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2008.06.22

「能楽現在形~劇場版」初日を観る

去年はsept恒例「三本橋掛特製能舞台」を使っていましたが、今回は
完全に能楽堂のスタイルから脱却して、囃子方下手、地謡上手にそれぞれ
控え、舞台は「敦」と同じつるつるぴかぴかの黒い床に、なかほどに
舞台からかなり段差のある、左右に舞台をつっきる橋掛、さらにその
舞台正面からその橋掛をつなぎ、さらに奥までのスロープ(それもかなり
急な)があるという不思議なスタイル。

まず半能「融」。
これは3日とも違う流派の方が違う小書きで演じられるもので、この日は
観世流で小書きは「十三段の舞」
正直、全然わかってなかったですが、暗闇から登場してじっとしていて、
そして急にぐっと動くと、どうも何か不思議な感覚にとらわれました。

そして休憩をはさんで能「舎利」。
トークで萬斎さんがおっしゃった「ある意味特等席ですね」と言われた
上方席から拝見していたので、床に映る月、能楽師自身、床の照明、
天井に映る影まで大変面白く見ましたが、上からのライティングが多くて
肝心の演者さんのお顔が見えなかったのが残念。

そしてなぜか強烈に寒いです。今回。
半そでで行くのはお勧めできません(特に1階以外の席)

Sept_shari

改めて「舎利」ですが、派手でしたねえ・・・・
一番驚いたのは、足疾鬼が舎利を奪って逃げるところ、天井から吊るされて
いた、格子の枠(天井のように見えていた)がずるっと手前に落ちてきて
さらに中央部分が外れた仕掛け。
もう四季の「オペラ座の怪人」のシャンデリア落ちに優るとも劣らない
舞台効果でした。
そして後半は萬斎さんがポストトークで言っていたまさしく「ウルトラマン対
怪獣の戦い」を連想される、足疾鬼と韋駄天との時空を超えたバトルシーン。
しかしなんたって、二人とも面をかけ、そして足元真っ暗で、全然いつもと
違う舞台構造、正直見ていて「この二人お互い見えてるのかな~」とか
「足もとにすごい神経を集中させて動いているんだろうあな」とそちらが
気になって見ていました。
さすがに動き方が難しいのか、韋駄天の冠の一部がとんだ拍子に折れ
落ちたりしていましたが、最後、韋駄天に持っていた舎利を返すところ
「なんだよぉ~~~つかまっちゃったよ~」と駄々をこねた子供がするように
右に舎利をプイっと差し出したところが妙に可愛かったです。

照明も派手、音響も派手。
でもこれって、おそらくは能楽師(というか、萬斎さん)はこういうふうに
普段の能楽堂で演じられる時もイマジネーションしながら演じたり見たり
しているのだろうなあと、そういう演じ手の頭の中を垣間見た気がしました。

公演、3日ともシテ方と同人と合計4人でのトークがひとつの
目玉ですが、この日の片山さんがチャレンジャー萬斎さんを「大魔王」と
言っていたのは大受けでした。
それにしても片山さんも、目付柱もなく舞台構造も違って、時々、どこに
韋駄天がいるのかわからなくなりそうだったとおっしゃっていたのを
お聞きすると、スロープもそうですが、すごいことをされていたんだと
(見た目は何気なくされていたので)改めて知りました。

Sept_shari1


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