« 朝日カルチャーセンター演劇関連講座 | トップページ | アメリカン・エクスプレスのTVCM »

2004.12.19

「子午線の祀り」を観る(2回目)

年配の観客(特に男性)が多い気がする
ちらほらと空席が見えるが補助席も出て
いたので、ほぼ満席だったのでしょう

1週間ぶりになるのですが、細かく変わっています。

まず役者さんとしては、関根さんがしっとりとした
女性の情感が溢れた影身になっていました。

前回、どうも印象の薄かった、嵐さんの義経が
<御大将><御曹司>と端からは心配
されているのが、どうしてどうして、ちゃんと
戦場を研究するために慌てないで時間を取る
など、武将としての才覚を備えた人に見えて
きました。ところどころの表情が歌舞伎の三津五郎
っぽく見えたりするのは体型が似ているからか??

逆に知盛の萬斎さんは、喉に少しお疲れが来て
いるのか、力を入れて語るセリフの時に、
顔に力が入って、叫ぶようになってしまう、
例の「ハムレット」的な、ちょっと気になる癖が
出ている気がします。
「ハムレット」「オイディプス」でもそうですが
あの癖が出てしまうと、新劇の安定した発声の
役者さんと(今回だと特に木場さん)絡むと
ものすごく声が薄く聞えてしまうので残念。

知将というのが、知盛のイメージだと思って
いたのですが、どうも今回のを見ていると
義経が潮目を研究してくるはずがない、とか
勝てるはずだとかいう、根拠の無い思い込みが
セリフのそこここに見て取れ、知将といえども、
追い詰められていると判断力が下がるのかなとも
ちょっと思ったりもします。

民部の木場さんは絶品。知盛にとっては
身内の敵のようなものですが、民部自身が内包する
悩みや苦しみがますますにじみ出てくるようで
前回見たときは「いやなオヤジ」と思った民部が
ちょっと好きになってきます。

伊勢三郎の斉藤さんは、今回は喜劇部分担当の
感じですが、さすがに「ラ・マンチャ」でサンチョを
長年やっていらっしゃる、斉藤輝さん、時代物には
若干軽すぎるとは思いますが、良いスパイスです。

弁慶役の石橋祐さんはちょっと見た目が渡辺謙風で
小柄な弁慶と良い釣り合いです。

逆にちょっと厳しいかなと思うのが大森博史さん。
前回も今回もセリフがどうも躓くので、義経が勝手に
先陣決定!と言った時の狼狽ぶりとか細かい仕草が
素晴らしいのになんだか見ていてちょっと不安が。

宗盛の観世さん、前回のトラブルも大きな影響は
ないようで、元気に舞台をつとめていらっしゃいましたが
弱弱しいセリフは弱気な宗盛らしくて良いとは思うものの
慌てての様子とかが、客席の笑いを取っているのが
狙いとはちょっと思えなくて、気の毒というか、
ちょっとした違和感でもあります

全体として、一定のテンションがキープできていない
部分があって、元々動きが多くは無いので、
まるで芝居の本読みみたいに聞えてしまう
ところがあるのが今回気になりました。

しかし、実に精緻につくられた脚本だとつくづく
感じますね、この舞台は。
最後に捕まった民部が御座舟を指し示す
(つまり裏切り行為)のだけれど、それを
知盛はそれ以前に「あるいはまこと、裏切る
ことになるのかも知れぬ」と言っているし、
影身(の亡霊)の言う「どうかしかと目をお据え
下さいませ」と対になるのが、自害間際の
知盛の有名なセリフ「見るべきほどの事はみつ」
ってことになる訳で、しっかり聞いていないと
そのあたりの伏線を聞き逃します。

ただし、やっぱり長いです。
椅子が結構辛くなります。
みんながどうしてもゴソゴソするためか
芝居中にあれこれ客席で物が倒れたり
転がったり、そうそう、今日はついに
携帯着メロが鳴りましたね・・・

今回もちょこちょこと寝てしまいました。
特に1幕の評定のあたりとかはどうしても・・・


|

« 朝日カルチャーセンター演劇関連講座 | トップページ | アメリカン・エクスプレスのTVCM »

能&狂言」カテゴリの記事

舞台一般」カテゴリの記事

野村萬斎」カテゴリの記事

歌舞伎」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 朝日カルチャーセンター演劇関連講座 | トップページ | アメリカン・エクスプレスのTVCM »