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2009.04.16

「野村狂言座」を観る

宝生能楽堂。
先週あたりから宝生ばかり来てる感じがします。

まずは「昆布売」。
この曲、単純な話の割に面白いと思う時と、イマイチな時の落差が極端。
しかも面白くなかったのを妙に良く覚えているので、個人的には相性はもう一つ。
今日は昆布売が何某より先輩(万之介)さんだったので、と言うか万之介さん
だったからこそ、久しぶりに面白く拝見しました。
なんと言っても「まずやれ」がツボ。そして「やっぱり返してやんないよ〜」と
逃げるのが妙に爽快でした。

続いて「吃」。
余り見た記憶がありません。初見かせいぜい2回目か。
後半がほとんど夫(万作さん)の独演。表情の豊かさに魅入りました。

素囃子「神舞」に続いて、ラストは萬斎さんシテの「猿聟」。

演者全員猿面をかけ、色ものの足袋に手袋(と言うのか)もしているので、
演者さんを見慣れていないと、誰が誰やら判らなさそう。
おそらくこうした主催公演ならではの演目で、普及公演にはかからないでしょう。
私も多分、能の替アイで一度拝見したかしないか。
とにかく殆ど初めてと同じで興味深く拝見しました。
実は席が今ひとつだったのですが、萬斎さんのお顔が見られないなら一緒と
ちょっと安心(現金な)

満開の桜を両脇に据えた畳台が正面先に置かれ、舞台は俄然華やかに。
話は「舟渡聟」「二人袴」と通じる聟入りものですが、新婚の奥さんが一緒に
来ているのが珍しく、奥さんと一緒に奥さんの実家に初の帰省、みたいな感じ。
萬斎さんは、出で橋掛の柱に抱きつくわ、欄干に乗るわとお得意の敏捷さを
見せて下さったので、ひょっとして欄干越えも〜、と期待しましたが、それは
なし。
曲芸的だったのは、月崎さんの橋掛での倒立くらい。
聟入りものお約束の盃事の(お供の衆にも盃あり。結構奪いあってました)
後に舞になる展開で、最後は萬斎さんと舅役の石田さんの連れ舞。
曲も動きも、また聟猿が体を掻く仕草も「靭猿」そっくりで、あの子猿の成長
後日談のようでした。
萬斎さんが垂直にぴょんぴょんと飛び上がっても、着地がドンと言わず、全く
体重がなきが如きだったのが最もびっくり。
季節的にもぴったりのなかなか素敵な一曲でした。

猿、と言う事で殆どは普通に進行するのに、ところどころ皆が推測できそうな
セリフの処に「キャキャキャキャ」と「猿語」が混じるのが見所の笑いを誘って
いましたが、あれ、良く囃子方はあんな近くにいて、笑いを我慢できるものです。

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コメント

かのこさま
4月は、実に宝生が多いと実感しています。あそこのグリル、もう少しレパートリーがあるといいけれど、と思います。今回の野村狂言座は、内容が良かったですね。万之介さんの台詞がちょっと混戦したのも、ご愛敬。さすがの万作さんも、弟さんが相手だと、間髪入れずのプロンプというわけにもいかないようで・・・。でも、それがあまり不自然に見えないのも、芸と貫録のなせる技かも、って思いました。さすがに、毎日のように能楽堂通いで疲れました。かのこさまは、ムサシを3回とは、すごい!!お金も、情熱も。私は1回で満足でした。彩の国、いい劇場ですね。どこからでも見易くて。
では、また。マスミ

投稿: マスミ | 2009.04.21 00:10

マスミさま
「宝生グリル」って私足を踏み入れたことがないのです。常に飲食物持参がモットーなので(笑)
「ムサシ」はですねえ、実際は2回でよかったかもなんです。もうちょっと盛り上がれると思っていたのですが、初回見て、3回は多いわとちょっと反省したんですが、譲渡版とか出すとチェックが大変だし、正直三回目がむやみに良席だったので、もったいなくて見ちゃいました。
今年は仕事の関係で舞台予定が立たなくて今うなっているところ。チケット持っていて仕事の予定が入るのも心臓に悪いですが、当日券とかで見に行くとなると、チケットあるかどうかで、またドキドキなんで、困ります(笑)

投稿: かのこ | 2009.04.21 06:34

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