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2004.09.29

野村万作舞台生活70周年記念「大狂言会」(2)夜の部を観る

さて一息を入れると直ぐ夜の部開演。
やっているほうも大変でしょうけど、観ている
方も結構バタバタ。
とりあえず一旦劇場外に出たものの、外は雨。
次の開場までは45分ほどしかないので、外で
食事も無理(というか時間自体が中途半端)
結局、三越で夜の弁当を調達して戻った時には
もう開場。
昼の部は開幕ギリギリに飛び込んだので気がつかなか
ったのですが、なんと4階、いわゆる「一幕見」席が
当日券になっていた模様。

夜の部は大奮発しての1階席前方。

舞台は当然のことながら昼の部の開演時と
同じ『翁』仕様に戻っている。

昼に3階から一度全体を俯瞰しているので、
オブジェなどがどう見えているかは判っていた分、
どう作られているかなどが近くで見て納得すること多。
ただし、1階前方席、文句を言っては申し訳ないのですが
舞台の奥が見えない、というか、床面が見られないのって
結構つまらないんですね、特に「三番叟」は。
観て判りましたけど。
歌舞伎座での良席の基準が7~9列目あたりにある
というのはこのあたりにも理由があるのかも。

やはり15分開演が遅れる

『翁』
翁・・・・観世清和
千歳・・・野村四郎
面箱・・・野村又三郎
三番叟・・野村万作

万作さんの装束は黒地に裾が若松、袖と背中に
鶴模様。下はオレンジと緑?

実は万作師の「三番叟」を拝見するのは初めて。
と言うわけで、ほとんどを萬斎さんバージョンとの
違いとかを中心に見た感じ。
もちろん全然ベツモノでしたけれど・・・
なんというか、とにかく重みとか、気品とか
発散というよりも内面へ向う勢いのようなもの。
セリフ劇として狂言を見ていることが多いので
セリフ無し掛け声だけの「三番叟」って
ものすごく身体能力的部分とか、セリフ術では
カバーできないnon verbalなパワーを感じるものだという
ことが比べてみて判った感じ

(・・って同じ役を演者で比較するのは
 伝統芸能を楽しむ上での最大の楽しみ
 だという事はもちろん判ってはいるのですけどね)

昼より長い30分の休憩を挟んで『棒縛』

太郎冠者・・萬斎
次郎冠者・・石田
主・・・・・深田

ここからはどちらかというと、萬斎さんon stage

緑地に大きくトンボが染め抜かれた肩衣に
薄い灰緑色のような地に緑と赤、黄色の入った格子の
着物に茶の狂言袴。
ちなみに次郎冠者の石田さんは黄色にカニ柄の肩衣。

『棒縛』自体は狂言から歌舞伎舞踊に採り入れられた
もののうちで、最も歌舞伎でもポピュラーなものの
一つ。私も実際歌舞伎バージョンは、この歌舞伎座でも
何度か見ているのだけれど、その元の狂言版を
歌舞伎座で見る、というのはちょっと不思議な感覚。

それにしてもあの棒で縛られた状態での舞は勿論、
座っているのが立つ(もしくはその逆)だけでも
多分とても大変なはず。
後手に縛られたまま「七つ子」を舞われた
(しかも多分今回はフルバージョンで)石田師共々
役者の身体ってすごいものだとつくづく。

酒蔵に入ったところから、スリット状のライトが
舞台奥に照らされて、蔵の中の雰囲気を醸し出して
いたのは効果的。

また若干の休憩を挟んでラストは昼と同じ『茸』

山伏・・・萬斎
何某・・・万之介
鬼茸・・・万作

竹の作り物も、きのこ状に造形されたものがいくつか
背景に置かれる。

萬斎さんの装束が、昼の万之介さんの山伏が通常の
旅支度風の山伏の装束だったのに対して、
能のワキ方のような白の大口袴。上衣も灰色に
黒の縦縞というはっきりとした柄で、やっている事が
全然効果的では無い分、ハッタリ感が強まって爆笑を呼ぶ。

鬼茸は赤頭に赤系の唐織の上衣。
彩也子ちゃん、裕基くんの子茸を従えてすっぽんからの
セリ上がり。

花道へ全員追い込んでから、茸たちは花道から舞台へ
万作さんはじめ三人は下手から、それぞれ全員面を
外しての再登場。

万作さんのご挨拶。
日本のプロ野球の歴史と同じ70年の芸歴、という話から
昔の名選手の名前が出たり、マラソンのお話が出たりと
堅苦しくなく、かつその芸歴のお長いことを実感する
ご挨拶でした。

最後に出演者から客席にご祝儀の手ぬぐいが投げ込まれて幕。

考えてみると昼の部開演から夜の部終演まで、途中の休憩を
挟んではいるが、7時間半、万作さん3演目、萬斎さん4演目
ご出演という、重量級公演。

大満足の一日でした。

尚、売られていたオリジナルグッズは
プログラム 2000円
手ぬぐい(2種類) 各1000円
ポスター     500円

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コメント

かのこ様:

装束まで含めて詳細なレポートありがとうございます。大奮発して重量級に大満足とは、ほんとうに見甲斐のある公演だったようですね。特に萬斎さんと万作さんの三番叟を比較できるなんて贅沢この上なし。

投稿: susie | 2004.09.30 06:23

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