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2005.01.22

国立能楽堂「狂言の会」を観る

流派の違う狂言3曲をまとめて見ることが
できる貴重な公演。

正月公演ということで、どれも祝言性の強いものが
選ばれています。

和泉流・狂言共同社「三本柱」
大蔵流・善竹家「鞍馬参り」
和泉流・野村万作家「靱猿」

「靱猿」以外は初見の曲。
興味深く拝見しました

「三本柱」
 果報者:井上祐一、太郎冠者:佐藤友彦
 次郎冠者・佐藤融、三郎冠者・今枝靖雄

 太郎冠者予定だった演者が急に出演が
 できなくなって佐藤友彦師が代役に
 立たれたのだそうですが、出演者紹介を
 読む限り、今の狂言社は祐一師と友彦師が
 中心になっているとのことで、計らずも 
 お二人の共演を拝見できたようです。

 見所は長い柱3本を三角形に並べ、その
 頂点を3人で持って橋掛から本舞台まで謡を
 謡い、時にはそれに合わせて跳んだりしながら
 移動するところ。
 三人の息がぴったり合っていないと、柱が
 手から離れてしまいますし、また本舞台では
 シテの果報者を三角形の中心に入れて
 4人で謡に合わせて飛ぶところがあり
 狂言役者さんたちの身体性の高さを
 強く感じました

「鞍馬参り」
 太郎冠者:善竹十郎
 主:善竹富太郎

 太郎冠者が主をからかう、という内容ですが
 福のやりとり、というところが実におおらか。
 
「靱猿」
 大名:万作師、猿引:萬斎師、太郎冠者:石田師
 猿:裕基くん
 
 今の万作家のこの作品を親子孫三人の共演で
 見られるのは、猿役者が育つと見られないという
 意味でも本当に貴重ですし、特にホールではなく
 国立能楽堂で見られる、というのは相当ラッキー。

 とにかくめりはりと言い、4人の息の合い方といい
 濃密な空気の漂った素晴らしい舞台でした

 裕基くんの<猿役者>ぶりも板についてきて
 橋掛に登場して、猿引きが名乗りをするところから
 しきりと体を動かしていて見所の目をさらいました

 (裕基くんの猿は身体についた蚤を飛ばす、という
 動きはほとんどなくて、身体を掻くか、でんぐり
 がえしかというのが<特技>のようです)

 しかしこれだけの豪華な番組を3曲も拝見して
 正面席ですら4000円で、私が拝見した中正面に
 至っては2300円という低料金で観られる、
 というのは本当に<さすが国立!>ならではでした

見所の雰囲気もマナーも非常に良く、
ゆったりと舞台に集中することができました
 

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コメント

はじめまして。
以前にきすけ様?のHPでカキコミさせていただきまいした、naomiです。
いつも拝見させていただいてます。
私も狂言の会を観に行きました。
ずっと楽しみにしていた靱猿、しかも一番観たかったキャスティング、そして能楽堂で見れるなんて、、、と、本当に夢のようでした。
おっしゃるとおり、今しか見れないものだと思うので、貴重ですよね。
いまでもあのときの興奮が忘れられません・笑
とてもドラマチックでした。
それでは、失礼します。

投稿: naomi | 2005.01.26 14:21

naomiさま
コメントありがとうございます。
ホールでいろいろな演出
(音響や背景などの工夫)で見るのも
それはそれで演劇としての狂言の可能性
(というか、存在意義)を感じる上で
大切なことですが、やはりあのホールの
大きさが、演者さんに能楽堂とは違う
演じ方を要求するのは確かで、そういう
意味ではやはりオリジナルの生声
(ホールがマイク音だというのでは
 なくて、息遣いまで感じることができる
 という意味です)で間近で見ることが
できるというのは大切なことだと思います。

個人的にはこの演目なら前に見ていても
見に行く、と決めているものがいくつか
あって、「靱猿」もその一つです

長くなりました。
また是非公演の感想などコメントして
くださいませ。

投稿: かのこ | 2005.01.27 00:36

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