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2006.03.10

「狂言劇場」Aプロを観る

《9日付》
Aプロ
【語り「八島」 小舞 「景清 後」 狂言「月見座頭」
 狂言「茸」】

この日は英語字幕付きだったので英語の表現も結構楽しめました。
『このあたりのものでござる』が『I'm a local』とか
『とってかもう』が『I'll eat you』とか。
だいたい『くさびら』が『mashuroom』とか、『山伏』が
『mountain priest』なんて、読むだけで笑えます。

でもこの日の目当てはなんと言っても「月見座頭」。
この作品は「市中の男の最後の変心が見ていて納得
できるか」が勝負?の分かれ目な気がいつもしていて、
今回はどうかなと注目していました。

座頭:万作
男: 萬斎

まず無人、そして明かりのない舞台に後見が4人一斉に出て、
能舞台なら柱の立つ4箇所に薄の柴垣を置く。
照明が入ると実はそこ以外の、本舞台の外側や奥に何箇所か
柴垣が置かれており、微かに虫の音がするところに下手から
座頭登場と雰囲気たっぷりの幕開け。

相変わらず男の変心は当然何の説明もない訳で、まあ毎年
花見中継とかで映る、常軌を逸脱しまくりの酔っ払いの
ような、普段ごくまじめな人間が酒が入ると人格が変わる、
そんな感じでないと納得しづらいなとやっぱり思いましたが、
(それにしても男が真正面の橋掛から逃げて行くのは
 闇に消える感じと遠ざかる感じがことさら強調されて
 舞台の大きさを感じました)
今回、さすが万作さん!と僭越ながら思ったのは、変心した
男が去った後の座頭でした。

放り出された座頭は杖を頼りに方向を探り当て、くしゃみを
二つして橋掛を入っていきますが、その時のセリフや動きから、
<人の心はあてにならないが、杖だけは私を裏切らない>
(即ち自分以外は頼ることが出来ない)という信念が
透けて見え、それが座頭のプライドとしてあり、自分の置かれた
環境に決して卑屈になることなく生きていく処世術なのだと
言うことが、男に裏切られるところを見せることでラストに
見えてきたように思えました。
<達観と孤高>
そんな印象の舞台でした。

語り「八島」と小舞「景清」は、この「月見座頭」の中で、
座頭が舞うのが「景清」だったのでその繋がりで選ばれたの
かも知れません。

『茸』は一般参加の人たちも全然お弟子方と見分けのつかない
<きのこぶり>でしたし、やはり何より、万之介さんの見せる
脱力系効力ゼロの山伏、そして不信感ありありの石田さん
演じる何某が絶妙でした。

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コメント

かのこさん、月見座頭は良い舞台だったようですね。また茸の万之介さん、石田さんを想像すると思わず笑みが浮かびます。

投稿: susie | 2006.03.15 00:43

susieさま
コメントありがとうございます。
「月見座頭」、ラストのどんでん返しが
私にはどうもストンとこないところが
ありますが、万作萬斎の並んでの謡
なんて贅沢だなと思います
(万作さんの上手さが際立ったのが
 アレでしたけど・・・(^^ゞ

「茸」の山伏は万作家ではやはり今の
ところ、万之介さんがベストな気がします

投稿: かのこ | 2006.03.18 09:19

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