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2008.03.27

「狂言劇場4」を観る

茂山家のツアー版はテレビで、万作家と茂山家のジョイント版はDVDで拝見
したことはありますが、万作家単独の「唐人相撲」は初めて拝見します。
かなりアドリブや狂言以外の要素が多かった茂山家版との違いとか、一般から
募集した出演者や狂言以外のジャンルの方を交えての作品がどうなっている
のかとても楽しみでした。
開演前のロビーにポストトーク用の質問募集カードが置かれていました。

まず万之介さんによる「子盗人」。
アフタートークでの萬斎さんの解説によると、曲自体は万作家では余り出ない
(萬斎さんは3年くらい前にやったのが最後とか)らしいのですが、最近
万之介さんが得意にされている曲なのだそうです。
確かに盗みに入ったら赤ん坊が一人で寝ていて、可愛さに初期の目的を忘れて
あやしていて家族に見つかるなんて、下手すると「誘拐未遂」ですから笑い
づらくなる筈ですが、飄々とした万之介さんが一人で「べろべろ〜」とやって
いるのを見ていると何だかほのぼのとしてしまうのがお見事でした。

続いて隆之さん、源次郎さん、広忠さん、元伯さんによる「能楽囃子」。
当日の番組&配役表に曲名がなくて判りませんでしたが、スコ〜ンと抜けた
大きな空間で聞く囃子の音は、通常能楽師を挟んだ向こうで演奏されるのを
拝見したり、素囃子を能楽堂で聞くのとは一味違ったライブ感に溢れ、表情も
良く見えて迫力満点でした。

休憩を挟んでいよいよ「唐人相撲」。
正面に三段で最上段だけ輪繋ぎ模様が側面に入った雛段。Septご自慢の特製
能舞台にさらに左右の柱との間を三角に板を渡して広くしてあったのは、これも
ポストトークによれば、本舞台上に役者を座らせてしまうと、左右の客席から
舞台が全く見えなくなってしまう為の対策だそうです。
まず銅鑼が鳴り響き開演を告げるとまずは「日本人の相撲取り」が一人で登場、
萬斎さんは上がオレンジ、下が紫の掛素袍に、茶の小格子熨斗目に黒の狂言
袴に脚絆。
「そろそろ帰ろうと思う」と言って下手の橋掛半ばに控えると再び銅鑼が鳴り、
ご一行様の登場。
能舞台のさらに後ろにある、上下の橋掛を横に繋ぐ第四の橋掛の前に紗幕が
垂らされ、上手から登場した一行の姿がシルエットで見える仕掛。
一行が出揃ったところで、従者たちは左右に別れて上下の橋掛から、皇帝
(万作さん)は中央の橋掛からしずしずと登場。
出揃ったところで、石田さん演じる通辞が登場、帰国を願う日本人に許可を
与える代わりにもう一度相撲を取れと命じる。
以降次々と日本人の相撲取りが勝つのに痺れを切らせた皇帝が自分で取ると
言うも、菰を巻かないとやだとか言い、鬚掻も登場し相撲を取るも敢えなく。
しかし最後は皇帝を先頭に大行列となって入る、と筋立ては周知の通り。
見所は繰り出されるとても相撲とは思われない(敢えて言えば昔よくあった
慈善大相撲で見られたしょっきりに近い)奇抜な技の数々と演者の身体能力。
中でも「国盗人」で悪三郎の影を演じていたマイムのすがぽんさんと萬斎さんの
は、面白い趣向でした。
また裕基くんも唐子役で登場しもう1人の子と互いに手で足を掴んでクルクル
前転技を見せてくれました。
他にもピラミッド風もあり、百足もあり。弱気に逃げ回りつつ、様々なアクロ
バティックな技を見せる役は月崎さんと、万作家らしくやりすぎない範囲で
工夫をこらしてあり、見所も大いに盛り上がりました。万作さんが皇帝の
コミカルなところをでも品よく見せていらしたのもさすが。
祝祭の雰囲気に溢れた楽しい舞台でした。

ポストトークでは今回ならではの演出の工夫などを募集した質問を交えて
約30分。
しかしあれだけ動きの多い曲の直後でも萬斎さんは涼しげな顔で登場。
ちょっとびっくりしました。

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