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2006.05.26

「国立能楽堂 特別企画公演/琵琶と能楽・蝋燭の灯りによる」を観る

いわゆる蝋燭能。
見所が暗くなるということで、開演後の入退場禁止という告知が
出ていたのですが、人の出入りがなく集中して舞台が見られるのは
ありがたかったので、別に蝋燭能でなくても開演後の入退場禁止で
良いのでは?と思ったりしてました。

本舞台の橋掛からシテ柱まで、シテ柱から目付柱まで、そして
正面に、それぞれ10基ずつ合計30基の蝋燭立が据えられ、
開演5分前に点灯。
開演と共に場内の灯りが消されて幻想的な雰囲気になりました。
(といっても、さすがにうっすら天井灯は点いていましたが)

まず、平曲「横笛」
上原まりさんの琵琶演奏というのは前にも聞いたことがありますが、
それとはやはり全く違う雰囲気でした。

続いて名古屋の野村家による狂言「越後聟」
観はじめて気がついたのですが、意外にもこの曲は初見でした。
「婿入り」ものということで、「二人袴」とかのイメージがあったのですが
これはどちらかというと、「鍋八撥」などのように、演者による水車や
逆立ちのような軽業的な芸能を見せるのが眼目のもの。
途中で勾当と呼ばれる兄聟が、平曲を聞かせるシーンが出てくるので
上記の「横笛」とのリンクでこの演目が選ばれたのかもしれませんが、
華やかな軽業を、囃子方、地謡(万作・萬斎・深田・月崎の万作家)も
ついて演じられるのは、どちらかというと蝋燭の明るさではなくて
通常の明るさの中でしっかり見たかったかも。
灯りが落ちていたことで、狂言でありながら必要以上に重々しく
なってしまった感じがしました。
暗さの中で演じるのであれば例えば「月見座頭」とか「川上」とか
(大曲ですけど)といった曲を観られたらしっくりくるかなと言う気が
しました。

休憩を挟んで能「巴」
友枝昭世さんの舞台は常に評価が高いと耳にしているのですが
実際拝見するのは多分2度目くらい。
私のような素人にも凄いと思ったのは、判る姿の美しさで、
止まっている時も動いている時も、クっと引き締まっていて無駄がない
という印象でした。(それ以上の芸の事はとても私には語れません)
萬斎さんがアイで出演。(流れ矢の柄の肩衣でした)

暗いことでかなり眠気も誘われましたが、逆に暗いことで舞台に
集中して観る事ができました。
ただ、私は国立能楽堂では初めての経験でしたが、能の途中から
私の感覚では天井の方から妙な高音のノイズがずっと聞こえ続けた
のがかなり鑑賞の妨げになったのが残念でした。

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コメント

かのこさんもいらっしゃったんですね。
あの高音について係員に確かめたところ、
補聴器のハウリングだそうです。1台でも生じることがあるとか。通常なら音の出所を探って、対処するけど、蝋燭能のためお手上げだったと。クラシックのコンサートなら中断して解決した後、初めからやりなおすのですが。
能楽堂では私も初めての経験でした。
良い演奏だっただけに、ちょっと残念でした。

投稿: 世之介 | 2006.06.01 16:23

世之介さま
コメントありがとうございます
補聴器のハウリング、ですか・・・
考えてもみなかった原因でしたが、良く起こる
事なのでしょうか?
でもつけていらっしゃる方もそれは観能に
不可欠でしょうし、難しいですね
大変参考になりました。
ありがとうございました!

投稿: かのこ | 2006.06.02 13:41

 かのこさま、楽しく拝見しています。
蝋燭能、私も行きました。ノイズのことは気づきませんでした。眠っていたんでしょうかね。友枝さんの舞台は4回目ですが、「鵜飼」「高野物狂」「安宅」と、直面物や男性のものばかりでした。「巴」は修羅能と聞きますが、蔓物の面をつけた友枝さんを見るのは初めてです。まだ能を見始めてから2年ちょっとで、よく分からないのですが、「高野物狂」で感激して(あの時は、亀井忠雄さんの大鼓も凄かったのかも)、「安宅」では終了後、すぐには席から立ち上がれなかったほどの感動でした。それからすると、今回の「巴」は、美しいものの、友枝さんは、蔓物じゃない方がいいのかな?という印象をもちました。それでも、友枝さんなら、何でも見たいなァと思います。ちょっと高いのですが…。では、またお便りします。
マスミ

投稿: 吉田マスミ | 2006.06.05 09:35

吉田マスミさま
コメントありがとうございます。
色々な方のご意見をお聞きできるのが
実はこのブログをやっていての一番の
楽しみです。
私も早く能に詳しくなって「立ち上がれないほど
感動」してみたいです・・・
立ち上がれないのは大抵寝ぼけていてって
感じのわたくしではまだまだ修業が足りませんね・・・(^_^;)
また是非感想などお聞かせください

投稿: かのこ | 2006.06.06 09:50

かのこさま
お返事嬉しいです。文楽や能のことはなかなかお話しできる人がいないので、こういうサイトで会話?できて嬉しいなァって感じです。またコメントします。よろしく!です。
マスミ

投稿: 吉田マスミ | 2006.06.06 21:10

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