« 「国立能楽堂」2010年カレンダー | トップページ | 「ギネ」(第1回) »

2009.10.14

「万作の観る会」を観る

国立能楽堂
よもや拝見できると思っていなかった万作さんの「狐」を前場のみ、袴狂言と
言う形であれ、生で見られたと言うのは本当に貴重な体験でした。

まず連吟「鳴子」、素囃子「安宅」があり、いよいよ「釣狐」。
まず猟師役・萬斎さんが紺の紋付に袴姿で笛座につき、狐の出を待ちます。
「ヒョッ!」と一声あり、幕のすぐ際に黄土から金に近い色の袴に青緑っぽい
着付け、緑にススキの刺繍?の入った頭巾、手にはバックスキン風の手袋で
杖を握った万作さんの狐登場で、見所にピンと緊張が張り詰めました。

何と言っても語りの場が素晴らしかったですが、その後、罠の餌に
執心するところがなんとも可愛い狐でした。

丁度夕方からにわか雨の予報が出ていたのですが、その罠が舞台に
登場した瞬間に、能楽堂の建物の外屋根に叩きつける雨音が見所の
席からはっきり聞こえる程の大雨が降り始め、また終曲と共にまるで
タイミングを図ったように弱くなり、全く天然の効果音のようでびっくり
しました。

万作さんの息切れも、まるで狐の執着の現れのように聞こえもし、本当に
全てラスト、幕に入ってからの雄叫びまで、吸い込まれるように拝見
しました。

ただ普段は面をかけてするために塩梅が図れなかったのか、万作さんの
頭巾がどんどん前にずり落ちてきてしまい、3回ほど後見が直していました。
日曜の会では恐らく工夫されてくるとは思いますが。

休憩をはさんで、気分一新、主と太郎冠者の意地の張り合いが楽しい
「止動方角」。
馬は遼太くん。なかなか足の長い俊敏な馬でした。
石田さん主と萬斎さん太郎冠者、橋掛端から端まで、使いきり、表情も
いつもの3割増くらいの大熱演。
ここまで笑った「止動方角」は覚えがありません。
メリハリの効いた素晴らしい舞台でした。

|

« 「国立能楽堂」2010年カレンダー | トップページ | 「ギネ」(第1回) »

能&狂言」カテゴリの記事

野村萬斎」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 「国立能楽堂」2010年カレンダー | トップページ | 「ギネ」(第1回) »