« 真田広之さん取材記事 | トップページ | 「内濠十二景」ようやくオンエア »

2005.01.08

2004年に見た芝居ベスト10

去年も本当にたくさん芝居を見ました。
ちょっと数えるのはオソロシイのでやめておきますが
だいたい週に2度くらいの割合でしょうか・・?

去年のうちにタイトルだけアップしましたが
今回コメントを含めて改めてアップします

1)「タイタス・アンドロニカス」(1月・彩の国さいたま芸術劇場)

 1月に見た芝居ですが、1年その衝撃を凌ぐものは
 ほとんど無かったと思います。
 何より吉田鋼太郎さんと麻実れいさんのがっぷり四つの
 対決に岡本さんの男の色気と凄みが絡まって、
 破綻気味の戯曲を、最高の悲劇として出現させた
 奇跡の舞台。余りに美しい惨劇。
 白で統一された舞台、衣装、照明も本当に秀逸。
 そこに流される赤い血(糸を使っての表現)との
 コントラストの鮮やかさ。
 去年見た蜷川さん演出の中でも抜群でした。
 「凄いものを見ちゃった」と暫く興奮していました。
 劇場の立地のためか、空席が目立ったのが
 本当に惜しい。コクーンあたりで上演していたら
 連日満席だったことでしょうに。
 一部キャストのセリフ術に疑問を感じてはいたので 
 そのあたり鍛え澄まして、是非再演を!
 もちろん、吉田・麻実・岡本トリオで。

2)「ミス・サイゴン」(帝劇)
 ※筧利夫さんエンジニアバージョン( ただし日程後半)
 
 初めて見たミュージカルにここまで嵌るとは正直
 思いませんでした。
 もちろん正直開幕前に筧さんの歌唱力に不安?が
 なかったとは言いませんし、実際8月公演を見たときは
 不安が敵中したことにやや伏目勝ちになったものですが、
 そこはさすがに舞台役者、上演中にどんどんバージョン
 アップし、それを見届けに劇場に通いつづけた感もあり。
 内容それ自体には色々言いたいことはありますが
 チケット代への出費も含めて私の04年を代表する作品と
 なったことは間違い有りません
 あいだ12年と言わず、また是非再演を。
 そしてドラマやらと重ならずに舞台に専念できる状態での
 筧エンジニアをまた見たいものです。
 
3)「喪服の似合うエレクトラ」(11~12月・新国立劇場)
  ※初日
 
 既に朝日舞台芸術賞大賞を受賞、今後の04年度の
 舞台関係の賞レースには必ず登場してきそうな、
 強烈なインパクトを残した舞台。
 「子午線」と同じく4時間近い芝居ながらまったくその
 長さを芝居自体では感じることのなかったのは
 (座りつづけた椅子の痛さでは実感してましたが)
 何と言っても前半・三田さん、後半・大竹さんの
 演技あってこそ。
 吉田さんが意外にしどころが少なかったのは、ファンとしては
 残念でしたが、「お芝居を見た!」という満足感のある
 充実した舞台でした
 初日と楽日近くの2回を見ましたが、緊迫感が断然
 強かった初日に軍配。
 
4)「SHIROH」(12月・帝劇)

 実際を言うと、これが一番の収穫だったかも知れません。
 内容に関して言えば、初演ということもあって、
 全員が歌うのはどうなのかとか、1幕長すぎはしないか、
 まだ整理出来そうなところは多々あり、完成された姿
 というのでは決してありませんが、どなたか劇評家の方の
 喩え通り 「ダイヤモンドの原石を見る思い」。
 ギラギラしたパワーを強く感じた舞台でした。
 上川さんの太刀さばき、中川さんの歌、この二つを
 見るだけでももう何度か見たいと思った舞台。
 (新感線の故郷?大阪での1月公演、どんなことに
 なっていくのかも興味深い)

5)「オイディプス王」(5~6月・シアターコクーン&福岡)

