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2004.04.16

「新宿狂言」を観る

新宿・スペースゼロ

レイアウトフリーの会場で、今年は通常のひな壇状の
客席のほかに、舞台が張り出した部分に
脇正面を作った、ほぼ能楽堂と同じつくり

正面にベージュのカーテン(一部は幕になった)
柱の代わりに短い竹、地謡座の位置に玉砂利
(なんと後に、それが黒いシートに貼り付けてあって、
シート単位で移動可能だったことが判明)、
舞台は床は板風(後ろの席だったので、よく判らなかったが
つや消しリノリウム?)、「狂言劇場」風に右にも橋掛かり風通路

パンフレットが非常に詳しく、「八句連歌」の内容なども
出ていて親切
(しかし上演中にその場面になったら多くの人がその
パンフレットをザラザラ開いて音がしたのは、毎度のことながら
痛し痒し)

まず萬斎さんによる解説
11回目の開催ということで、これまでの公演を振り返ると
同時に、会の趣旨などを説明、そして演目紹介。
演目解説で、連歌をチャットと譬えていたが、
合っているようでどこか違うかも。

続いて狂言「八句連歌」

正面の幕が上がると、奥に大きな満開の枝垂れ櫻の
実物大?の作り物

貧者・万作、何某・万之介

このところこの二人の共演を見る機会が多いが、
やはり安心して見られる。
二人の連歌のやりとり、そのあとの何某の心遣いなど
いかにもふんわりとしていて、それでしっくりと収まる

万作さんは通常の橋掛かりから、万之介さんは
右手から出入り。

連歌のやりとりの時に、櫻の作り物と舞台の間に
透明に見える幕(OHPか?)があって、文字が映写されるのは
いかにも「電光掲示狂言」のDNA

萬斎さんが解説でこの曲を、まったくの台詞中心の曲のため、
能楽堂では割とやるが、ホールではあまりでないと
言っていたが、納得できる。
客席で数箇所、舟を漕いでいる客を見る
そもそも「連歌」自体が今、馴染みが薄いから仕方ない。

休憩中に舞台のレイアウトが少し変わる
玉砂利シートが舞台の一番下手側に移動、
(つまり舞台面の中で舞台の位置が若干右にずれた)
シテ柱に背の高い竹と櫻の枝が取り付けられ、
能楽堂ならば、後見が座るあたりに、もう一本
竹が柱風に立つ
脇柱のあたりには、白い布を竹に巻いた枠の中に
背丈ほどの作り物の櫻が立てられた、
<通常のサイズ>の作り物
幕の奥の櫻は「八句連歌」と違って、枝だけが
上から吊るされる形で見える。

会場にやや強めの香が焚かれる
(ちょっときついかもなあ。)

「花折」

新発意・萬斎、住持・万之介、参詣人・石田、高野、竹山他

最初の住持と新発意の登場は、その櫻の枝の下、つまり
舞台の奥から。

境内に入り込んでの花見をさせるなと
住持に言いつけられた新発意が、一人留守番をしていると
参詣人がやってきて、入れないならと外で酒宴を始める。
酒飲みたさに、結局は参詣人を境内に入れてしまい、
全員でさんざん酒盛りをし、舞を舞って盛り上がり、新発意も
最後には酔ってしまい、帰るという参詣人に、土産だと
自分で櫻の枝を折って、与えてしまう
一人寝入っていると住持が帰ってきて・・・・という
まあありがちな、新発意もの定番の失敗談

見ていて、ディズニーの「ファンタジア」中の
『魔法使いの弟子』をちょっと連想する

この日も前日の越谷同様、参詣人役で若手の出演者。
先頭の石田さん、高野さんあたりとは、まず姿勢から
違っていて、前傾になっておらず体が反っていて、腰が高く
発声も安定感に欠ける。見るまいと思っても、どうしても
若手のその手の演技に目が行ってしまう。
やはり技量の差は歴然だし、上手い人の演技を
台無しにしてしまうので、共演者というのは大切だと思う

全体としては、春に花という、実に似合わしいテーマに
統一されていてよかったし、やはり前日の越谷に比べれば
これくらいのが適正な劇場サイズだと確信する


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