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2004.08.02

新宿文化センター開館25周年記念公演<三番叟他>を観る

番組案内にかなり長い間「三番叟/野村万作・萬斎」
とだけあったので、どういう番組構成になるのかと
思っていたのですが、結局

解説・石田幸雄
狂言「二人袴」舅・万作、聟・高野、太郎冠者・月崎、親・万之介
 <休憩>
「三番叟」 三番叟・萬斎、千歳・深田
        ※大鼓・亀井広忠 笛・一噌隆之

という番組立て
加須のホール10周年のときも全く同じ番組だったので
(先に「三番叟」→解説→休憩→「二人袴」だったが・・
 制作もこのときと同じ、森崎事務所)

バックは金屏風、橋掛の前は松の替わりに
銀の石風オブジェ、柱替わりに僅かな高さの
竹(風?)のもの

「二人袴」
直前の解説で石田さんが登場していたこともあってか
珍しく舅に万作さん登場
(というか、これにしか出演されていない。当然
 この組み合わせなので、舅がシテ)
親は紫、聟はオレンジの段熨斗目。

高野さんの聟もかなり慣れてきたが、何度観ても
天然系で憎めないキャラクター造形。
しかし、この週に観たすべてのものと同様、
やや万之介さんがお疲れなのか、特に物着は
こなされるのが難しそうで、この日も二枚に分けた後の
自分で着けた袴が徐々に下がってきていたのが
気になってしまった。

もちろん全体としては全くソツのない出来栄え。

休憩を挟んで「三番叟」

緞帳が上がると紗幕が下がっていて、奥に
注連縄が下がっているのが透けて見える
(「狂言劇場」と同じ注連縄)
金屏風が取り払われている

笛と鼓の音にあわせて、「三番叟」のはじめの謡の部分や
「烏跳び」「五穀豊穣」など、「三番叟」に関係のある
言葉が紗幕にアトランダムに投影されていく。
最後に大きな文字で「三番叟」と投影されて
紗幕が上がる

良乍さんの火打石での御清めの後、囃子方、
そして千歳と三番叟登場。
千歳は緑の、三番叟は紫の、それぞれ鶴亀と
松をあしらった装束で登場。

千歳の舞はなく、いきなり三番叟に突入。

揉の段の後、千歳との会話のところでは、背景に
藤色のスクリーンが下がり、セリフが白抜き字幕で映された。
この趣向は初めてだが、まあ個人的には無くてもよかったかなと。
というか、セリフの後ろをごく小さく読めないサイズで
上から下に文字が流れていくのが、どうも「和風マトリックス」
に見えてしまったのだが・・・

鈴の段は、そのスクリーンにオーロラを思わせる映像が流れ
始め、徐々に色が明るくなり、次には黄緑に黒い?丸い粒が
混入し、さらにキラキラを思わせる細い十字が入り、最後は
白い煙状のものが吹き上げるようになって舞が終わると
スクリーンも上がった(いくらなんでも三番叟の演能時間に
あそこまでぴったり合わせるのは無理と考えると、
あのナゾ映像はリアルタイムの作業だったのか・・・)

正月のサントリーの「成人の日コンサート」でも似たような
趣向(オーロラ映像が延々と流れた。見ていると三番叟が
見られないので見ていない、どちらも見られるのは
前の方の席の人だけ)あったが、このあたりは、好みだろうか。

「三番叟」がいかようにもショーアップできる、という証左でもあるし
これはいくらなんでも、という反応もありそう。
「狂言劇場」がシンプルに徹したので、そのイメージからすると
「やりすぎ」感もあるが、私はそれらがあっても、やはり
あの緊張感と神聖なものが喚起させられた、という意味で
『どうショーアップしても「三番叟」は「三番叟」として
 全く揺るぎの無いものなのだ』
とその力強さを改めて実感した気がする。
舞そのものについては、前後どちらも力強く感じられたが
強いて言えばもう少し「揉の段」に力強さが感じられても良かったなと。
そうそう、橋掛りまで行って踏むというのを初めて見たので
ちょっと驚き。広さとかの問題とはちょっと違うだろうし・・・

「狂言劇場」や能楽堂とは比べ物にならない
サイズのホールでやる場合には、あの高さを埋める
何かがやはり必要な場合もあろうかとは思えるけれども
ただし、それがマトリックスばりの文字情報や、オーロラっぽい
映像かと言われると、ちょっと違うかも、とは思いますけど。

それにしても、萬斎さんと亀井さん、一噌さんの組み合わせは
お互いの呼吸が読めているようで、実にやりやすそう。


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