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2007.06.02

「三響会」京都公演<補足・更新:6/2>

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初の「三響会」関西公演は、南座での2日3公演。
最近は<遠征>はしないようにしていたのですが、ちょうど「若冲展」に絶対
行くぞと思っていて、それと期間がちょうど重なったので、せっかくなのでと
拝見することにしました。
歌舞伎もずいぶん見ていますが南座にお邪魔するのは初で、歌舞伎座に
次ぐクラシックな外観、そして写真の通り、内部もまるでお寺のような
格天井(ごうてんじょう)。ただし、しっかりみるとその一部は照明が内蔵されて
いて、必要に応じて四角のひとつひとつが開閉するような仕掛けになって
いるのがまたすごい。
1階上手の特別席には祇園の奇麗どころがばっちりお顔をそろえて
いるあたりなども、さすが京都という感じでした。

タイムスケジュールはこんな感じ

「道成寺組曲」+「八島」(計20分)
[10分休憩]
「喜撰」(25分)
[25分休憩]
「船弁慶」(25分)
[15分休憩]
「石橋」(25分)

結局27日は17時開演、19時25分、計2時間25分でした。

『道成寺組曲』
左右にかがり火、中央奥に鐘を吊るしてあるので、一目で
「道成寺」と判ります。
その前に4人並んでの演奏でしたが、特に後半の盛り上がりが
すばらしかったです

『屋島』
前の演奏が終わると広忠さんだけ残して3人が入る。入れ替わりに
紋付袴の萬斎さんが上手から登場し、広忠さんの右に座る。
<与市>のほうではないので、地味ってば地味ですが。
それにしてもあんなに近くに広忠さんの大鼓がガンガンなって
萬斎さん、やりづらくなかったんでしょうか(笑)

休憩をはさんで『喜撰』
歌舞伎公演でもよくでる舞踊ものですが、どうももともと踊り系苦手なのも
あって、こういう装束や顔をしないで、役者さんが素顔で紋付きで踊る
のは、どうも(特に女形は)見てて違和感があります。
このほうが踊りひとつひとつがきっちり見えて、踊りをやっていらっしゃる
方には面白いのだとは思いますが・・・・

また休憩をはさんで『舟弁慶』
最近、萬斎さんがアイでやることがやけに多い演目です。
確かにアイの仕事が多いので、見ていて楽しいですが「なみよなみよ
~」を繰り返すところで前に笑いが出た公演があって、確かにリアルに
やりすぎると面白くなりすぎる。
正面に唐織の着物が飾ってあって、これは能なら本来は出るはずの
前場の静のかわり。
上手に長唄4人と三味線4枚、下手に地謡4人という配置で中央正面に
囃子方が4人。地謡、長唄の後あたりに、左右に橋掛を思わせる欄干が
少し出てします。
おもしろかったのは、地謡が役によっての、いわゆる掛け合いになって
いたこと。そして地謡がワキの代わりに「船頭舟をいだし候へ」と
謡うと下手の欄干奥から萬斎さんが「畏まって候」と登場。
装束は灰色の碇柄の肩衣、黄土色の狂言袴、茶と黄緑の二重の格子
熨斗目。船の作りものは出ず。
海のシーンになると舞台が青いライティングがあって、ちょうど「能楽
現在形」の「乱」の舞囃子のようでした。
アイのところは前半は完全な能がかりでしたが、後半三味線と長唄に
切り替わるのですが、どうもこれがね・・・どうして切り替えないといけない
のか、確かに「三響会」はそういうものなんでしょうが、これに関しては
演じるのは皆能役者なので能で見せてもよかったのかなあとも。

清司さん演じる知盛の霊は花道のすっぽんからの、効果的な登場。
紺地の立浪の半切に白地の立枠(柄は波丸?)の装束が見事。
ただ細い花道でずいぶん後ろに下がって立つので、見ていて
勝手にひやひやしました(笑)知盛の登場と入れ替わりに萬斎さんは
上手に入り、あとは清司さんの独り舞台。これも前半は能がかり、
後半は長唄と三味線になりましたが、どうも長唄と三味線になると
説明的になるような感じがしますね。
最後は花道にガガガっと飛び込むのが、やはりおみごとでした。

最後は愛之助と喜正さんによる「石橋」競演。
歌舞伎っぽく拍子木が入っての幕開け。
東京で見た時は、勘太郎があまりに派手&上手すぎて、地味な
能の動きが目立たなかった印象がありますが、そこはさすがに
喜正さん、形の美しさとか、動きの歯切れで能の美しさを表現されて
いました。
最後はやっぱり歌舞伎の「鏡獅子」の頭を回すのが見ものになっちゃう
訳ですが、愛之助さんのは一生懸命さはわかりましたが、動く頭の
動線がもう一つだったかな~。
途中で親獅子(白=能)が、子獅子(赤=歌舞伎)と同じ一畳台に
乗って、親が子を突き落とす、っていうのは良く昔からある説話の
形だとは思うのですが、よくあの狭い一畳台にごっつい装束の
二人が立てるなあと変なことに感心してしまいました。

にしても、途中の広忠さん、獅子の吼え声だと思うんですが
はっきり言って吠え過ぎです(笑)「敦」の時も虎の啼き声されて
ましたけど、あれ以上。すごい吼えっぷりでしたねえ・・
のど大丈夫でしょうか・・・。

ともあれ盛り上がり盛り上がりのラストで、大拍手のうちに
終了しましたが、やっぱり何回見ても能と歌舞伎、謡と長唄って
同じ曲でつなぎ合わせてみせるっていうのも、もう一つ何か
説得力のあるものがないと単なる「コピーアンドペースト」って
感じがしちゃうんですけど、どうなんでしょうか
(って、京都まで言って感想がこれじゃまずいですね)

ともあれ若冲と萬斎さんを同じ日に拝見できて、充実した遠征でした。

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