「007慰めの報酬」を見る(4回目)
イライラ、気の滅入る事が続くのの気分転換と、都内メイン映画館公開が
終了前最後の水曜日だったので、シネコンに「007慰めの報酬」を見に
行ってきました。
やっぱりボンドを大きなスクリーンで見るとスカッとします。
ただし寄り過ぎ、ブレ過ぎ、流れ過ぎ、速すぎの映像に目はまるで付いて
行けてないですが。
そして判らない所は何度見ても判らないや、とも確信。(4回見た結論にしては
何とも寂しい話)
「カジノ〜」が2回見たら完全に理解できたのと違って、これがこの映画の
難点でしょう。
共同脚本の分担がどうなっているか判りませんが、陸海空&室内の派手
アクションシーンを極力優先、論理的な部分は編集でカットしちゃったと
しか思えません。2時間にまだ20分もあるのだから、その辺もうちょっと
ちゃんと説明するシーン入れてもバチは当たらないのでは。
判らない最大は、地質学者の泊まっているホテルを訪ねたボンドを襲った男と、
フロントに預けてあった拳銃入りの荷物の前後関係。
グリーンがあれを殺し屋に渡すつもりだったのなら、男はボンドが行った時点で
部屋に潜んでいたのだから先に引き取ってきそうなものだし、そもそも殺し屋は
誰を狙って待っていたのかも疑問。
カミーユがグリーンの元に戻った時点で地質学者は足元に浮かんでいたのだから、
部屋にいた男は地質学者を殺すために潜んでいたのではない。
となるとグリーンはボンド来訪を予測し、ボンドを殺し、ついでにカミーユも
殺し屋に始末させるつもりった?
だったら最初から拳銃持って行けば良いのに、なんでフロントに預けていた
のか。
ああやってフロントなどに預けるから、うかうかボンドの手に渡る訳で。
で、だいたいこのあたりで話の論理的な筋を追うのを諦めたくなります
(友達2人は実際そうだったらしい)
次に判らないのが、オペラ会場でのやりとりの最後にボンドが「他に話し合う
場所があるのでは?」と言ったとたんに、クオンタムの関係者が一斉に立ち
上がるところ。
あれ、あのセリフで関係者は何を察してそそくさと帰ろうとしたのかさっぱり。
ついでにホワイトおじさんも一味なのには帰らないのは何故?
正直、原語では何と言ってたのかが判ると良いのだけど、ラストのマカロニ
ウエスタンのワンシーンみたいなカミーユとボンドの別れのシーンでのボンドの
「It's my pleasure.」(多分)くらいしか聞き取れないヒアリング力。
前後の繋がり無視がボンド映画のお約束?とは言え、あれはなんかもう
少し違うニュアンスで言ったのではないかと、リアクションを見ると感じて
しまいます。
でなければあのセリフが解散や危険迫るの合言葉と、部外者のボンドが
どこかで知っていた?いや、あの短時間ではどう考えてもそれは無理だし。
序でにカミーユがボンドを車に乗せるシーン(2度目)も、何かボンドのセリフが
あの訳と違う気がしてなりません。
これはDVDで、英語字幕で確認するまで宿題です。
ラストのボンドがMにヴェスパーについて言う「あなたの言う通りでした」は
漸く「カジノ」のラスト近くで、ヴェスパーがボンドの命と引換に金と自分の
命を捧げたと言う話だろうと今回納得。
また、この監督、破壊&追跡シーン以外見所作るのを敢えて避けたのか、
カミーユの背中の火傷の事は見りゃ判るとは言え、グリーンが血が嫌いと言う
設定だと言うのと共々、折角良い布石になりうるキーポイントなのに、誰も何も
説明しないしセリフに絡めて映したりもしないのでみすみす無駄にしてる気が。
逆に、プライベートジェットで移動するシーンで、グリーンの毒キノコみたいな
部下が、オーストリアへ行く飛行機の中でCIAのライターに飛行時間を尋ねたり、
彼の髪が鬘だったとか、ライターの隠し事務所の会話とか、さして重要とも思え
ないシーンがだら〜んと挟まっていると「そんなシーン要らないからボンド絡みの
シーンのヒントになるシークエンスを!」と画面に突っ込みいれたくなります。
文句ばっかりですが、ラストのロシアのシーンは「暗闇で相手を待つ」
「椅子に座っている」「相手と会話している」「モノトーン系」の点で「カジノ〜」
冒頭の、局長暗殺とわざわざそっくりに作ってあり、そして「カジノ〜」冒頭は
ボンドが「殺しのライセンスを手に入れるために殺し」、「慰めの報酬」では
「一人前の諜報部員である事を認めさせるために殺さない」と、見事な対照に
なっていたことに気づきました。
いやなんだかんだと言いながらたっぷり楽しませて頂きましたけど、ぜひとも
次回作は、論理の飛躍は許すので飛躍なりに納得できる仕掛けをお願いしたい
です。
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 映画「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」を見る(2019.03.22)
- 「西郷どん」初回(2018.01.09)
- 「直虎」は総集編も手抜かりないサブタイトル(笑)(2017.12.24)
- 「刑事7人」初回(2017.07.15)
- 映画「SP」前後編(2017.05.15)
「ダニエル・クレイグ」カテゴリの記事
- 「007スカイフォール(IMAX 2D 字幕版)」を見る(2012.12.14)
- 「007スカイフォール」初日に1回目を見る(2012.12.01)
- 「007スカイフォール」の長い予告編(2012.11.29)
- 「007スカイフォール」サウンドトラック発売(2012.11.21)
- 実写版(笑)「女王陛下の007」(2012.07.29)
この記事へのコメントは終了しました。


コメント