ってチャレンジし過ぎですよね(笑)

ただ、ディズニーを経由してない分、原典グリムの現代性が逆に
見える不思議な事になってました。

つまりは、母親による娘へのDV話。
美貌自慢のママは、娘が成長して美しさで自分を超えてくるのを
恐れてライバル視。
挙句「一番じゃないとダメ」(笑)と、娘を山奥で殺すよう部下に
命じる、養育放棄のネグレクト+虐待

部下は哀れんで山中置き去り止まりで命を助けたものの、娘が生きて
いると知るや、母親、今度は自ら毒を携えて殺しに行く文字通り
「毒母」感がすごかった。
最終的に娘は児童相談所ならぬ隣国の王子様に保護されて、めで
たしめでたし、ですが、それにしてもグリムの現代社会告発が的確
過ぎだわと、痛感しました

ここでも児太郎、梅枝コンビは大活躍。
児太郎くんが、白雪ママで、梅枝くんが鏡の精。
同じ衣装で向き合い、舞うのは美しかったですし、玉三郎さんの
白雪と三人での琴の連弾は、昼の「阿古屋」では三人揃うことが
ないので、心憎い仕掛けでした。

児太郎くんは自意識過剰な母親を絶妙なラインで演じていて、
「野田版研辰」で「天晴れじゃっ!」と叫んでいたお父様レベル
にはまだまだながら、真面目にやっても、間だけで笑いを呼ぶのは
独特のセンス。
正直、バイタリティーを感じる身体つきですし、顔の骨格が薄幸の
お姫様にはちょっと向かない分、違う個性で勝負、ですね
土手のお六、とか、岩永とか、余り真女形さんはやらないですが
「骨寄せ岩藤」とか、ちょっと見てみたくなりました。

しかしやっぱり歌舞伎座でやるかなぁ(苦笑)

| | コメント (0)

2019.12.13

あの「チェーザレ、破壊の創造者」がミュージカルになる!

最早漫画とは言い難い歴史書レベルに達している、が、故に超難解でも
ある(笑)敬愛する漫画「チェーザレ~破壊の創造者」が、何と
来年4月にミュージカルになるそうです。

しかもチェーザレが中川くん、ミゲルが宮尾さん、ダンテが藤岡
くんで、ロレンツォ・デ・メディチに今さん、曲者のローヴェレが
岡さんで、ロドリーゴが別所さんだそうで、なんかこれ、めちゃくちゃ
本気でミュージカルやる気キャストじゃないでしょうか?

しかし
なんで謎なのは劇場。
帝劇でもクリエでも、日生でも、音響譲歩してフォーラムでも、
ACTでも新国立でもなく、明治座なんでしょう?
不思議。

しかし、これは見たい。
かなり見たいです

| | コメント (0)

「タージマハルの衛兵」を観る

プレビューから1週間ちょっと、本公演をほぼ同じ席で観ました

学生の団体が入っていて、入場前にロビーで「ちょっとショッ
キングなシーンがあります」とスタッフの人が説明していました
高校生のような制服でしたが、なかなか刺激的な演劇体験になった
事でしょう。

そうそう、萬斎さん舞台でも、シェイクスピアでも、世田谷パブ
でもないのに(笑)客席に河合先生をお見かけしました。お珍しい。

さて、実質2回目、全体にちょっと短くなった気がしましたし、
まずは劇構造がはっきり理解できたのが一番でした。

一番変わったのはラスト。
フマユーンの制服の色が変わらなくなり、ちょっと傷んでいる感じ、
また、きちんと整えられていた髪がちょっとぼさっとしていて、
時間の流れかたの印象が変わりました

奥で二人で着替える時の照明が細かくなって、あと、フマユーンが
プレビューよりちょっと激情型になってました。

プレビューで気になった二場の「あれ」ですが、本数と、それに
伴う液体がどれ位なのか、前回はスプラッタ趣味かと思いましたが
逆に具体的に見せる事で、量が限定的になった気がしました。
具体的にモノを余り見せない事で、量や距離や大きさを観客に自由に
イメージさせる狂言や能をある程度見てきたせいか、ひょっとしたら
全く見せない方が(役者は二人共それくらいは無い物を見せられる
技量をお持ちですし)観客がそれぞれ、自分の中で「膨大さ」を
そこにイマジネーションする事で、もっと恐怖を感じたかも知れ
ません。

それにしても「美」を常に意識に置くバープルには、16年我慢して
見たタージマハルは一つの美の象徴でもあり、更にそれを越えていく
ものへのイマジネーションをかきたてられた筈なのに、自分の仕事に
よって「美が死んだ」、多分もう少し正確には「美が退化する」、
若しくは「終わりの始まり」になる事が許せなかったのでしょうし
ヒエラルキーの上位にいて、自分を認めてくれない父親を持つフマ
ユーンにとっては、自分のチカラでエリートコースに乗るチャンスを
得た事は、それが惨たらしい指令を下す事もできる王の体制下、
息苦しい社会体制の中でも意味があった筈で、でも「発明」には
やっぱり夢を持っていただけに、幼なじみの二人を引き裂いたのが
最終的に何だったのか、深く考えさせられました。

