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2007.05.29

書籍「古典芸能てんこ盛り」(淡交社刊)

中村雅之・著、安西水丸・絵

著者は横浜能楽堂の副館長。
雑誌の連載のコラムをまとめたもので、能・狂言からアジアの
芸能まで広く平板に扱解説しているのが特徴で、あっさり読めました。

中で私が思わず苦笑いしたのは、拍手のタイミングについての項目。
<ある薪能で、舞台・映画・テレビと広く活躍する狂言方が出演した
時、登場と共に拍手が起こってびっくりした>と言う趣旨の文章があるの
ですが、勿論この狂言方とは萬斎さんの事でしょう。
実際同じ場面に私もしばしば遭遇します。
(先日の「愛宕山」もそうでした)

ただ絶対してはダメなのか、そのあたりについては私には断言する
根拠がありませんが、少なくとも雰囲気としては能楽堂では最初は
無しかなとは思います。
(しかし実際一番難しいのは本にある通り、終演後どこで拍手するか
だと言う意見には同感。「そもそもしない」説もあるそうですから)

また先日の「三響会」も五月雨式拍手が起こりましたが(最後の「石橋」は
特に)これは三味線の演奏や見得、決まりのタイミングで、演技中でも
拍手するのが普通の歌舞伎に馴染んだ客と、とりあえず終りまでは拍手
なしの能狂言に馴染んだ客が客席に共存していたからだと思います。
こればかりはどちらを責める訳にもいかないものの、少なくとも折角
まだ幸弘さんの笛が続いていたのが拍手にかき消されていたのは勿体
なかったですね。
スマートな拍手はなかなか難しいものだとしみじみ感じました。

そういえば、この方三渓園の野外能の仕掛け人の一人でもあるようで
「底なし沼のような池に舞台を作るのが大変だった」的な文章もあり
ましたが、この野外能って確か寒いわ、風が強くてマイクはノイズだらけ
万作さんと萬斎さんの「月見座頭」は瓢が何度も倒れて大変だったという
あの能のことでしょうか・・・・?だとしたら御苦労のあまり報われなかった
ような気もしますが(苦笑)

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