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2006.12.24

『至高の華』(17時公演)を観る

宝生能楽堂
今年最後の観劇は、萬斎さんの「狸腹鼓」
披きではないと思いますが、結構これもあまりやらない
曲だそうですし、一年で狐と狸、両方見られるというのも
貴重かなと。
結局、「狐」と結構比較しながら観ることになっちゃいました
から、近い時期に見るのは意味があったように思います。

入り口では来月14日の国立能楽堂での「至高の華特別公演」の
チケットを売っていましたが、係の人が結構必死に声を出して
いたので、ひょっとすると売れ行きが思ったほどでもないのかも・・・?
入っていたチラシによると次回の公演は4月にル・テアトル銀座での
2日公演だそうですが、ル・テアトルと言えばむやみに客席の1列の
席数は少ないのに列が多い、中央横通路より後ろはかなり
置いてけぼりを食う、観客にとっては泣ける席配置の劇場。
S席10000円、A席5000円、ボックスペアシート20000円とのこと
ですが、多分一番損した気になるのはS席エリアの最後列あたり
でしょう。

「狸腹鼓」
まず橋掛から高野さん、月崎さんの手で一畳台が、笛柱の前に
斜め45度に出される。続いて切戸口から竹山くんと良乍さんの
手でススキとおみなえし、桔梗(だと思う)があしらわれた
柴垣が4つ出され、3つは一畳台の前に隠すように、一つは笛柱の
まん前あたりに置かれる。

話は、夫が帰ってこないのを心配した妻の狸(しかもなんと
妊婦さんなんですよね、この狸)が、尼の姿に化けて夫を探しに
里に降りてくると、狸捕りをする猟師にであったので狸捕りをしないよう、
狸のたたり?を語って説得する。一旦は納得した猟師ながら、
帰り道、つい犬に驚いて狸が本来の鳴き声を出してしまったのを
聞いて気が付き、狸を生け捕りにしようとするが、腹鼓を打つなら
見逃してやるということになって、狸はそれまでの装束を取って
腹鼓を打ち出す。余りの面白さについ猟師も一緒に踊りだし、
ついには一緒に幕に入ってしまう、というもの。

狸の出のところは、脇や中正面の人は気づきにくかったようですが、
最初、四つんばいで白い頭巾の頭だけちょろっと出てきて
そのまま後退して引っ込み、次は幕を全部揚げて尼の形で
登場、一の松での名乗りでした
装束は茶色のもんぱの上に黒法衣を着て狸の面(専用面
だそうですが、目がくりっとしていて、ちょっと賢徳ぽかったですね)を
かけ、尼ということで、頭から白の丸頭巾を被って手に杖と
数珠というスタイルでした。
もんぱも狐に比べると全体に身体にフィットしていて、特に足の
あたりがすっきりしており、動きやすそうでした。

前半の流れは「釣狐」の前段に似ていますが、さまざまなしぐさを
見せるのに乗せられて猟師が一緒に踊りだす、という後半は、
「靱猿」と似ています。
狸はまた狸と見破られても「狐」のように中入りせず、一の松
あたりで装束を外して、ぐるっと前転して狸の正体を現していました。
そして「狐」と一番違うのは、全体の雰囲気が大変明るく、特に
狸の正体がばれてからの松田さんの笛とコラボしながらの狸の
軽快な足ステップ?と可愛いしぐさがかなり笑いを誘いました。
猟師もものすごく楽しそうでしたしね。

45分程度の長い曲でしたが、狸のしぐさや猟師とのやりとりが
面白く、また前に書いたように「狐」との比較で見ると格段に
気楽に見られて、多分やっているご本人は大変だと思うのですが、
ほんわかと見られた曲でした。

後半は六郎さんシテの「鵺」でしたが、観ずに帰宅。
本当は今年の「現代能楽集」でやった演目の元曲なので
見ようかなとも思ったのですが、野暮用から逃げられず、
残念。


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