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2008.03.30

「狂言劇場4」を観る(2回目)

演目は1回目と同じAプロ、要はポストトーク狙いで取ったチケット。
前回のポストトークは萬斎さん一人で、高萩さんがインタビューしつつ
会場から集めた質問を出すといった形でしたが、今回はゲストに演出家&
俳優&劇作家の長塚圭史さんを迎えてのトークでした。

今回は「唐人相撲」の配役のうち、すがぽんさんが別のお仕事で抜け
ていて、かわりにこれも「国盗人」に出演されていた、平原テツさんが
<紙相撲技>で登場(どうやらこれもすがぽんさんのアイディア)
されていましたが、全体に流れが前回よりスムーズになっていました。

能楽囃子は、今回は一噌幸弘さんに、大倉源次郎さん、亀井広忠
さんに小寺真佐人さんの組み合わせ。
さすがに幸弘さんが出てくると、どうしても笛の音が強烈に耳に入って
くるのですが、さすがに広忠さんなど気心の知れたメンバーだけあって
そのあたりのバランスが取れて聞こえました。

ポストトーク登場の長塚さんは、1階なかほどの列の通路際の席で
観劇されていました。

さて、ポストトーク。

萬斎さんも見たという「ビューティクイーンオブリナーン」(「国盗人」で
共演した白石さんの次の舞台でしたね)や「エドモンド」など翻訳作品の
演出はとても好きなのですが、オリジナルの劇作はどうもつかみ所がなくて
相性が悪い長塚さん、どういうトークをするのかなと思っていたのですが
(「アジアの女」の時のトークも結構つかみどころがなかったので)
セットがない裸舞台での上演が観客に想像力を働かせる事で豊かに
なるんだなあとか、「子盗人」で、それまでかわいがっていた赤ん坊を
家人に侵入をとがめられた途端に楯にして抵抗するなど、人間の毒
みたいなものが、お上品と言われ古典芸能の中にもきちんとあるのが
かえって安心、というような発言があって、目の付けどころがさすがに
演劇人だなと思いました。

また萬斎さんからは、オリジナルの時は狂言のようなシチュエーション
から劇作するのですか?という質問が出て、長塚さんからはそれだと
ひとネタで終わってしまうので、だいたいは、こういう人がいると
変だろうな~というあたりから発想するのだとか。ただそれを突き詰め
過ぎるので「きもちわるい作品ですね~」って言われがちと自分で
おっしゃっていたのが面白かったですね。
でも狂言も不完全な人間というのが基本という話も出て、そのあたりでは
共感するところが多いとお見受けしたお二人でした。
(やはり萬斎さんが少し年上ですけど年代が近いせいでしょうか)

会場から募集した質問では、「親子で同業」という二人の共通点に
ついてのものから、お互いの親をどう見ているか、演出するときの
俳優としての親はどうか、などというところから、万作さんは丸い
オーラが出ているなど、オーラはどんなふうに作られるかみたいな
話も出、ついでに登退場は上下と奥だけが基本だけど、通路使うのは
苦手ですねえという長塚さんに、すかさず「客席通路使うのが得意な
人もいますよねえ」と(もちろん蜷川さんのこと)萬斎さんがコメントした
のには笑いました。

他には装束の決め方という質問から、現代劇では女優さんの衣装の
色と服の丈がすっごく大変~と長塚さんが実感こめて言っていたのが
印象的でした(着物基本の萬斎さんには丈という発想はあまり
なかったようです)。

また、狂言ではどの役もやるが、現代劇ではプロデュース公演では
それがやりにくいが、役がらがイーブンになるのでやった方が面白く、
長塚さんも自分のユニットでは稽古の時にやったりしますなんて
話も出ました。

最後に長塚さんの次の公演の紹介があった瞬間に萬斎さんが
「(自分のコクーン公演と)完全に日程がかぶってるな~」と言って
苦笑いしていましたっけ。

最近「解体新書」では、ゲストとのトークに苦労されている感じの
萬斎さんでしたが、今回は(長塚さんを呼ばれた意図がいまいち
判らなかったというのはありますが)、トークとしては聞いている側も
凄く共感できて、面白い40分でした。

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コメント

かのこ様

ワタクシも同じ公演を拝見しておりました。
始まる前にロビーで長塚圭史に似てる人が
パンフレットを熱心に読んでいるなぁ、
と思っていたらトークに出てきて「うお!本人!」(笑)
意外な人選でしたが、話は思った以上に面白かったですね。
「橋掛かり」は覚えて帰ってくださったでしょうか(笑)

別の方のコメントにもありますが、
7月のパルコの長塚さんの新作に鋼太郎さん出演ですね。
皆さんよく働いてこれは迷惑な(^^;)

投稿: ももぞー | 2008.03.31 19:43

ももぞーさま。
いや、長塚作品への鋼太郎さん出演は「悪魔の唄」
に続いて2回目ですね。
割と身近な人のぬるっとした狂気を拡大して見せるのが
得意な長塚さんと、存在がものすごく大きい鋼太郎さん
の組み合わせはやっぱり不思議。でも長塚さんの
オリジナル作品はどうも相性が毎度悪いので、この
キャストであってもちょっと微妙です(^^ゞ

投稿: かのこ | 2008.03.31 22:31

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