« 「夢みるタカラヅカ展」を見る | トップページ | 「人間の証明」最終回 »

2004.09.09

能を知る会(横浜)を観る

横浜能楽堂。

鎌倉能舞台主催ということで、恒例の中森先生の
お話と、終演後の貫太師による質疑応答付き。

お話:「間狂言」中森晶三
狂言:「文荷(ふみにない)」
      太郎冠者・萬斎、次郎冠者・深田
      主・月崎
能「班女~笹の伝」
      花子 中森 貫太
     吉田少将 村瀬 純
     従者 村瀬 堤
     従者 村瀬 慧
     野上ノ宿ノ長 野村 萬斎
 

間狂言のお話は、雅楽や能の成立の話から
始まって、30分のうち、最後の5分で、間狂言の
話にまとまる絶妙な流れ。
毎回薀蓄を越える、様々なエピソードが聞けるので
聞き逃せません。(狂言ファンには耳の痛い話も
時折ありますが・・・)

狂言「文荷」
 これ自体が能「恋重荷」のパロディだとわかってみると
 もっと面白いらしいのだが、そんなことを知らなくても
 主の手紙を勝手に読んだ上に破いてしまったところへ
 現れた主に、半分になった手紙を丁寧に畳んで
 「お返事」と言い逃れをする結末は判っていても
 毎回大爆笑で、個人的には結構好きな作品。

 今回も相変わらずの面白さだったが、破いた手紙の
 萬斎さんの手元に残ったのが、予定以上にビリビリに
 破けてしまったので、畳むのが大変そうでした。

能「班女」
 正直ここまで延々と舞が続くのは、舞に知識がない身には
 結構集中して観るのが大変。
 (つまり途中で「落ちた」言い訳です)

 アイが萬斎さんで、珍しい女役。しかも能の冒頭にいきなり
 出てきて、主人公の花子についてのグチを言って
 幕へ向って花子を呼び出す。その花子が実にスローテンポに
 出てくるのをさらに「遅い!」とまたグチる役。
 ちなみに、同じ間でも、大蔵流の場合は、出てくるのが遅いのを
 何度も本舞台から急かすそうで、それに乗らずに緩々と
 登場するのが、シテ方の口伝なのだとか
 (上演後の質疑応答で貫太師の説明)
 和泉流だと、一度「早く!」と急かすと、あとは
 じっと花子が本舞台に出るまで待っているので、
 動きはおとなしいのだそうです
 (そういわれると、是非大蔵流の間も見てみたく
  なりますが)

小休止を挟んで質疑応答。
視野の狭い面をしたままでの扇の受け渡しの難しさや
面の種類について、狂言方との申し合わせについての話など
鑑賞直後だからこそ判るし、興味深い質問が出る。

それにしても、狂言の真最中の派手な携帯着信
メロディが!!!
それも3人も!
他の人のが鳴ったら自分のがどうなっているか
心配したりしないのか、というか、
そもそも上演中に鳴ったら出たり、返事のメールを打ったり
するんですか?とこればかりは毎回書くけれど
書いても書き尽くせない不快感。
空間を他人と共有する以上、もっと敏感になれない
ものだろうか?

さらに能の最中に、興味がない、集中できないなら
せめて静かにしていてほしいのだが、もらったチラシを
パサパサ言わせて繰ったり、挙句隣の人としゃべる
人までいて(この場合音量は関係ありません。
静かな演能中はヒソヒソ声すら、聞く人にはスピーカーで
拡張されたように聞こえるもの)
比較的マナーの良いこの会にしては酷い状況で
堪えるのが大変。

そして、極めつけはこの公演がシテ方の能の会なのを、
どう考えても何か別のものと勘違いしているとしか思えない
方もいらして、今回ばかりは舞台以外のことに余計な
神経が行ってしまって参りました。


 
 
 

|

« 「夢みるタカラヅカ展」を見る | トップページ | 「人間の証明」最終回 »

能&狂言」カテゴリの記事

野村萬斎」カテゴリの記事

コメント

かのこさま、能を知る会のレポありがとうございます。ご立腹、無理もない...

アイの女役の萬斎さんの装束はどのようなものだったのでしょう。こちらのコメント欄で教えていただけたら幸いです。

投稿: susie | 2004.09.10 00:05

 極めつけのこと、本当にそうでした。聞いているこちらの方が恥ずかしくなって、穴があったら入りたいと思ったくらい。それにしても貫太先生の受け答えはさすがでございました。場の雰囲気を壊さずに上手にいなされて、少しほっといたしました。
 今回に限らないのですが、シテ方の会では狂言方の微妙な立場を毎回痛感させられます。公演のちらしの数行に、解説の言葉ひとつひとつに、なにより見所の反応に、はらはらしたり正直腹を立てたりです。
 だからこそ、大好きな狂言が揶揄されるような材料は提供したくない。自戒をこめつつ、そう思いました。
 

投稿: 松風 | 2004.09.10 00:28

susieさま
装束の正式な名称が全然わからないのですが、
青(相当くっきりした、群青に近い色)に
紅葉柄(結構小ぶり)が刺繍された、着付けに
やはり紅葉柄の帯、びなん鬘でした。
今回はシテ方はともかく、ワキの方が恰幅が
よく、萬斎さんがとても華奢に見えました。

投稿: かのこ | 2004.09.10 09:16

かのこさま、ありがとうございます。装束をおしえていただくと萬斎さんのお姿が想像しやすいです。華奢に見えた萬斎さん、きっと狂言のわわしい女とは一味違っていたんでしょうね。

萬斎さんのアイを集めたDVD出ないかな、なんて思いましたが、能は一番が長いからそれを集めたDVDなんて不可能ですね...

投稿: susie | 2004.09.10 23:37

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 「夢みるタカラヅカ展」を見る | トップページ | 「人間の証明」最終回 »