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2004.10.02

「リア王の悲劇」を観る

世田谷パブリックシアター

舞台は階段。それも相当高い位置まである
急なもの。
階段の上の方での芝居が結構多かったので
前のほうの席からずっと見上げる形で見ていたら
終演後相当首が疲れました・・・

芝居、長いです。
1幕115分、休憩15分、2幕80分
15時開演で18時半終演
この日はポストトークが終演後あったので
ポストトーク終了したのは19時15分。

19時開演だと終演22時半ってことに
なりますねえ・・・

今回「リア王」でなく「リア王の悲劇」と
銘打ったのは、二つ折り本からの新訳
によるものだからだそうですが
(普段は二つ折り本と四つ折り本の
 折衷でやっているらしいです)
芝居としては確かに長時間でしたが
どんどん何か舞台上で起こるので
飽きず、シェイクスピア特有の長セリフも
判りやすい訳のおかげで(あと多分
判りにくい部分はカットしたと思われます。
ポストトークでそんな話題がありました)
悲劇悲劇といわれる割には笑えるところも
結構あって面白くみました。

階段状の舞台は役者の動きにも相当
制約を与える(とにかく動きにくいはず)のに
さらに、衣装がかなりかさばっていて
大変そう(実際には一人あたり10キロくらい
あるそう)。
衣装全体の印象は中近東あたりのイメージ。

ストーリーは省略。
役者さんたちの技量は動きが少ないだけに
よく判っちゃいましたね。
目を引いたのはケント公の辻萬長さん(さすがの
存在感)、オールバニの大森博史さん
道化の手塚とおるさん(身体の動き、柔軟性がすごい!)
そして悪役一手に引き受けた感のエドマンド役の
斉藤歩さん、かなり滑舌よく、やっかいなセリフを
難なくこなす。この役者さん、先日の「天切り松
闇がたり」のテレビドラマで、<書生常>を
さらりとやっていた方ですね。でも斉藤さんのエドマンドが
やたらとしっかりしていて、衣装が派手なのと対照的に、
肝心の嫡男役のハラさんが、体格が華奢な上に
狂ったふりをしている時の衣装が衣装なだけに
(というか、ほとんでボロ布のみなので)、
どちらが嫡男だったっけ?と見ながら考えたりも
しましたけど・・・

女性陣はリアの三姉妹の娘たちだけですが
長女役の中川安奈さんよりも、次女役の
富樫真さんが意外に目にとまりました

肝心のリア役の石橋さん。
実は舞台で拝見するのは初めてでしたし
演出の佐藤さんもそうですが、二人とも
<アングラ>というイメージが強いだけれど
今回のを見る限りは、意外に正攻法の
シェイクスピアだなという感じ。
嵐のシーンの姿は、「リア王」を翻案した「乱」の
仲代達也さんぽかったです・・・

音楽が鼓童ということで、開演の合図を含めて
音は太鼓と能管。
その音にあわせてのファイティングシーンは
「マトリックス」ばりのスローモーション。
ちょっと笑えました・・・(階段ですから
等倍速のファイティングは無理でしょうけど)

ただ、今回の芝居の主役はやはり階段かな。
上下することで心理的なとか主従関係を含む
人間関係を象徴し、最初階段の上にしか
いなかったリアが最後は一番下の段で
もだえ苦しむと、そういうものを象徴していました。
何より階段を上下しながらの決闘シーンやら
など見ている方が足を踏み外さないかドキドキ
していたのですが、特に最後のシーン、
台に死んだリアを横たえて4人の役者たちが
急な段を上っていくのは相当見ていて怖かった・・・

世田谷パブリックの舞台は床面から天井までの
高さが相当あるので、こういう高さのある舞台装置が
できるのだと思いますが、そういえば去年の萬斎版
「ハムレット」も<装置がでかいねえ>というのが
もっぱら話題になってました。
役者さんたちは、シェイクスピアの長セリフと共に
巨大な装置と戦っている感じがしましたね、
どちらも。

ポストトークはまとめられば後ほどUPします
(佐藤信氏<演出>、と近藤弘幸氏<翻訳>)

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コメント

ををを!そういえば私のもう一人のダーリンの大森さんがこれにでていたのだった。ビッグリバーにすっかり気をとられてブログで話題にもしなかった、申し訳ないわ~、ファンの名がすたるわ~(笑)。かのこさんがレポしてくださって本当に助かりました!ポストトークのレポも楽しみにしています。

投稿: クワスト | 2004.10.03 09:04

かのこさん、レポありがとうございます。

新訳のことが気になります。本として発売されているんでしょうか?お教えいただければ幸いです。(是非買いたい...)

投稿: susie | 2004.10.05 02:59

○susieさま
いつもコメントありがとうございます。
今回のものはまだ出版されていないと思います
ロビーで売っていたのは、松岡訳のちくまとか
だけだったので・・・ただ、松岡訳を読んで
見ましたが、底本が違うこともあって
(いわゆるQとFの折衷版)かなり印象が
違いました(特に道化のセリフなど)

そういえば、8月の蜷川版「お気に召すまま」
の松岡訳もまだ出版されてないですねえ・・・

投稿: かのこ | 2004.10.05 09:10

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