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2009.02.14

「新宿狂言vol.15」を観る

全労災ホールスペースゼロ。
20周年記念の第15回公演。
去年のリング状四方正面舞台でのオールスタンディングライブから一転、
橋掛が客席側にL字型に折れ曲がって伸びていた以外は今回は比較的
オーソドックスな装置でした。

今回の私的隠れテーマは「世代交代」、でしょうか。
まずは「福の神」。
私は万作さんででしか見たことのなかったので、萬斎さんのは初見。
萬斎さんの神様は笑い方が豪快で、随分身近な神様でした。

「呂蓮」は今、何かあれば気軽に出家、と言う習慣がないので、感覚として
解りづらい話ですが、こう言う人の話に直ぐに影響され、非難されると人の
せいにすると言う輩は今も良くいて、関わると余計な火の粉を浴びる羽目に
なるので結構迷惑、要注意と言うのは共通でしょう。

休憩を挟んで「木六駄」。
この曲はホールでも広がりが出て面白く、私はこれまでも万作さんで歌舞伎座と
同じく万作さんで世田谷パブリックシアターの特殊能舞台でのを見たことがあり
ますが、万作さんがなさるといかに舞台装置があっても、その向こうに能舞台を
意識しますが、萬斎さんがなさると、能舞台に近い形ででも、映像的になる気が
しました。
万作さんのはあくまで能舞台が拡大したイメージですが、萬斎さんの今回は
ロードムービー。
叔父宅に着いてほくそ頭巾を外して、汗で乱れた髪がへばりついた顔で叔父と
やりとりするのを見ていると、何だか随分長旅ご苦労さまでした、と感じました。
また、万作さんの時に萬斎さんが茶屋をされたのを見ていますが、こんなに
茶屋(今回は石田さん)と太郎冠者が、茶屋が「進物の酒を飲んじゃえば」と
けしかけるくらい仲良しだったかなぁと新鮮な印象。

主の家、雪道、茶屋、叔父の家と変わる場所は正面のセットで変化を付け、
雪はてっきり紙吹雪でも降らせるか、廻らしたスクリーンに実写映像でも映写
するかと予想してましたが、今回は襖の様な縦横比の大きな白地の、上の方
だけやや灰色のグラデーション(私には長谷川等伯の水墨画のような
イメージ)になった物を、橋掛に廻らせて表現していました。

寒い雪の夜の話をするには、今日の東京は暑すぎるくらいの異常な暖かさで、
逆季節外れっぽくはなりましたが、萬斎さんらしく、モノクロではなく、フル
カラー系の興味深い「木六駄」でした。

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