« 観世榮夫喜寿祝賀銕仙会特別公演 | トップページ | 勘三郎襲名公演で「研辰」 »

2004.05.27

「能と歌舞伎による道成寺の夕べ」を観る

歌舞伎座

まず瀬戸内寂聴さんの講演。
人を引き付ける話術はさすが。

15分の休憩を挟んで
能「道成寺」 (90分)
30分休憩
歌舞伎「京鹿子道成寺」(70分)

という構成

社団法人国際演劇協会(ITI)主催

能「道成寺」
シテ 観世榮夫
ワキ 宝生 閑
アイ 山本東次郎他

寂聴さんの話の後、当たり前のように緞帳が下りるが
考えてみたら、能楽堂ではそういうことがないので
緞帳の後ろからお調べが聞こえ、幕が開いて能が始まると
いうのはなんとも不思議な感じ

あとで歌舞伎の方を見て痛感したが、何しろ歌舞伎の
総本山でやるのだから、まるで「道場破り」みたいなところがある
観客も歌舞伎ファンの方が多いのは明らかで
つい能に肩入れしてしまった

本舞台はシテ柱および笛柱が長く、目付・脇柱は短め。
鏡板はなく、バックは青の照明。

3階席だったので良く判らなかったが、鐘を吊る一連は
通常どおりだったので、おそらく高い天井から輪を下げていたのかと。
ただし、紐を扱う竹の棒がいつもよりも若干長く様子

観世榮夫さんのシテは動きに無駄がなく、特に乱拍子は
あの上のすっぽり抜けた空間に対抗するためか、小鼓も相当頑張っていたことも
あるとは思うが、息を詰めた感じが実に快感。
(後ろの席の歌舞伎ファンと思われる客は「あの前半のウロウロしていた
 のが長すぎる」と言ってましたが)

後シテの鬼女は重心が十分に下がっていて、のたうつ蛇らしい
迫力があったが、前シテの間は、若干足の運びとかがどうしても気になる
(足がすっと揃わないとやはりちょっとね・・・)

それにしてもあの突拍子もない広い空間を、
派手なセットも鳴り物もなしで、掴んでいたことは凄い

しかし、知らないとはいえ、シテ・ワキが下がったところで
殆どの客が動き出し、鐘の運び出しなど「大道具の片付け」くらいにしか
思われていなかったのは、激しく残念。

それと、乱拍子の最中に「恋のから騒ぎ」の着メロを
ステップトーンで鳴らした、不心得モノ約一名。
許しがたし!

30分の休憩を挟んで歌舞伎版。

歌舞伎「京鹿子道成寺」道行きから鐘入りまで
白拍子花子 中村勘九郎

        片岡 亀蔵
        片岡 市蔵

定式幕が上がってまずセットが派手。鳴り物ありで、すでにもう雰囲気満点
所化(というか、今回は狂言のすっぱのような括り袴や頭巾をした
坊主が二人)の登場から拍手と掛け声が凄い
そして揚幕の鈴の音がして勘九郎丈が登場とわかったたとたんに
(見えていない3階席まで)会場一杯の拍手に掛け声。
通常の公演よりも、気合が入っているように聞こえた。
まるで難解な能を見て、拍手もできず、もやもやが溜まっていた
歌舞伎ファンがストレスを発散しているようで、ちょっと苦笑。

しかし、能のミニマムな動きを堪能してしまった後で舞踊を見ると
どうも無駄に派手で無駄にサービス過剰に見えて仕方がない。
そもそも、この白拍子に「執心」というものがあるのか、と
思ってしまうくらいで、本当に同じストーリーを演じているとは
思えないほどの違いを痛感した。

勘九郎丈は先月の「弁天」のために少し痩せたからか、ビジュアルは
よかったし、動きも美しかったのだが・・・

個人的には、能の大鼓の亀井広忠さんと歌舞伎の小鼓の
田中伝左衛門の兄弟が「競演」していたのが「お楽しみ」でした

|

« 観世榮夫喜寿祝賀銕仙会特別公演 | トップページ | 勘三郎襲名公演で「研辰」 »

能&狂言」カテゴリの記事

歌舞伎」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 観世榮夫喜寿祝賀銕仙会特別公演 | トップページ | 勘三郎襲名公演で「研辰」 »