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2005.09.12

敦<山月記/名人伝>を観る(2回目)

前回は後方中央で全体を観ていたのですが、
今回は左にぐっと寄っての観劇。

日曜夜だからなのか、萬斎さんの公演としては
びっくりするほど中高年、特に男性客が多いのが目立ちました。
やはり題材が中島敦、というのが大きいのかもしれません
(それにポストトーク設定もなかったですしね)
客席に演劇評論家の長谷部浩さん、そしていまやSEPT常連状態の
河合祥一郎先生をお見かけする

舞台を別の角度から見ると、動く半月形舞台は
「名人伝」の山での修業場面など、後ろで見ていた
以上に高さがあり、意外にびっくりしました。
(先日のポストトークによると、あの舞台は月の
 象徴であり、二つに分かれると虎の牙のイメージ
 でもあるとのこと)

前回と大きな印象の違いはなかったですが、
前回のポストトークで亀井さんが「萬斎さんに
(大鼓の音は)虎になりきってくださいといわれまして」
とおっしゃってましたが、確かにそう言われて
「山月記」を見ると確かに万作さんは低く唸るところ
以外は鳴かずに大鼓が替わりに咆哮を聞かせていましたし
それが全く違和感がないのには改めて驚きました。

また「名人伝」では見処の一つである、演者の動きと
スクリーンの絵文字(いや、文字絵、というべきか)の
動きのタイミングがより合ってきていますし、
音楽方お二人の機織りや動物の擬音も絶妙。
前回大笑いした、紀昌の弓の師匠と紀昌の妻の早替りは
今回も絶好調でしたが、勢い余って奥様の髷のはずが
途中でパタリと前に落ちて髭になってしまった時は大笑いでした。

「和楽」で万作さんが萬斎さんの演出について
蜷川さんの影響かなと思うところがあると書かれて
いましたが、私も「山月記」のウサギの毛が天井から
降って来るあたりなどは
『ん?<モノ降らしの蜷川さん>風!』と
思ったりもしましたが、そもそも舞台の奥の高いところと
手前の低いところ、そしてそれを繋ぐ階段、という仕掛け
自体が現世における上下関係、この世とあの世的な
世界観が既に「オイディプス王」的。

しかし見れば見るほど、万作さんの<話>芸の
素晴らしさには感嘆します。そこに緩急鮮やかに如何様
にも返球してくる石田さんもさすが。

もうセリフの本人が「○○は<・・・>と言った」と自分で
地文を言う不思議さもすっかり慣れてしまいましたし、
このスタイルで是非「弟子」「李陵」も見てみたいという
気分になってきました。

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