そう言えば、小劇場があんなに音響が良いとは思いませんでした。

しかし成河くんを見ていると、亀田くんの豊かな表情を見逃すし
と言って亀田くんを見ていると、目だけで、口許の震えだけで語る
成河くんを見られない、二人芝居なのにマルチアングルが欲しい!

| | コメント (0)

2019.12.12

「タージマハルの衛兵」フマユーン/バープル「手が逆」のくまさんたち

TajPoster_20191212085801

小劇場入口脇のスペースにプレビューの時は持っていなかった剣を
持って、身体を寄せあってちょっと不安そうに立っているように
見えるクマさんたちは、まさしく「衛兵」の
フマユーン/バープル
コンビです。

ただし、これをフマユーンくんに見られたら、当然「手が逆」って
言われると思いますが(笑)
因みにポスターの方は判りにくいですが、原作者サイン入りで、
ロビーに飾ってあります

| | コメント (0)

2019.12.11

シアターコクーンの芸術監督に松尾スズキさん就任

Geikan

蜷川さん逝去以来空席だった、シアターコクーンの芸術監督に
「大人計画」の松尾スズキさんが就任され、いま、「キレイ」を
上演中。

写真は文化村の会報誌で、中面に、松尾さん就任のインタビューが
掲載されていました。
どこの社長さんかしらと思うくらい、真面目なお写真がレアです(笑)

当然そう言う方向の舞台は増えるでしょうから、逆に私がコクーンに
行く頻度は下がりそうです。
多分。

| | コメント (0)

いよいよ年始に銀座線渋谷駅が移転

Ginza

いま、ヒカリエ脇に出来つつある透明トンネルが新しい渋谷駅
ですが、今の位置からの移転等に伴い、年末年始に渋谷~表参道、
青山一丁目~溜池山王が部分運休します。

つまり、渋谷~溜池山王は、半蔵門線(永田町乗り換え)南北線、
もしくは半蔵門線(表参道乗り換え)千代田線(国会議事堂)など
迂回が必要。

完全に習慣になっているので、渋谷から銀座線に乗れないのをうっかり
忘れそうで今から心配です。

いっそ写真のポスターを、この期間だけスマホの待ち受けにでも
しておくかな。

| | コメント (0)

「社会人/外国人のための文楽鑑賞教室」(Bプロ)を観る

国立劇場 小劇場

歌舞伎の鑑賞教室はお馴染みですが、文楽の鑑賞教室は多分初めて。
短い「伊達娘恋緋鹿子」のあと、解説があって、休憩後「俊寛」と
言う構成で合計2時間

「伊達娘」は初めて見ましたが、鐘楼の登りかたが人形ならでは。
考えた人、凄い。

解説は三業さんそれぞれ。
大夫と人形は役による違いは公演でも解りましたが、三味線が
あんなに役で違えているとは思いませんでした。

「俊寛」
歌舞伎と違いはないですが、歌舞伎だとどうしてもベテラン役者が
するので、老人だと勘違いしてしまいますが、文楽だと頭がそこまで
ではないのを使っているので、まだ、人生を諦観するには早い事が
理解され、その分、見送った後の長さと、孤独が強烈に伝わってきました

何より判りやすい演目ってやっぱり安心して見られますね

解説の時に挙手でアンケートしていましたが、文楽初めて率はかなり
低かったです
私も今回鑑賞教室だから、と言うより、本公演の「一谷嫩軍記」が
見たかったのですが、平日に休まず行ける開演時間と言うのが大きく
「鑑賞教室」を選びました

しかもAプロBプロは演目同じで配役が違い、俊寛がAプロは和生さんで
Bプロが玉男さん。
Bプロは千鳥も勘十郎さんと、鑑賞教室でも万全の配役で、魅力的で
料金も格安。

観客の裾野拡大も大切でしょうが、通常公演も11時と16時とかいう
今や歌舞伎/文楽くらいでしか通用しない開演時間自体を見直すこと
からしないと、「ワンピース」や「ナウシカ」で話題づくりしても
裾野の広がりには繋がらないのでは?

| | コメント (0)

「半沢直樹」新春スペシャルに井上くん、松也くん

来春、久しぶりに「半沢直樹」続編が連ドラ放送されるそうですが
そのエピソードゼロとして、年明けにスペシャルドラマのオンエアが
発表されました。

なんと続編にも登場するキーマン役で「エリザベート」トートの
井上芳雄くんとルキーニの尾上松也くんが揃ってご出演だそう。
しかもI T会社の社長と役員役。

TBSの日曜劇場/池井戸作品では、「下町ロケット」には成河くん
(ゲスト)、育三郎くん、「ロケット2」には古川くんと、既に
トート/ルキーニのご出演実績?がありますが、今回は舞台時期
間際に揃って「降臨」とは、ちょっと驚きです。

井上くんは4月に「桜の園」舞台もあり、かなりバラエティに富む
ご活躍になりそうですね!

| | コメント (0)

