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2006.11.17

「鵺」ポストトーク 採録

14日の「鵺」夜の部公演後に行われたアフタートークでの
主な発言で私がメモした内容をアップします。

かなり細かい話が出て、私も完全に理解できたとは
思えないのと、聞きもれもありますし、意味がわからないところは
飛ばしたりしています。
走り書きのメモを元にだいたいこんな発言でした、という
感じですので、そのあたりご了解の上でお読みください
(すべての文責は管理人・かのこにあります)

出席者:宮沢章夫さん(作・演出)、野村萬斎、松井憲太郎

松井さん:萬斎さんにこれまでの現代能楽集では主に
      現在物が採り上げてられていたのが、今回
      はじ めて「鵺」という、萬斎さんに言わせると
      「現代劇にしづらい」複式夢幻能を採り上げた
      というのに興味をもっていらっしゃいましたが、
      まず、ご覧になった感想を聞かせてください
萬斎さん:複式夢幻能を採り上げるということは、過去しか
      語らない人間を採り上げるということ、また過去に
      スポットを当てる、過去を考えるにはふさわしいと
      言う事に見ていて気が付きました。
宮沢さん:もともとは過去の劇言語が残らない、特に現代劇が
      とても増えているというのが気になっていて、なにか
      再演以外の方法で、それらを今に呼び起こすことが
      できないかと考えていました。またまったく別に
      トランジットルームという存在が気になっていて、
      それと能の世界が偶然にうまくドッキングした気がします。
萬斎:現代作家の作品が残らないのはなぜでしょう?
宮沢:売れないからですね(笑)私の戯曲集も何冊か出版され 
    ましたが、すぐ絶版になりました(笑)
萬斎:残るほうが特殊、ということですか?
    今回清水邦夫作品が使われたのですが、清水作品というと
    リアルに見ている人は私の上の世代で、私のような60年代
    後半生まれの人間にとっては過去で、すべては知識として
    知っている小劇場のイメージなんですが、宮沢さんには
    この作品はリアリティがありましたか?あるいは言葉の
    ジグソーパズルとしての意味として使われたのですか?
宮沢:清水戯曲は20代に読んでいましたが、舞台は見ていません。
    (清水さんと蜷川さんが組んでいた)桜社は1973年で解散
    してしたから、懐かしいというのはないですね。ただ、
    「ぼくらが非情の大河をくだる時」のラストと、「鵺」のラストに
    両方、舟が出てくるということに繋がって。
    これは単なる思い付きですね(笑)
    今年は「タンゴ冬の終わりに」が再演されたし、ちょっとした
    清水作品ブーム?で、それに乗って偶然の邂逅ですね。
    清水さんの作品というのは、詩的言語なんですね。今は
    そうでない言語で芝居を作る潮流があるので逆に魅力を
    感じます。清水さんの戯曲は甘い、という人もいるし、
    ロマンティック、ナルシスティックというイメージもありますが
    今回はそれを受け止めるのに能が装置になった気がします
萬斎:多分清水さんの作品を全編通し見るよりも、この作品の中で
    聞く言葉のほうが、古典作品としての清水さんの作品に
    スポットがあたる気がしますね。
松井:清水さんの作品の引用が多いねということになって、一稿で
    計算してみたら、20%くらいあった。こうなると引用とは言わ
    ないのかなとか、著作権の問題とかならないかとか心配
    したんですが、清水さんからも快諾いただきました。
萬斎:能も源氏物語からとか、それ以前の作品に元ネタを求めて
    いますし、歴史的史実とか劇言語が入っている。こういうやり方が、
    昔からあった戯曲の書き方だったかも知れません。
宮沢:僕も無意識に過去の戯曲の言葉を引用しているかも知れません。
    そうなってくるとオリジナルとは何か考えてしまいます。
    実はこの作品、今年の初めにリーディングをやった時に
    「劇作家が喜ぶ作品だね」と言った人がいて。ところが上演
    してみたら、「演出家が喜ぶ作品だと。演出家が魅力的に
    見えるね」と言われました。ご当人(演出家のモデルと言われた
    「世界的演出家」)も喜んでお帰りになりました(笑)
松井:今回の作品は色々な意味でチャレンジングでしたが、きちんと
    した実験ができたかなと思いますが
萬斎:これまでの「現代能楽集」は、どうしてもまず原作をなぞるとか
    アレンジということがメインでしたが、今回は新しい能の作り方、
    つまり、鵺的なものを入れる、過去を語る、そして他人の作品を
    引用するという、能的な劇作法を確立したなと思いました。

などなどあって終了。約40分程度でした。


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