 この作品の02年初演版こそが、私が野村萬斎さんに
 嵌るきっかけになった作品なので、出来映え以前の
 思い入れがとても強く、ちゃんと評価できていないとは
 思いますが、そう言いつつアテネ公演というゴールの
 ために、セット、照明をはじめもちろん演出も初演とは
 大きく変わり、現状に甘んじない蜷川さんの執念の
 ようなものを感じました。
 こういう形式と古典を担うと俄然萬斎さん本領発揮
 ってところですし(ゆえに「子午線」の不完全燃焼は謎)
 麻実さんとの美しいツーショットも含めて、
 これに関してはちょっと今後他の役者さんは
 やりにくいだろうと思います。
 
以下は順位をつけず、印象に残ったもの
★「お気に召すまま」(8月・彩の国さいたま芸術劇場)
 成宮&月川の本気の女役に拍手。
 これは見たもの勝ちです
 小栗旬くんも伸びやかで好感。
 ジェイクイズを演じた高橋洋さんも含め、若手中心の
 さわやかな芝居。
 蜷川さんの演出も夏らしい爽やかさ。
 あとは若い観客のマナーさえまともだったら文句無し

★「2月大歌舞伎」の<三人吉三>
 (歌舞伎座。団十郎、仁左衛門、玉三郎)
 玉三郎の真女形によるお嬢吉三は
 「大川端」ではさほどでもないものの、後半
 身の上が知れた「吉祥院」あたりからの
 凄みのある色気が印象的。

★「リア王」(10月・世田谷パブリックシアター)
 石橋蓮司さんが意外に声が聞こえない、とか
 階段舞台はどう考えても危険過ぎ、とか
 まあこれも色々言いたいことはある舞台でしたが
 これも長尺を長尺と感じさせない緊迫した
 舞台でした。
 (尚、このところ「ハムレット」「子午線」
 「リア王」と長尺ものの多い同劇場ですが
 ここの椅子は全く長時間観劇に向かない)
 
★「新明暗」(11月・世田谷パブリックシアター)
 04年は悲劇ばかり見ていた気がしますが
 唯一腹がよじれるほど笑ってみたのがこれ。
 佐々木蔵之介さんのダメ系の癖にしたたかな
 役造形に脱帽。
 そしてあれほど世田谷パブリックシアターの
 回り舞台がくるくる回るのを見たのは初めて
 
★「狂言劇場」(2月・世田谷パブリックシアター)
 万作師の『川上』 萬斎師の『三番叟』
 一応、全ストレートプレイ+ミュージカルの総本数と
 同じ位の本数、04年も能狂言は見ていたので
 その代表として挙げておきます。
 そろそろ萬斎師にも「釣狐」「花子」あたりの
 重習い曲の再演への挑戦も見たいものです。

★「化粧」(12月・シアタートラム)
 渡辺美佐子さんのライフワーク。
 私の観劇歴のかなり最初のほうにランクされるのが
 本多劇場での20年ちょっと前のこの芝居。
 そういう意味での印象深さもあり、渡辺さんの
 円熟と年齢を感じさせる芝居に若干の感傷を
 持ったのでした

★<番外>
 「飛龍伝」(03年12月・青山劇場上演のものを
 wowowで3月にオンエア)
 生も見ましたが、録画で見てまたその感動を新たに。
 いくつかの生で今年見た舞台よりも、この録画の
 方が強烈な印象でした。
 筧利夫さんの舞台役者としての底力を再確認した舞台

ま、とにかくミュージカルに足を踏み入れたのが
大きいですねえ・・・

|

« 真田広之さん取材記事 | トップページ | 「内濠十二景」ようやくオンエア »

能&狂言」カテゴリの記事

舞台一般」カテゴリの記事

野村萬斎」カテゴリの記事

歌舞伎」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 真田広之さん取材記事 | トップページ | 「内濠十二景」ようやくオンエア »