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2010.03.26

「第一回萬歳樂座」を観る【3/28 固有名詞修正しました】

成り行きで(追っかけで、ですね)、国立能楽堂に3日連続通っている状況。
出演者の方々の中にも、萬斎さんと主宰の六郎兵衛さんは勿論、玄祥さん、
広忠さん、源次郎さんなど昨日まで「野馬台の詩」に出演されていたメンバーが
結構いらっしゃいました。
最初に舞囃子「智恵子抄」、続いて舞台に緋毛氈が敷かれ、その上に葛桶が
椅子代わりに置かれ、六郎兵衛さんが司会を勤めてのトーク。
ご自身でもおっしゃってましたが、六郎兵衛さんて、笛を吹かれている時は
厳しいお顔つきですが、お話しされる時はにこやかで、そのギャップにちょっと
びっくりしました。
個人的には六郎兵衛さん、と言うと、「某宗家」問題の時に能楽協会側の
代表として、その強面で断固妥協を許さなかった方と言うイメージが強いので
尚更でした。

また、いつもはホスト側の萬斎さんが、玄祥さん、大槻文蔵さんとご一緒に
インタビューされる立場だったのは目新しかったです。
内容は能楽堂から公演の場を積極的に外に広げているそれぞれの、能楽堂
以外の場所での上演の工夫や心がけ、エピソード、今の仕事や能楽での役割
以外ならどんな仕事をしたかったかなど。

萬斎さんは「シテ方は常に演技の目標であり、シテ方は憧れ。『野馬台〜』では
シテ方がされているように、囃子方にちゃんと(笑)刻んで貰えたのが嬉しかった」
との事。
また楽譜が読めたら指揮者にもなりたかった」とも。
それなら次の「解体新書」では「指揮〜調和の霊感<インスピレーション>」
(無論バッハヴィヴァルディの名曲のタイトルを拝借したものです)、とでも題して、
指揮者の方をゲストにお招きして指揮法でも実演してみては、、などと、内心
ちょっと突っ込ませて頂きました(笑)
指揮と演出、芸術監督の仕事は似てそうですしね

それにしても、六郎兵衛さんは頻りに新作のご苦労について言及されていらっ
しゃいましたが、日本では伝統芸能以外の演劇は殆どが(四季のロングランは
例外かも知れませんが)常に新作ですし、古典と言われるシェイクスピアでさえ
伝承されているのは文字情報だけで、再演であっても演出は変わる事が殆ど
なので、ある意味では演出まで伝承されている日本の伝統芸能における
新作のあり方の方が例外的な気もします。
無論、六郎兵衛さんもおっしゃっていたように、世阿弥の時代は能も常に新作
書き下ろしだった訳ですが、であれば尚更、現在新作で定番曲になっている物の
少なさは何故だろうと思ってしまいました。

さて閑話休題。
4人トークの後には、片山幽雪さんが登場されて、昭和30年代の武智さんとの
コラボレーションについてお話しされました。

続いて素囃子「道成寺組曲」。
六郎兵衛さん、源次郎さん、広忠さん、元伯さんの迫力ある演奏でした。
源次郎さんのあんな力強い掛け声はあまり聞いた事がありませんでした。

休憩を挟んで能「土蜘蛛」。
観世清和宗家はじめ、派手な演目に喜正さん、銕之丞さんなどがツレやトモで
出演される豪華な配役。
考えたらこの曲、野外能とかホールでは拝見してましたが、能楽堂で拝見する
のは久しぶり(初めて?)でしたので、派手に撒きまくる蜘蛛の糸の物量が
能楽堂の本舞台の大きさに対してより凄く、多く感じました。
あの中で動き回るワキの演者さん(今回は宝生閑さん)やワキの従者役の演者
さんは、糸(?)が足に絡み付いてさぞかし大変でしょう
(写真は席に飛んできた蜘蛛の糸の切れ端です)

Tsuchigumo


またサクサク進んで45分で終了だったのもびっくり。
萬斎さんはアイでご出演。
「マクベス」→「野馬台」ときたので、鬼瓦の肩衣姿が久しぶりで新鮮でした。
そう言えば、席の位置関係で見えなかったのですが、途中から舞台から咳が
頻りに聞こえてきて、囃子方さんどなたか体調不良?と思っていたら、前場が
終わったあたりで、小鼓の方が珍しく交替されたようでした。

個人主宰の会と言うと、通向けの難しい曲が並び、初心者には居心地が悪い、と
言うイメージがあったのですが、これは広く能を楽しむ観客を増やしたいと言う
六郎兵衛さんの思いからチラシを含めて軟らかい印象の会でした。

そうそう、トークで萬斎さんが「野馬台〜」について「『能狂言の手法を使った
新作芝居』と言われました」とおっしゃっていました。
私もこちらにも似たような事をエントリーしていたのですが、同じ様な感想を
持たれた方が萬斎さんのお近くにもいらしたようです。

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コメント

いつも様々&詳細なレポ、ありがとうございます!

調和の霊感は…ヴィヴァルディの作品です…よね?
(^^)

投稿: R | 2010.03.28 07:25

Rさま
あ~~また勘違いです
ご指摘ありがとうございました!!!(-_-メ)

投稿: かのこ | 2010.03.28 09:43

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