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2008.02.12

「二月文楽公演」(第一部)を観る

久しぶりの文楽は、歌舞伎では「恋飛脚大和往来」で知られる
(正確には「恋飛脚~」の原作と言うべき位置づけ)近松の名作
「冥土の飛脚」。
歌舞伎だとほぼ「封印切」と「新口村」しかやらないので、純愛に殉じた
気の毒な忠兵衛くん、って感じで、見せ場は「封印切」で、八右衛門との
口喧嘩と、そのいたぶりに耐えかねて遂に、タイトル通り封印を切るところ
なんですが、意外や文楽ではどちらかと言うと、救いようなくダメ息子の
忠兵衛が、遊興に耽る息子を心配する親はおろか、義侠心すら見せる
八右衛門までも怒らせて、自分も、そして相愛の梅川まで共々この世では
行き場がなくなるのを、結構ドライに見せていて、貨幣社会として成熟
した時代の世相を辛口に描いた感じがしました。

また「封印切」の前に忠兵衛の淡路町の実家の店の場があって、
親子関係、八右衛門とのやりとりがあるので、次の封印切の場の
印象がまた違ってきました。
逆に新口村の代わりに道行があったのですが、これはちょっと蛇足っぽい。

それにしてもこの時代、江戸から大阪まで3000両からの大金を人間が
運ぶというシステムが出来上がっている、ものすごい信用と貨幣社会
だったというのが強烈な印象を残します。

そして、この演目は出てくる大阪の地名とその位置関係が判ると
またひときわ、忠兵衛が梅川の所に行こうか、得意先に金を届けるか
と悩むあたり、リアリティが持てますね。


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