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2008.10.05

「the Diver ザ・ダイバー」を観る(2回目/ポストトーク付き)

1回目は後半の「車争い」以降のインパクトが(特に野田さんの)強すぎて、
前半の「海士」のエピソードの記憶がふっ飛んでしまいましたので、今回は、
意識して前半を拝見。
行動は様々でも海士のヒロインも、六条も、葵も、ユミもいずれも“母性”の
強烈な女性が描かれているのを感じさせられました。

(以下ネタバレ)
実はOLの不倫相手の子ども二人を殺したと言うエピソードが実話を元にして
いたことは、プログラムを読むまで気がつかず(リアルタイムにニュース見て
いた筈なのに)、野田さん演じる「葵=不倫相手の妻=精神分析医」が
「六条=ユミ」に叩きつける唯一日本語のセリフが、実際の事件でも言われたと
被告が発言したと一回目見てから知り、そのあたりの非常に生々しい物が
何の加工もされずに能の物語にそのまま突っ込まれているのを
「野田さんらしい」と思うか、「芸風変わらないな〜」と思うかは微妙なところ
かも知れません。
1000年経っても思いは変わっていないんだと印象づけるには、特に極力
エッセンスを抽出したような能には、こうしたやり方は効果がありそうですが、
私個人的にはもう少し加工してあった方が好きかも。
ちなみにポストトークによると、このセリフ、ロンドン公演では普通に英語で
言われていたのを、野田さんが日本公演の稽古中で変更したそうです。

どうしても論理的になる構造の英語では、この暴力的なセリフのパワーは
伝えるのにもどかしさを感じられたのかも知れません。

一人が何役もやる事で、実際は誰なのかが曖昧になっていくので、
一つの場面がいくつもの意味を持っていくあたりの面白さを味わえた2回目
でした。

気力と時間があればポストトークの概略もアップしたいです。
(ってなかなかできなくてすみません)

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コメント

かのこ様

2回も観られたとは(しかもどちらもポストトーク付)羨ましい!
私はかのこ様と違ってすぐに事件に気づいてしまい、
犯人の深層心理を追うドキュメンタリーのように
感じられて非常に苦しい観劇でした(^^;)
三島の近代能楽集のようなイメージを抱いていたので
いい意味で大きく裏切られて衝撃的でした。
それにしても俳優、というか女優野田秀樹は本当にすごい。
禍々しさにうなされそうです(笑)

もしかしたら歌舞伎も新作ではなく
テクストを現代に引き寄せて現代劇にした方が
野田さんらしさが発揮されるかもしれないですね。

投稿: ももぞー | 2008.10.06 18:52

ももぞーさま
そうですか~お気づきになったんですね(^^ゞ
にしても確かに野田さんの演じる女性はすごい
ですよねえ~
ちなみにポストトークで萬斎さんが「女性役のところは
もっと鬘とかで出るかと思ったんですが、『the bee』
みたいに」とおっしゃったところ、野田さんが
「あれはねえ~時間がないんで~」と共に「あそこは
精神分析医のままでOKという解釈で、『nice to
meet you』というところがすごい皮肉になっている」
のだそうで、そのあたりが私はものすごく腑に落ちました。
また萬斎さんは「オイディプス」ギリシャ公演の直後に
野田さんのワークショップに参加されたことも
あったというようなお話もされていました。

投稿: かのこ | 2008.10.07 07:39

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