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2007.07.05

「国盗人」を観る(5)田中傳左衛門さん&萬斎さんポストトーク付き。

客席に万之介さんをお見かけする。

プレビューからカウントするとそろそろ東京公演の回数も半ばです。
みなさんよくまああれだけしゃべりまくり(特に萬斎さんは毎回
思いますが、発声方法が現代劇の役者さんと明らかに違って
トーンを変えるのに喉を絞るので、声が枯れるのではと思うのですが)
狭い割に出入りの数の多い、厄介そうな舞台を縦横無尽に走り
まわって怪我の一つもされないものです。
(今日、市長殿が手前の階を後ろ向きで降りるときにちょっと
バランスを崩し、足もとにいた市民役二人に、本気で支えられて
いましたっけ)

しかし、こうして数回見て思いましたけど、主役がこれだけ極悪非道の
事をやっていて違和感ないっていうのが、不思議というか、さらに
それを萬斎さんがやっていて、ファンとしてはあまり酷い役はやって
ほしくないという心理があるわけなのに、違和感がないっていうのが実に
面白いですね。
確かに萬斎さん10年来の念願の役だと言っていただけあるな、なのかも
しれませんが、ま、元の「リチャード三世」の本の面白さとして、観客を
味方に引き入れてしまう(萬斎さんいわく「観客も共犯関係にしてしまう)
仕掛けが上手い、そしてま細かいことなんでしょうけれども今回の
訳における「悪人になるしかない」というのが、最大のエクスキューズに
なっているような感じがします。

ただし、日に日に4人(正確には5人か)の個性の演じ分けに凄味が
出てきた白石さんに比べると悪三郎は突っ走り方のテンションが一定
なので、出ずっぱりの割に白石さんに圧倒されがちになってきている
気もしなくはないですが・・・・


ちなみに個人的に一番好きなシーンは、やはり理知門と悪三郎が互いに
自身の軍を鼓舞するところがかけあいになっている部分の、一番最初、
二人の声が揃うところですね。
そのあとの二人の声のトーンが、そこまでやるか、というほど対照的なのが、
すごいわけで、そのあたり、さすがは今井さん&萬斎さんです。
しかし見るたびに思いますがこの役って儲け役。ちょうど「ハムレット」の
フォーティンブラス状態で、なんだか最後の方に出てきただけなのに、ラストで
カッコ良く決めてくれるものだから、ものすごく印象的。
今井ファンとしては、このところ慶喜公にしても(「新選組!」)、小笠原殿
にしても(「風林火山」)、食えない殿さま役ばかりなので、今回3役とも
善人で良かったなあ~などとつまらない事を考えています。

今日はラストでカランと悪三郎の面が落ちなかったですが、ひょっとして
演出家さま、また演出を落ちない系に変更されたのでしょうか?

ポストトークは田中さん。萬斎さんのマイクがあの金ぴかマイクだったは
受けました。
演奏者としてはこの日が初日だったそうですが、おもに稽古の時のお話。
ポイントは「政子の呪い」と「合戦のシーン」と「影法師」のシーンで
繰り返し出てくるこの3つに気を使って作調されたのだそうです。
ちなみにお囃子2人、笛1人という構成で演奏しているのはわずか2坪
足らずの場所だそうで(上手手前の橋掛の脇にあるそうです)、そこの
楽器を持ち込み、人間が3人座っているそうです。

萬斎さんも「囃す力」の大きさ、囃子方から受ける力の大きさを語って
いましたが、田中さんの気分としては、それは基本的には役者さんの
動きに合わせるのだそうですが、時には「(ご自分の囃子に乗って)
動いてくれ~~~」って思われる時もあるのだそうです。
う~ん、凄い。

ポストトークは25分くらいでしたか、珍しくひとつだけ質問を受けて
終わりとなりました。

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