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2007.09.19

「一噌幸弘 笛づくし」第一夜を観る(もしくは聴く)

宝生能楽堂

萬斎さんの「三番叟」、半能「融~十三段之舞」の能と、尺八・藤原道山
さん(萬斎さんの「敦」に参加、最近では「錦繍」の音楽が印象的でした)
とのコラボレートとソロの演奏という盛り沢山の内容。

まずは「三番叟」
笛が一噌さんはもちろん、大鼓に亀井広忠さんという強力布陣。
萬斎さんは切戸口から栗色というかベージュっぽい紋付と袴姿。
「三番叟」を袴で拝見するのは、記憶があいまいなのですが、かなり
レア、もしくは私は初めてかも。
いつもの装束がないとちょっと雰囲気が違いますが、ぶばった装束が
無い分、身体の動き、というか体の軸のぶれなさ具合が本当に
良くわかったのと、いつもは面をかけている鈴の段も直面で見られた
のがちょっと不思議でした。
装束をつけているとそう感じたことはなかったんですが、どうも見ていて
フィギュアスケートのフリー演技を見ているような、ドキドキ感がしたのは
やはり生身の感じがしたからでしょうか。・

能管と尺八による二重奏曲「オーロラのごとく、巻雲のごとく」は
まるでクラリネットとフルートのような音色でありながら、なにげなく
薄く冷たく、軽く吹きすさぶ風のような印象でした。

休憩をはさんで半能「融」
もともと笛の会だから当たり前かもしれませんが、ものすっごく
囃子方が気合が入っていました。
大鼓、亀井忠雄さんですし、小鼓は「三番叟」にも出演していたのに!の
成田達志さん。この方も広忠さんや幸弘さんと同世代で、かなり気合の
入った力強い演奏をされる方。太鼓も人間国宝の金春惣右衛門さん。
そんな訳で登場したシテの銕之丞さんも気圧されたのか、単に面の
せいなのか、私の席の位置のせいなのか分りませんが、銕之丞さんの
謡が聞こえづらい!という珍しい事態に。
でも、ほとんど一噌さんの笛にのって延々と舞いまくる感じ。
しかし後半に至って、どんどん加速して、シテ方ってこんなにスイスイ
凄いスピードで移動するなんてことがあるんだ!というくらいの軽やかな
動きでびっくりしました。

能というと、いつも「見て理解すべきもの」として行くので、ついこう言葉を
追って、ついていけないと眠気が・・・という事がある(素人なもので・・・)
のですが、端から「笛を聴く」つもりで見て(聞いて?)いると、全く違う
印象でした。正直、能でシテの動きを特に前半あまり見ずに演奏(耳)に
集中していたというのは初めての体験でした。

それにしても「三番叟」もこの「融」も全体に単純なリズムの繰り返しで
ちょっと催眠術入った感じもありましたけど・・・

とても面白い公演でした。
12月の第二夜では能管でヴィヴァルディの「四季」を演奏するとか。
これもまた楽しみです。

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コメント

いらっしゃってると思い、記事のアップを楽しみにしておりました。

まさに「観る」ではなく「聴く」というのがふさわしい会でしたね。
三番叟、登場の時に、あ、装束ではないんだ・・・と驚きました。他の方の袴での三番叟は拝見したことがあったのですが、萬斎さんは(多分・・・記憶があやしい)初めて。新鮮でちょっとドキッとしてしまいました。何より、かのこさんのおっしゃるように身体の機敏な動きが見て取れたことと、鈴の段の表情にはひきこまれてしまいました。(お席も前方だったので、余計に!)
幸弘さんの大ファンでもある私なので、もう本当に贅沢な会で、言葉になりません。囃子方の皆様ももうそうそうたるメンバーで、気迫が見所にビシバシと伝わってきましたね。能楽堂でのアンコールというのも、これはもう確実に初めての体験でした(笑)それにしても、ず~~っと出ずっぱりの幸弘さん(会の性質からそうなるのは当然なのかもしれませんが)お疲れ様でした。忠雄師のおっしゃったとおり「大丈夫」だったわけですが、きっとお父様もお喜びになっていたのではないかと思いました。
暮れの第2回が楽しみです(これまた、能楽堂でヴィヴァルディを聴くという初体験になりますね!)

投稿: mineko | 2007.09.19 21:27

minekoさま
そうですか、おいでになっていたのですね。
「鉄輪」を世田谷パブリックシアターで連続公演した
時のポストトークでも判ってはいましたが、幸弘さんって
本当に笛とセットで生まれていらしたのかなという感じが
しますよね。
トークも絶妙だったし。
本当に貴重な体験でした。

投稿: かのこ | 2007.09.20 00:11

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