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2005.11.03

「三響会」を観る

新橋演舞場。

とにかく無闇に出演者が豪華絢爛。どうしてこんなメンバーが
一斉に集まれるのかと思うほど。
ついでに楽屋割りはどうなってるんだろう?とか余計な事も
考えてしまいました。

ロビーも客席も大混雑。通路に補助席が出ていて
余計に人の出入りに時間がかかります。

1階席後方。

まずアナウンサーという人が出てきて、主催三人の
コメントやら注意事項やら。この人は曲の合間ごとに
登場していましたが、コメントに関しては、客席にいる
客の方が余程詳しいよ、という感じで、無駄口叩かず
進行に徹した方が良かった気がします。

さて最初の演目がいきなりお目当ての萬斎さんと
染五郎さんの「二人三番叟」
二人は初共演だそうですが、実は二人は揃って
滝田監督によるカルト時代劇映画主演俳優同士という
共通点が。(カルトはいい過ぎ?)
阿修羅城vs安倍清明と思うとやや怖いかも。

二人揃って黒の紋付に灰色?の袴。
奥からまっすぐ客席に向かって橋掛(花道)が
ある形の舞台が、中央に囃子方を挟んで左右に
二つあり、上手が染五郎さん、下手が萬斎さん。
段取りとしては
<萬斎さん揉の段><染五郎さん揉の段>
<二人揃って中央の鈴を取る><萬斎さん鈴の段ソロ>
<二人かけあいの鈴の段><染五郎さん鈴の段ソロ>
という感じ。
途中萬斎さんが三味線ありの囃子に合わせて舞うところが
あって、「解体新書」を思い出しましたが、やはりちょっと
やりにくそう。特に最後、染五郎さんと揃って決まりで
終わる前あたりは、染五郎さんに合わせる感じで
ちょっと狂言や能の舞とは違っていました。

何しろ共演と言いながら上手下手にはっきり別れて
舞っているので、二人を一緒に見ることができなかったのが
残念。
そして観ていて判ったのはやはり、狂言と歌舞伎の
身体性の違いです。
大雑把にいうと
<能>直線的、身体の重心は下向き、抽象的、観念的
    ミニマムな表現、囃子方と合わせていない
<歌舞伎>曲線的、様々な方向への動き、具体的
    説明的、ダイナミックな表現、叙情的
    囃子方は振りにあわせた音楽
という感じです。

そして歌舞伎に比べるとどうして能の動きは不自然ですし、
地味でした。
というか、私にはこうした能に起源を持つ歌舞伎の
舞踊は、能バージョンを見ているだけに、動きが具体的過ぎで
ちょっとじゃらじゃらと演出過多に見えてしまいました。
(これは去年歌舞伎座で観た「道成寺」の能・歌舞伎
 競演でも思ったことですが)

そうそう最後に決めの形(染五郎さん立ち、萬斎さん
片膝ついて)のまま幕が下りたのが何となく不思議でした。
良く考えると、能狂言の場合は役者が役を終えて入るのを
見て終わり、というのに慣れているからなんですね。
まあ滅多にないコラボレーションでしたが、やはり
左右に別れすぎだったのが残念。

それにしても終わってすぐ、隣の女性が見慣れてないと
思われる萬斎さんについて、あれこれ的を得ない
批判を声高にしゃべったのにはちょっとムッとしました。
こうした多ジャンルの演者さんが集まっての公演の
場合は、決して他の演者さんを安易に批評するべきではないと
思いました。

あとは日本舞踊、能「船弁慶」のアレンジ、歌舞伎舞踊「保名」と
きたのですが、考えたら「船弁慶」は平知盛が主役、「保名」は
安倍清明の父親が主役と、これまた萬斎さんに関係深い
ものが偶然続いていたのでした。

ラストは勘太郎&晋矢の半能「石橋」
確か勘太郎さんは前日新潟で父と弟と連獅子やったばかりの
筈。そして晋矢さんは翌日と明けて月曜日にも「石橋」
やっていたのですから、お二人ともご苦労さまでした。
これもまた歌舞伎版が派手で派手で、ラストはほぼ
さすがエンターテイナー中村屋の血筋、というべきか
勘太郎くんの独壇場でした。

ともあれ豪華出演者による贅沢な舞台。
これだけ充実した内容ならば無駄に凝った演出や美術は
不要だなと痛感した後に見たので、オーチャードホールの
「夜叉が池」は余計点数が辛くなったのかも知れません


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コメント

かのこさま
三響会の記事、今ごろ読んでコメントもなんですが、あまりにぴったしの感想で感服!私も全く同じ事を感じていたので…。私は、真剣な萬斎さんの動きに感動して、何年か前のパブリックシアターでの狂言劇場の興奮をまた味わった気がしたのですが。客席に、染五郎ファンが多いのに驚いたものです。
 あの頃、とにかく石橋だらけでしたね。あちこちで見て、宝生でも石田さんと田崎さんで見てました。
 あの「夜叉ヶ池」は参りました。一体どうコメントしようかな…と。萬斎さんもなんだか不完全燃焼のようだったし、小林十市さんも、たしかダンサーだったような…と、何やら?????という気分で帰ったのを思い出しました。7月の歌舞伎座がきっと面白い鏡花のせかいを再現してくれると期待するこの頃です。
マスミ

投稿: マスミ | 2006.06.11 22:42

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