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2006.10.21

「万作の観る会」を観る

国立能楽堂。
万之介さんはやはり休演で、「萩大名」は大名が万之介さん
→石田さん、某(庭の持ち主)が石田さん→深田さんに変更。
深田さんは直前の小舞の地謡をやっているので、装束替えに
5分程休憩発生。

まずその小舞「住吉」。
だいたい万作さんの小舞なんて今や滅多に拝見できない
貴重なもの。地謡がかなり難しく力が入ったのか(単に癖
なのか?)地謡の息継ぎがやたらと見所まで聞こえました。

前述の通りの小休憩後「萩大名」。
単なるバカに見えるのもどうよ、と言う(何しろ譬えは酷い
ですが庭の見どころについては指摘が鋭い)なかなか難しい
役のように私には思えるし、また演者で随分印象が違います。
比べるのは違うかとは思いますが、例えば万之介さんの
大名は、失言して太郎冠者にたしなめられた時の口を扇で
塞ぐ仕草やタイミングが妙に可愛い感じがするのですが、
今回の石田さんの大名にはまだ「暴言も仕方ないか〜」と
思わせる天真爛漫さがちょっと足りず、賢そうに見えました。
(それが石田さんのキャラクターでもありますが)
ともあれ万之介さんの1日も早い回復をお祈りします。

続けて万作さんの「語」の妙を堪能する「柑子」。
短い曲ながら「俊寛」の話を知ってないと笑えない
笑いのハードルは意外と高い。
素晴らしい語を聞かせて頂きましたが、主を演じる萬斎
さんが最後の最後、「残った一つの柑子をおこせ」と
言うべきところを何故か「二つ〜」と言ってしまったのは
至極残念でした。

20分の休憩を挟んで今回のメインディッシュ?、万作さんに
よる「奈須与市語」。
とにかく見事な15分でした。特に義経の時の目線の美しさが
印象的でしたし、与一が馬で海に乗り入れるあたりからは、
こちらも一緒に波に揺られるような気分でした。
何より無駄な緊張とか力、演劇的な演出の匂いのない、
美しく規矩正しい語でした。

最後は萬斎さんの父親、遼太くんの聟共に初役の「二人袴」。
太郎冠者に高野さん、後見に竹山くんと言う事で(舅は
石田さん)、舞台にはなんと4人の聟役者が勢揃い!
緊張もかなりあったと思いますが、遼太くんの聟は舞の
ところ以外は(竹山くんも舞のところは大変でした)とても
安定していました。
萬斎さんの父親はさんざん聟役で見ていた役ですから、
ソツがなかったですが、普通に袴を履いて出るところが、
万作さんや万之介さんだともっとスムーズに見えるのが、
なんとなくぎこちなく見えたのは、聟役を見慣れ過ぎた
こちらの目の錯覚?
でもこの勢いでは、萬斎さんの父親、裕基くんの聟なんて
組み合わせを見るのもじきかも知れません。

ともあれ今回はじっくり万作さんの語を堪能できたプロ
グラムでした。

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コメント

万作の会、2日目も、やはり萬斎さんは、柑子で二つと言っていたんですね。初日もそうでした。私は聞き間違いかと思ったのですが、かのこさまもそうお聞きになったのなら、2日とも同じように言ったのですね。
萬斎さんで思った事ですが、二人袴で、袴をはかせるときがぎごちないなァ…って感じたのです。案外、器用じゃないんだな、小さいときにあんまりお手伝いしなかったんだ、なんてね。
マスミ

投稿: マスミ | 2006.10.21 23:12

マスミさま
「万作を観る」の二日目は今日(22日)だと
思うのですが・・・?多分マスミさまと同じ公演を
観ている気が・・・・???

投稿: かのこ | 2006.10.22 07:51

あらら、19日のことをお互いに話していたんでしょうか。ごめんなさい、この頃とんと物覚えが…。じゃあ、萬斎さんの間違いは1回だけかな?なにやらほっとしたりして。萬斎さんもとにかく忙しいですよね。私は、できるだけオッカケをしてみて、今月5回ほど見ただけで、もう疲れてしまいました。見るだけでもこうだから、演じる方もきっとこんがらかることでしょう。なんて誤魔化しましたが、私もしっかりしなくちゃ、と思っています。では、また。
マスミ

投稿: マスミ | 2006.10.24 00:10

マスミさま
いや~なかなかそこまで短期間に集中して
狂言を見るということができる人もいないと
思いますから貴重な体験でしたよね(^^)v

投稿: かのこ | 2006.10.24 08:00

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