「私たちは何も知らない」を見る

Nitosha

東京芸術劇場 シアターウエスト

二兎社の最新作は、明治~大正に活躍した平塚らいてうと「青踏」
同人たちの群像劇

以前同じく永井さんが樋口一葉を描いた「書く人」同様、女性が
活躍の場を求める、生き方についての葛藤や軋轢を描いた作品。

今回、見てまず思ったのは、平塚らいてう、と言うと、過激な発言を
伴う、パワフルな女性活動家と言うイメージだったのですが、演じて
いたのが、朝倉あきさんだった事を含めて、ややおっとりした
文化系女子として描かれていたのが意外でした。

勿論、心中事件を起こしていたりはするし、遊廓に行ったり、フリー
ターの年下男子とダラダラ付き合うとかして(女子が養う年下の
彼を「若い燕」と言ったのはらいてうの彼氏が嚆矢らしい)、男性
中心の世間からは批判されてはいたようですが、先頭に立って
抗議行動を起こすようなタイプではなく、同人たちから行動に移せと
言われているし、また、後から同人となったより過激な伊藤野枝に
「青踏」編集を任せると、同人の規約をなくすなど、かなり好き
勝手に、いわば乗っ取られてしまうとか、初期メンバーで、らい
てうの「彼氏」だった尾竹一枝が、のちに陶芸家の富本健吉と結婚
した事とか、知らないエピソードばかりでした。

つまり、この芝居のタイトルの「私たち」とは、現代の観客の事

平塚らいてうはじめ「青踏」について余り知らない。
ここに描かれたような女性たちが(男性)社会と戦い、勝ち得た
或いは破れ去った歴史について詳しく知らない。
そして更には彼女たちが問いかけをし、名誉や社会的評価を犠牲に
することもいとわず求めた女性の活躍の場や、あり方と、今現在の
女性たちが直面している問題や評価のされ方が、どれくらい違って
いるか(多分いないか)と言う点も、私たちは知らないでいるの
かも知れません

作品は、彼女たちの行動を賞賛するでも批判するでもない描き方。
強烈にスリリングな結末もなく、青踏の発行停止までを淡々と
ちょっとインパクトに欠けるくらい明るくで、突き刺さってくる
所はあまりなし。
まあそもそも、実家を編集部にするなど、一葉のように生活が
かかって、と言う感じがなく、どこか、大学のサークル活動のよう
でもあって、実際には彼女たちが、どのくらいのテンションで活動し
どれくらいの影響力を持っていたのか、実際の温度感がどうだった
のかしらと思いながら後半は見た感じになりました。

らいてう役の朝倉さんは、「七つの会議」の女子社員をなさった
方で、舞台は初めて拝見しま気がしますが、ほんわか、のびのび。
過激な同人に振り回されたり、褐を入れられたりする、永井さんの
イメージするらいてう像にはぴったりだったのかも、ですが、伊藤の
死とかに対してもう少し温度が欲しい気がしました。
朝倉さん以外のキャストは申し訳ない余り存じ上げない方ばかり
でしたが、発起人の一人の保持役の富山えり子さん、尾竹一枝役の
夏子さんが印象的でした。
一方、残念過ぎるのが、らいてうの彼氏役、唯一の男優さん。
わざとなのでなければ、セリフが棒だし、主人公のらいてうが惚れる
男をこんな痛くも痒くもない感じで演じて良いのか、物凄く微妙
でした。
それが狙いだったとしたら凄いですけど…


| | コメント (0)

2019.12.09

「ナウシカ」歌舞伎で菊之助さん負傷

昨日の昼の部のラストあたりでアクシデントがあったそうで、
そのまま終演、夜の部は休演になったとか。
幸い?今日の昼から菊之助さん復帰して開演したそうですが、
いま確かドラマも出ている筈で(撮了してないとできないスケ
ジュールな気はしますが。あるいは、深夜に抜きで撮っているか)
そちらへの影響も気になります。

思えば、猿之助さんの骨折も「ワンピース」の時ですし、今回も
新作の「ナウシカ」

新作が危険とは言いませんが、やはり古典として演じ継がれている
ものは、美しさや恰好良さ、華やかさや度肝を抜く仕掛けまでも
様々な先人の知恵と工夫の賜物で、多分その中には、役者の安全の
ためのリスクヘッジも含まれている気がします

そう言えば昨日、昼の部の歌舞伎座がはねたあと、チラシもらいに
演舞場に寄ったのですが、今にして思えば、既にアクシデントは
起きた後だった筈ですが、バタバタした雰囲気は全くなく、建物
周りは静かで(寧ろ静か過ぎるくらいだった)、入口には夜の
開演時間の立札が普通に立っていて、外で開場待ちをしている方もいた
ので、まさか中で、夜が休演になる程の事が起きていたとはびっくり
でした。
逆に言えば、休演を決めたのはかなり間際だったことになります。

しかしチケットは完売で、振替公演をするのもかなり難しい年末。
払い戻しは勿論でしょうが、払い戻されても何しろ「通し」です
から、後半見れないままになってしまう観客もいるはず。
例えば年明けにやるという、ディレイビューイング優先予約か
無料招待か何か、配慮が必要な気がします

| | コメント (0)

«ケラさんによるチェーホフシリーズ、ラストは大竹さんで「桜の園」