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2006.12.16

「新宿狂言 vol.13」を観る

「新宿狂言」、去年は開催がなかったので一年半くらいぶりの開催。
今回は、落語の元ねたになった狂言2曲に、萬斎さんによる、
狂言の曲を落語のように座布団に座って一人でやるというのを
(素・独狂言と名づけていました)上演するというものでした。
前に、横浜で、柳家花緑さんと狂言と落語のコラボレーションを
やったのですが、そこからの発想のようです。

そのため、ロビーも紅白提灯、椅子に緋毛氈、館内案内などの
掲示物はすべて落語の勘亭流寄席文字に統一し、まねきのような木札が
掲げられ、会場内も紅白の提灯があり、舞台は正面に黄色の
4枚襖、その上に赤字で「新宿狂言」と書かれた扁額がかかり、
壁は深緑の塗り壁風で、上下には4つ紋が縦に並べられた暖簾が
下がり、上手には落語そのままにめくりが設えられる懲り様。

<shizuさまにご指摘いただいて、文字についての記述を
 訂正いたしました・・・07/03/15>

残念ながら万之介さんが体調不良で休演。
「鏡男」の配役が、男が万之介さんから石田さんに、妻役が
石田さんから深田さんに変更になっていました。
万之介さんの休演は今年二回目。ちょっと心配ですね。

25分解説とその素・独狂言、25分「鏡男」、20分休憩を挟んで「骨皮」30分。

まず出囃子にのって、時田さんが紫色の座布団を舞台の中央に置いて、
暫くして萬斎さん登場。曲の解説をして、素・独狂言は「柑子」。
横浜では「佐渡狐」に挑戦をしたそうなのですが、せりふの応酬が
すごく多かったのと、3人出てくる複雑さのせいで、途中で誰を
演じているのか判らなくなって止まってしまったのだそうで
今回はその反省を踏まえて登場人物が2人の曲を選んだのだとか。
不自然でなくて、ちゃんと顔の向きも、扇子を持つ手も替えていて、
面白かったです。

続いて「鏡男」。
座布団が時田さんによって下げられ、紅白提灯と扁額が引き上げられる。
舞台装置だけでなく、音響を使うのもこの狂言会の面白さ。
まず登場で鳥の鳴き声がし、鏡を売る男は襖を開けたところに
座っており、その鏡売りと別れて故郷に戻るところでは襖が
4枚まとめて上に引っ張り上げられ、その後ろのスクリーンに
雲や夕焼けなど外をイメージさせる映像が写るしかけ。
さらに面白かったのは、妻が土産にもらった鏡。
通常公演では普通の鏡を使うのですが、今回は鏡の形の中央に
極小カメラが仕込まれ、小さなアンテナから飛ばされた映像が
リアルタイムに後ろのスクリーンに写り、どんな絵を妻が見ているか
すぐに判って、面白かったですね。

休憩の間に襖が元の位置に下りてきて、「骨皮」

万作さん、萬斎さん、ともに襖を開いた奥から(つまり真正面から)
登場。襖の奥は障子風になっていて、寺の一室を思わせる。
話はほとんどナンセンスの域で、最後にはまじめそうな顔の
住持の隠し事を新発意が指摘してしまうのですが、割にこれは
狂言どおりに演じている感じでした。

遊び心がやりすぎない程度に見られる、面白い企画公演でした。

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コメント

かのこさま
新宿狂言、16日の5時からの部を見ました。勤務の後で疲れきっていて、話の内容も余り覚えていませんが、「萬斎さんの楽しそうなお話し振り」が印象的でした。「骨皮」は以前に大蔵流で見ましたが、今回のはなかなかに色っぽくて、きっとこちらの方が中世の実情に合っていたんじゃないかなと思いました。狂言挫の「柑子俵」や「文荷」など、この所の萬斎さん、生き生きとしていますね。
マスミ

投稿: マスミ | 2006.12.17 19:37

マスミさま
コメントありがとうございます。
どうやら17時の回は素・独狂言は「柑子」ではなく「痺」
だったようですね(^.^)
なんだかいつもは背筋がピシッとしている萬斎さんが
座布団に座るとちょっと落語家風に猫背に見えたのが
微笑ましかったです(^.^)

「文荷」、最近拝見してませんがこのところの萬斎さんは
万作さんとの共演が増えて、いよいよ本業で力が入って
来たかなという気がします。

投稿: かのこ | 2006.12.17 21:56

かのこさま
15日の公演にいってきました。万之介師の休演は本当に公演直前に決まったようでした。「鏡男」はかなり遠い曲なので誰を代役にするかかなり困ったとのこと。話振りから察すると、その時点ではすぐに演じられる方はいなかったようで、「結局私がやることになりまして」と萬斎さんご本人の代役でした。「空白の時間ができたり、後ろから声がかかるかもしれません。今すぐ戻って覚えなおしたいくらいなんです。」とかなり自信なさげでしたが、どこにもほころびらしい所は無くしっかり楽しませていただきました。わずかの時間であれだけの曲を覚え、普段とは違う演出にもあわせてしまうなんて。おかげで萬斎さん、全曲出ずっぱりでした。

投稿: 松風 | 2006.12.17 22:44

松風様
お久しぶりです
15日の大奮闘のご様子は、16日の昼の時の解説で
お話しがあり、「しかも午前中にNHKの収録があったので
へとへとで(「にほんごであそぼ」か?)」と
おっしゃっていました。
私は確か鎌倉能舞台でこれを萬斎さんと高野さんで
見たことがあり、どうやらその後の話を聞いていると
あの公演が「かなり久しぶりに演じた」最初だったようです。
女性蔑視にならないようにするのが難しい曲ですから
そのあたり上演のタイミングというのもあったのかも
しれませんね

投稿: かのこ | 2006.12.18 07:58

こんにちわ、はじめまして。
色々と検索していてたどり着きました。

・・・余計なこととは承知ながら、、、

落語の勘亭流、とありますが、
落語の文字は「寄席文字」です。
勘亭流は歌舞伎文字、
相撲は相撲文字、
落語は寄席文字、
全て異なります。

脇道の内容とは思いましたが
関連した分野がとてもお好きな方々にこそ
ひとことお伝えいたしたく。。。

ご容赦くだされ。

投稿: shizu | 2007.03.15 08:43

shizuさま
ご指摘ありがとうございます
早速本文も訂正させていただきます。

投稿: かのこ | 2007.03.15 23:08

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