« F1 バーレーンGP予選 | トップページ | JRの座席 »

2004.04.04

「野村万作抄12」を観る

水戸ACM劇場

劇場はグローブ座式の円筒形劇場で、垂直に3階まで立ち上がる
2,3階席はバルコニー席。

タイトル通り、12回目の開催とのこと
舞台が仮設とは言え、立派な能楽堂を模していて
本舞台はもちろん(多分ほぼ原寸)、地謡座もあり
橋掛かりも短いながら設置、鏡板、そして老松も
約束通りに描かれている
切戸口もあるのにはびっくり
そして屋根もシテ柱と笛柱を結ぶ線から後ろ、
鏡板までは板張りのものが付き、屋根も
破風風のものがこの屋根の手前に作られ
天井から吊ってある

ここまで本格的なものは初めて見た

まず萬斎さんの解説。雑談はなくて演目解説30分

続いて「附子」
深田、高野、月崎の若手だけ
主(月崎さん)の出を見てびっくり。麻の長袴の
膝下の折り目のところが、擦れたように横に
裂け目が。

中入り後の再登場時は縫い付けてあったが
こういうハプニングは初めて

演目自体は一通り

休憩を挟んで今日の目玉「武悪」
武悪・万作、主・万之介、太郎冠者・萬斎

この三人だけの共演、というのは最近なかなか
見なくなった
二番あったら、一番は万作シテ、一番は萬斎シテという
パターンが多いからだ

「武悪」は私はかなり注目して見ている演目
三人三様の思惑、駆け引き、性格、立場というものが
ものすごくデリケートに構築されているのだが
演者同士の力量がものすごく如実に反映されていると思う

今回で言うと、主と親友である武悪の間に挟まれて
悩む太郎冠者にかなり思い入れをして見てしまったが
というのも、万作さんの武悪が私の思ったよりも
かなり硬くて(これは万作さん自身の資質に負うが)
特に後半、幽霊になってからの笑いの部分が
もうひとつ私には乗りきれず。

というのも、武悪も相当な教養人であり、武人のはずで
幼馴染の太郎冠者に殺されずに済んだ上に
鉢合わせしたのを「幽霊だ」と機転を利かせてくれた
太郎冠者に恩を感じての「幽霊」姿での登場という
ことであれば、もうちょっと<遊び>というか
<高度な洒落>を体現する飄逸さがないと
全体のトーンがまじめさだけで終わってしまう気がするからだ

以前に「武悪」は主、太郎冠者、武悪という異なる価値観をもつ者同士の関係を
見せるもののため、異流(異家)との共演が効果を生むという
話を聞いたことがあるが、確かにここに茂山家か又三郎家が
加わったら、違う面白さが見つかったかもしれないと思い当たった

万作家らしい生真面目な出来映えだったが
たとえば千作師の主、又三郎師の太郎冠者などでも
見て見たいかも。

|

« F1 バーレーンGP予選 | トップページ | JRの座席 »

「能&狂言」カテゴリの記事

「野村萬斎」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« F1 バーレーンGP予選 | トップページ | JRの座席 »