「ザ・トレンチ<塹壕>」を見る
やっとレンタル。
これで一応地元のTSUTAYAでダニエル・クレイグでヒットする
作品は全部見たことに。
とりあえず何の予備知識もなう一度見ましたが、シチュエーションが
「硫黄島からの手紙」と似ているなあと思った以外には、どうも歴史的
背景がさっぱり判らず。
どう感想をまとめて良いやらと困ったのと、ちょっとした向学心?も
手伝って、ネットやら高校時代の教科書や参考書を引っ張り
出して第一次世界大戦を調べていました。
考えたら第一次世界大戦については、きっかけになったのが
「エリザベート」に縁の繋がるオーストリア皇太子がサラエボで
暗殺されたサラエボ事件だというような、歴史の暗記ものの
ような断片的な用語とか、映画(小説)でいうと「西部戦線
異常無し」あたりでしか知らないという無教養ぶり。
で、判ったのが、この映画の主人公たちが置かれた状況は
確かに「硫黄島」と似ていたということでした。
目の前に敵は迫っているけれど、いつ攻めてくるのか
(この映画の場合はいつ攻撃に出るのかもありましたが)
判らない、狭く劣悪な生活環境と恐怖から、敵と戦う前に
まず自分の精神状態を平静に保つことが求められるような
状態だということ。
そして何より「硫黄島」同様、このソンムの戦いでイギリス軍は
戦史にその多さで記録されることになったほどの大量の
犠牲者を出したという事実。
映画はその攻撃の初日の前48時間の塹壕の中の様子を
描いたもので、それを知って見た二回目はなるほどそういう
前提だったのかと納得できたので、できれば(本当はそんな
準備はしないで見れれば一番ですが)そういった事実を踏まえて
見たほうが(多分ヨーロッパ、少なくともイギリスの人には前提と
して知られている事なのだと思いますが)重さが判ると思いました。
結果的に最前線に立たされる事になった兵士たちは
みな経験の浅い若い兵隊たちで、ダニエルくんの役はその
若者たちを直接率いる頼もしい軍曹殿。
軍服に身を包んだダニエルくんは、今回は愚直とも言える
「ザ・軍人」で、塹壕の中で若者らしい会話をかわし、中には
恐怖に怯えて戦線を離脱するもの、あるいは戦闘の前に
命を落とすものなどが出てくる部下たちを思いやりつつも
自分を1兵卒として律し、すべてを運命と受け入れている。
気の毒に上司の中尉殿はとても戦地での実戦には向かない
文人肌の将校で、軍曹殿はその上司の言い分やら愚痴も
聞きつつ、立てるところは立て、命令は理不尽でも遂行する。
(さらに途中出てくる大佐さまに至っては、自分が戦争を
するとなどちっとも思っていない風情・・・)
ただそんな軍曹殿も本当は不安と恐怖と戦っており、ラスト
近くで奥さんが材料から育て作ったというイチゴジャムを
瓶から食べながら、部下と話をしようとしたりする。
ただし部下は緊張して全然噛み合わないのだけれども・・
上司の中尉とタバコをすう話をするところと、子供の話を
するところと(ダニエルの役で子持ち、というのはひょっとして
これだけ?)、このイチゴジャムの話をするところが、かなり
良い感じです。わずかな表情で苦悩する人間味と職業としての
厳しさを見せているのは、「スプレンディットホテル」で桃の
缶詰を食べて見せるキュート?な笑顔と共に、強烈なインパクト
あり(なんだか食べてるシーンだけに反応してるのもどうかな
ですが)
ラストは先頭に立って塹壕を登って戦場に姿を見せた軍曹が
一番先に撃たれて死んでしまい、部下たちが恐怖に怯える
そして彼らも死の待つ戦地に駆け出していく・・・・
ハリウッド映画と違って主人公たちは全員死んでしまうんですね。
ただだったらもっと、迫り来る敵の恐怖、狭くて暗いはずの
塹壕の見せ方とかあっても良かったのかなという感じもしました。
絵がずっと同じ塹壕で変わらない、一種の密室劇である以上、
もうちょっと絵の作り方にバリエーションがあっても良かった
ようにも思いましたが・・・・
これを見てからもう一度「エリザベス」も見たりしていますが
いや、「エリザベス」の刺客の僧侶の存在感はやっぱり凄すぎる。
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