« 気になるCM | トップページ | 『太田コレクション 歌川広重のすべて』を観る(1 ) »

2005.04.08

「靖国神社夜桜能」第三夜を観る

yozakura2
初日から間一日おいただけで、桜が一気に
満開に。
夜の気温も高くて、野外能を見るのに最高の
コンディションでした

火入れ、舞囃子(「右近」/これも桜にちなむ能)とあって
狂言『昆布売』
 萬斎師の大名
 深田師の昆布売

「昆布売」で萬斎さん出演、というので3月に
万之介さん大名、萬斎さん昆布売りの配役で
同じ曲を見たところだったこともあり、なんとなく
萬斎さんが昆布売りかと思ったのですが、
深田さんが昆布売りで萬斎さんは大名でした。

萬斎さんは緑に扇面散らしの白抜き柄の素襖に
灰色系の青と白の段熨斗目と爽やかな装束。

しかし正直なところを言うと、内容としては
3月のにはおよそ及ばない、同じ曲でも
ここまで呼吸とか、タイミングとかで面白みが
出なくなるものかと相当ガッカリしました

3月の八王子の時に解説の石田さんが
役としてたいてい大名の方が格上の演者が
演じるので、「このようにやって見せろ」と
昆布の売り方を教える昆布売りよりも、教えられた
大名の方が当然上手いので、昆布売り役は
気が引ける、と言った内容のことを話して
いらっしゃいましたが、今回はまさにそれで
しかもかなり差がはっきり聞こえてしまったのが
残念ですし、萬斎さんの大名の「あぶない」も
なんとなく物足りず、タイミングもいまひとつでした。
さらに声の質も萬斎さんの声のほうが、
どちらかというと諧謔を帯びてしまっているので
この組み合わせではなかなか難しい気がしました

休憩を挟んで能「鉄輪」
意外なことに初見でした

「鉄輪」と言うと、萬斎ファンにとっては
映画「陰陽師(1)」でストーリーに組み入れられた
話でもあり、どうしても途中で出てくる安倍晴明が
前の狂言で素襖姿で登場していた萬斎さんの
イメージに見えてしまって内心苦笑していました。

イヤホンガイドでも言っていましたが、
途中で風が強くなってきて、つくりもので出されていた
祭壇に飾られた御幣などが風に煽られ、さらに
散り敷く桜の花弁も混じって常ならざる雰囲気を
盛り上げていて、この風が大きな主役の一つに
なっていました

それにしても野外のため、当然携帯電波ほぼ100%
受信し放題。こうなると見所の良心とマナーに頼るしか
ないのですが、この日は演能中に着信音は鳴るし、
メールの確認をする人はいるし、第一夜に比べると
私の周囲はまるで落ち着きませんでした

外国人の方も結構見かけましたが、まもなく能が始まる
という時に席を離れて撮影をしようとする人がいて
近くの英語の堪能なお客の一人がたしなめていました
日本語以外での場内放送、掲示も必要なのでは?

|

« 気になるCM | トップページ | 『太田コレクション 歌川広重のすべて』を観る(1 ) »

能&狂言」カテゴリの記事

野村萬斎」カテゴリの記事

コメント

やはりかのこさま、第三夜もご覧になってらしたんですね。満開の桜と大名装束の萬斎さん、この組み合わせだけで十分に美しすぎてお腹一杯、内容はどうでもと思ったのですが…。

 でも「昆布売」の萬斎大名、妙に力が入ってない感じはどうしようも無く伝わってしまいましたね。アナウンスではシテが萬斎さんになっていましたが、ご自身の気分としてはアドだったのでは。昆布売を引き立てようとして、さらりと大名を演じたのかもしれませんが、かのこさまのおっしゃるとおり深田さんの堅さと萬斎さんの自在さが役柄としてどうしても逆。技量と持ち味の組み合わせが無理だったのではと感じていました。いつか同じ空間、同じ季節に力の入った「三番叟」が拝見できたらなどと夢見てしまいます。あっ、でも現実にもどれなくなりそうですけど。

 歳月を経た能楽堂や満開の桜を含む空間、それに釣り合いの取れた装束などを写真や絵画のように楽しむという趣旨なら満点だとおもいました。最高に贅沢な夜桜でした。 

 それにしても観客のマナーは本当に悩みの種です。いつもはじっと耐えてしまうことが多いのですが、さすが今回は思いきっり注意させていただきました。話の内容から(別に聞き耳たてなくても、とってもはっきり聞こえてしまいましたので)能をたくさん観ているらしき数人組、舞囃子のシテが切戸から登場しても流儀の話、はてはおいしいチョコレートの話などなど延々と。あの調子で毎回観能に出かけているのかと思うと、二度と遭遇しないことをひたすら祈るのみです。

 

投稿: 松風 | 2005.04.08 17:38

松風さま。
萬斎さんの狂言に辛口コメントをするのは
いつもかなり緊張するのですが
松風さまのコメントを拝見して
それほど私の見方も見当違いでは
なかったのかなとちょっとほっとしました(^^ゞ

実は私もイヤホンガイドの内容を
いちいち聞いていない隣の連れの
人に声を出して教えてあげている
前列の方に声をかけてやめていただいた
のです。
前に帝劇で声をかけてイヤな思いを
しただけに毎回これもこちらが
肝を冷やしつつ据えてかかる
状況なのですが・・・

投稿: かのこ | 2005.04.08 23:15

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 気になるCM | トップページ | 『太田コレクション 歌川広重のすべて』を観る(1 ) »