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2006.01.02

去年の萬斎さん舞台。

去年、多くの舞台を見ましたが、もちろん私の中では
メインなのは(そうは見えなくなりつつありますが)
野村萬斎さん。

そこで去年の萬斎さんの舞台における、私の中での
ベスト、そして「どーして?」と思ったものを挙げてみたいと
思います。

あくまでの私の中で、なので勿論たくさん見ていない
ものはありますし、こちらの体調や期待、そして席の
具合やら、なにより私の理解の浅さが従いていかない
ところがあると思うので、どうぞそのあたりは大目に
見ていただければと思います。

<印象に残った舞台>(順不同)
『貰聟』 2/13 矢来能楽堂 「観世九皐会」
     10/13 国立能楽堂 「万之介狂言会」

 萬斎さんのお馬鹿な聟っぷりも楽しいのですが
 実は万之介さんの舅ぶりが個人的には印象的でした。
 舞台はシテだけじゃないとつくづく思った曲でした

『敦』 9月 世田谷パブリックシアター
  
 これは演者としてだけでなく、演出、企画、構成面で
 充実したものを見ることができました
 今年の再演が今から楽しみです

『舟渡聟』 4/5 「夜桜能」1日目
 
 万作・萬斎のこの曲はできるだけ見逃さないように
 していますが、この時は装束も上品でしたし、何より
 桜の咲く中での風情の美しさが印象的でした

『通円』 11~12月 「狂言ござる乃座」
 
 この曲を面白いと思っていなかったのですが、今回
 直前にこの曲の元になった能「頼政」の舞囃子が
 入ったことで理解が非常に深まりました。
 この曲立て構成を考えられた萬斎さんの企画力を
 含めて。

『武悪』 4/28 神奈川県民ホール「野村万作萬斎狂言会」
     10/27  国立能楽堂 「万作を観る会」 

 『舟渡聟』と並んで私が必ずチェックしている『武悪』。
 今年は深田さんの太郎冠者と萬斎さんの武悪の
 組みあわせで見る、<友情ストーリー>的な感じが
 なかなか印象的でした。

『輪蔵』替間 鉢叩  11/23 横浜能楽堂 「横浜能」
『屋島』大事 奈須与市語 12/11 国立能楽堂「至高の華」

 いずれも間だけでやるのではなく、能の中で行われる
 ことによって映えるし説得力があるなと実感した2公演でした。


<えええっ!うっそ~>編。
『金津地蔵』 3月 国立能楽堂 「狂言ござる乃座」
 
 これに関して言えば萬斎さんの名誉のために細かくは
 今更言いませんが、私が見た中でかなり残念な出来でした。
 
『昆布売』 4/7 「夜桜能」 3日目

 なんだか全然面白くなかったなあ、というのが実感。
 こんなに面白くなかったっけ?と怪訝な気分だった曲。

『夜叉が池』 11/31 オーチャードホール
  
 ま、あれこれ言いませんが、これは萬斎さんの芝居が
 どうこうというよりも、泉鏡花の世界をこの統一のない
 座組ではだめでしたし、そして、台本・修辞も失敗、
 それから能楽師が動けない奇妙な段差の舞台装置も
 失敗、何よりホールが広すぎて「世界観」を作れない
 という決定的な問題があったと思います。
 企画としては今年最大の『金返せ』舞台でした。

『能舞台で聞く落語、寄席で見る狂言』 2/18 横浜にぎわい座 
                             横浜能楽堂

 面白くなかったかといえば企画としては面白かったんですが
 思ったほど面白くなかった、というのが正直なところ。
 もうちょっと面白くなると思ったので期待はずれといえば
 そういう感じでした。

企画モノについては果敢なチャレンジを否定はしませんが、
まあもうちょっと熟成したものを見せてほしいと思います。

さて、2006年はどうなるでしょうか?
是非萬斎さんにはそろそろ「不惑」の年の区切りの
曲を見せていただきたいものです

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コメント

かのこさま、あけましておめでとうございます。早速リクエストにお応え頂き感謝です。

かのこさまが印象に残ったと思われている舞台と自分の中のベストが重なっていて、なんだか安心してしまいました。もう「武悪」は初めて拝見しましたが☆五つ差し上げたいくらいでしたもの。ただ自分はもう少しミーハーなので新宿狂言の「清水座頭」での指の美しさと狂言劇場の「節分」の息づかいのインパクトに☆二つ。番外で新作能「草枕」に☆四つでした。

うっそ~編もかなりご一緒。ダントツはやはり「夜叉ヶ池」、で「昆布売」のどこにも力の入っていない感じはきっと熱でもあったのかしらと今では思っております。(ロケーションが最高だっただけに妙に印象に残る残念さ加減でした。)個人的には「夜叉ヶ池」と同様に萬斎さんがというより他の要素が問題という舞台が多かったようにおもいます。もうイベントにはだまされないぞ!特に野外は!というのが正直な感想というか昨年の反省でございました。

今年予告の大作とはいったいどの曲なのでしょう。本当に楽しみです。

かのこさまの記事は、本当に楽しみであり頼りにもしております。様々な舞台の楽しさのおすそ分け、今年もどうかよろしくお願いいたします。


 

投稿: 松風 | 2006.01.03 00:22

松風様

あけましておめでとうございます。そして
新春早々のコメントありがとうございます。
「清水座頭」ですか~。私はあの時遅刻して
ちゃんと見られていないのです。
「草枕」は全く見ていないのでどのような
公演だったか判りませんが、新作でも良い
作品はあったのですね(^^)

是非今年も様々な情報と感想、お待ちして
おります(装束のフォローも!!(^^ゞ

投稿: かのこ | 2006.01.04 09:16

あけましておめでとうございます。
かのこさまの舞台ランキング、楽しみにお待ちしてました!!
どの演目も見にいけなかった自分を恨めしく思いつつ、拝読しました。
アイ狂言はやはりアイなのだなぁと。切り取っても面白いのでしょうが、全体の流れを考えて作られているのだから、全体が分からないとなんともいえない、というものなのですね。
かのこさまの感想を拝見して納得しました。

もう一つ、ベストとワーストを書けるだけ萬斎さんが舞台を踏んでいるということだなぁと、
その一つ一つにきっと全身の力をこめて演じているのだと考えると、役者さんの気力体力が舞台に一番大切なのかもしれないと改めて感じました。

かのこさまの記事を拝見していると自分の目の前に舞台の張り詰めた空気が広がるようでほんとにいつも楽しませていただいています。
今年も舞台に見に行けない私ですが、舞台の空気をいただきに上がりますので、何卒宜しくお願いいたします。

投稿: あい♪ | 2006.01.05 02:46

あい♪さま
なんだかお褒め頂いて恐縮です(-_-;)
でもなんだか「たくさん見ている」のを
言いふらしているみたいでなんだか
感じ悪かったでしょうか?
そうでなかったら良いのですが・・・

投稿: かのこ | 2006.01.05 09:14

かのこさま、今年もよろしくお願いします。

たくさん見ているのを言いふらしているなんて思いませんよ。というか、今年もたくさん見て、こちらで書いてくださるのを楽しみにしています。

投稿: susie | 2006.01.05 15:06

susieさま
こちらこそ、最新の海外情報今年も
楽しみに読ませていただきます。
今年は帰国のご予定はございますか?
今年は3月に「コクーン歌舞伎」
「仁左衛門追善」(歌舞伎座)、そして
パルコで三谷さんの歌舞伎と重なったり
また楽しみな1年になりそうです。

投稿: かのこ | 2006.01.06 07:50

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