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2007.07.06

「国盗人」気になるセリフ。

このあいだ、ポストトークで河合先生が、白石さんが演じているのは
冒頭と最後の女プラス劇中の4役、さらに最初の杏のセリフは
「ハムレット」のオフィーリアのセリフだと言ってらして、なるほど~と
思ったのですが、さすがに5回!も見るとそのほかにもいろいろ
気になるセリフが出てきます。ほとんど重箱の隅状態なのですけど。

まずは前に書いた、久秀の辞世の句のこと、そして次が左大臣が
悪三郎に王座を取らせるのはどう?と太郎冠者に探られて
「そんなことならこのゴマ塩頭を切り落としていただきたい」と
自分の首を中啓でぽんぽんと叩くのですが、このセリフも似たような
のを「ハムレット」で聞いたなあと思いだしたのです。

で、オフィーリアのセリフを探すついでに河合先生の「ハムレット」を
ひっくり返してようやく見つけました。ハムレットの乱心をポローニアスが
王・王妃に報告するところで、「間違っておりましたらこれとこれ
(首と体)を切り離していただきたい」と言ってました。芝居では
壌さんが、やはり首をポンポンと叩いていたので連想したのかも
しれません。

次が例の2幕の国王就任のための大掛かりな猿芝居を終えて
喜び絶頂の悪三郎が言う
『選ばれてあることの恍惚と不安 我に二つあり ヴェルレーヌ』。

この手の詩にはさっぱりなので、調べてみたところ、どうやらこの
言葉はヴェルレーヌの信仰詩集「智慧」の中の言葉で、その
堀内大學の訳を、太宰治がその短編集「葉」の冒頭に使ったので
知られるようになったようです。
もちろんこの元の「選ばれた」のは、別に国王に、ってわけでは
なかったのですけれども、使われ方は絶妙。セリフこのあたり
「アデュー」とか、妙にフランス語が多く使われているのは
何か意味があるのだろうか?というのが今一番気になっていること。

そして最後が「それってなんだっけ?」と最初思ったのが二か所。
ひとつが久秀が王子を迎えに行く前に悪三郎に「前にお話した
筋書きの手始めとして」というのですが(「リチャード三世」訳本では
86ページで登場する)、このすぐ後に悪三郎(リチャード)が
「そなたは腹心だ」とやっと言うくらいで、その前までに二人が悪事の
相談をしてるシーンがないので、初回見た時は「え、どこかでセリフ
カットされた?」と思ったら、訳本見てもそうでした。

同様なのは、左大臣が右大臣の夢の話をしてから登城する時に
不意に出会う男に「前にお前に会った時は・・・」というところ。
時田さんって役名がついているのがこの役だけなので、あまりに
唐突、無理やりな配役?なんて思ったのですが(爆)、河合先生の
訳本の脚注を読むと、原作でもこの役は突然出てきてるんですね。

どちらも原作がそうでも、翻案劇なのですから、もうちょっと時系列的に
判り易くなっていてもいいのでは(男の話についてはカットしても
OKな)という気がしなくもありません。

そういえば先日理知門と悪三郎の実質かけあいシーンになっている
ところを見ながら、今井さんと萬斎さん二人の役を入れ替えたら
どんな芝居になるかなあ、意外に面白いかもなんてふと思いました。
(ついでに久秀と左大臣役もそっくり入れ替える)


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