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2009.11.07

「ヘンリー六世」(第1部/第2部)を観る

新国立劇場。
いよいよ今年二つ目の長時間芝居。
一挙9時間上演、とチラシにありましたが、休憩入れたら実際は計11時間。
腰痛持ちには流石に無理なので、3部のみ翌日のスケジュールを選択。

「コースト〜」通しは開演12時だったので食べて突入したのでしたが、今回は
1部が11〜14時なので前に食べるには早すぎ、終わりまで食べないのも
空腹過ぎ。
途中休憩は15分だったので結局開演前と1部後にちょっとずつ食べましたが
やっぱりおちついて食べられないですね~
劇場の特別弁当は勿論部休憩のタイミングでしたから、今後頼む方は
朝を相当遅くしていかないと2部後半空腹になっちゃうかも。

歌舞伎座だと同じ11時開演でも、ちゃんと昼のタイミングで昼食用に30分の
休憩を設定してくれるので、考えたらそのあたりは流石です。
(中のレストラン、食堂の売上のためでもありますが)

ロビーに年表やら系図やら展示ありましたが、こう言うのは結局見てからで
ないとピンと来ませんね。

さて1部。
話は英仏戦争。
イギリスの英雄、トールボットと、フランス側「オルレアンの少女」、ジャンヌ
ダルク(イギリス側では「乙女ジャンヌ」と表記)の対決が目玉。
無論、イギリス側から描いてますのでジャンヌは悪魔的キャラクターでしたが、
ソニンさんが熱演。
熱演と言うか、声が力む大竹しのぶさんそっくりでびっくりしました
(来年の蜷川版ではまさに大竹さんがジャンヌダルクです)

そう、これに限らず、見ているとつい「蜷川版だと誰がやるかなぁ」とつい
考えてしまいました(苦笑)
脱線しますが、因みに主演の上川さんはヘンリー王よりヨーク公が似合い
そうで、ヘンリー王は長谷川くん、リチャード(三世)は高岡くん、グロ
スターは原さん、トールボット卿は鋼太郎さん、ウィンチェスター司教は
瑳川さんあたりでしょうか。
横田さんはキャラ的にはバッキンガム公が良いですが、実際はウォリックや
サフォークだと面白いかも・・・

閑話休題。

1部はひたすら戦争がらみだったために、さすがに休憩後の短い2幕後半は
疲れてウトウトしましたが、木場さんのトールボッドが出色でした。
セリフではトールボットの「皇太子だか、明太子だか」には笑いました。
無論、原文は違うと思いますが(さすが小田島訳!)。
またフランス軍人の描き方が能天気で(頬紅してたし)、また同国フランス人
ジャンヌの口から「さすがはフランス人、クルクル気が変わる」と言わせて
みたり、全くだからフランスとイギリスって…(苦笑)

2部は顔を見慣れたせいもありましたが、戦争より人間ドラマになって、面白さ
アップ。
何と言っても、中嶋しゅうさんのグロスター公が抜群の素敵さ。
1幕は善悪どっち?って感じでしたが、最後までイングランドを思った姿が
格好良かった!。
王位を企んだ妻のエリナーは、雰囲気マクベス夫人。
久しぶり久野綾希子さんを拝見しました。
数少ない女優さんの中では中嶋朋子さんのマーガレットも見事。
最初可愛い綺麗な異国のお嬢さんなのに、どんどん「悪女」に変貌していく
のが凄い。
追放されるサフォーク(村井さん)との別れのシーンは、今の男女と同じで
普遍的だし、悪人の割にロマンティックでした(笑)
またサフォークの死を悲しむマーガレットにヘンリーが「私が死んでもそんなに
悲しまないだろう」とちょっと拗ねた時、「勿論」とあって客席から笑いが
漏れるが、すぐに「後を追いますから」と言うセリフがあって、この人の本心が
読めなくなりましたがこれもマーガレットの凄さかも。

そしてラスト5幕にいよいよ、続く「リチャード三世」で兄弟骨肉の争いを
演じるエドワード、(クラレンス公)ジョージ、リチャード(三世)3兄弟が
登場しましたが、あまりのキャラの強さにちょっと笑ってしまいました。
今井さんのエドワードはジェームス・ディーンか、「ウエストサイド物語」の
トミーみたいなワックスバリバリの、昔の「不良」スタイルでびっくり。
岡本健一さんのリチャードは想像通りの魅力的ひねくれぶり。
「タイタス・アンドロニカス」初演のエアロンを彷彿とさせる色悪ぶりが、
格好良かったです。

その兄弟の父親で、ヨーク側の中心人物の一人、リチャード役、渡辺徹さん。
屁理屈捏ねてヘンリー六世から王位を奪う重要な役なのに、残念ながら、
新劇界の大先輩たちの中では滑舌のあやしさが露呈。
独白も多いのに、肝心なところで何か締まらなくてがっかりしました。
それに権謀術数に長けてる感じじゃないですしねえ、そもそも醸し出す
雰囲気が。

そしてタイトルロール、ヘンリー六世役の浦井健治さん。
若い王様は全く存在感がなく(笑)、おじさんたちにすっかり蔑ろにされている
割には時に物凄く本質を突くセリフがあって、おじさんたちをヒヤっとさせる
キャラ。
そんなヘンリー青年を、小顔で童顔の浦井くんが「かわいそうに〜」とつい
思ってしまう不思議オーラを出しまくって演じていました。
印象に残ったセリフは議会から出ていくのをマーガレットに咎められた時、
「誰が反逆者であれ、グロスターだけは絶対違う」と断言したところ。
(実際のセリフはちょっと違ったと思いますが)
今後も悲運に晒され続ける王にかなり同情しました。

音楽は印象薄いですし、布を使ったバトルシーンも目新しさはなかったですが、
リチャード(三世)が奥に走り込みながら広げられた布の真ん中を切り裂いて
行ったところは格好良かったです。

明日はいよいよ三部。
ヨーク公と3兄弟の「活躍」とカメレオンぶりを発揮するウォリックが楽しみです。

そういえば、これまでに配られたチラシやチケットサイトの情報のメモを
見直したら降板されたのは津嘉山正種さんだけでなく、松山政路さんも
だったようです。
ちなみに津嘉山さんはジャック・ケード役、松山さんはエクセター役と
メモが残ってましたが、それも見たかったかも。

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コメント

かのこさま

お久しぶりです
健一さま、かっこ良かったんですね~
とても迷ったのですが、あまりの上演時間の長さに
チケット取るのを躊躇してしまった根性無しの私。
エアロン張りの健一さまが観られるのなら行けば良かった~
テレビ放映はないですよね。

投稿: emi | 2009.11.09 01:21

emiさま
新国立のことですから、映像撮ってるかもしれませんよ~。
なお、もしもちょっとだけでもとお思いでしたら、3部だけでもご覧になればどうでしょうか?「リチャード三世」判っていたら1~2部見ていなくてもだいたい話は読めると思いますし、3部が一番岡本さん活躍しますし。
私の一番のお気に入りはクリフォードの背中をひょいと乗り越えるところと、ぶつぶつ言いながら、テーブルの上のお菓子をつまんで持って帰ってしまうところ(って言っても判らないですよね~(^^)/

ジョニー・ディップばりのかっこよさですよ!(^^)!

投稿: かのこ | 2009.11.09 06:25

そうなんですか~
3部だけでも行こうかな。
ジョニー・ディップな健一さま、観た~い
チケット取れるか早速調べてみます。

投稿: emi | 2009.11.12 00:58

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