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2010.06.04

「第5回ざゞん座」を観る

宝生能楽堂。
高野さんの「釣狐」、破石さんの「奈須与市語」、二つが被キとなる豪華な番組。
「ファウスト〜」稽古に入られている萬斎さんも、被キの演目両方の後見を
なさっていました。

素囃子「男舞」に続いていきなりメインディッシュの「釣狐」

後見には萬斎さんだけでなく、万作さんもいらして、思わず上演中チラチラと
後見の方を見てしまいました。
万作さんはいつも通り、淡々とされていましたが萬斎さんは、後見の時は
いつも演じているより目力三倍増、なのに、また一段と痩せられたようで、
演目が演目と言う事もあるでしょうが、より一層が視線が鋭く感じられました。

さて本題。
「釣狐」は萬斎さんのフルバージョン、万作さんの前場のみの袴狂言、そして
国立能楽堂での深田さんの被キを拝見してきましたが、高野さんの狐は素人目
にはかなり思い切り良く動く狐、に見えました。
勿論息は上がり、面と顔の隙間から汗がボタボタと滴り落ち、深田さんの時ほど
ではなかったものの、着物の合わせの部分が汗で変色していて、大変そうでした
が、それでも最後まできっちりと演じていらしたように見えました。
猟師役が深田さんと言う事もあって、猟師との息もぴったり。
深田さんも、なかなか難物の罠の組み立てをすんなりこなされて、緊迫感の
緩まないやりとりでした。

予定より大幅に延び、1時間25分程かかりましたが、良い舞台に感じました。

休憩を挟んで破石さんの「奈須与市語」
破石さん、いつもは後見か立衆役が多いので、じっくり語りを聞くのは初めて
でしたが、声が良く響き、聞きやすかったです。
三役の演じ分けとか、動き、とかは言い出したらきりがないのだろうと思い
ますが、きびきびと新鮮で、思った以上にはっきりとした味の、食べごたえの
あるサラダのような「与市語」でした。

ヘヴィなメインディッシュと、しっかりしたサラダを頂いた後は、カラフルで
楽しく、でも本格的デザート「六地蔵」で締め。

田舎人を月崎さん、すっぱを竹山さんの組み合わせに、登場したすっぱ仲間、
即ち、偽地蔵3人組が、何と万作さんに万之介さん、石田さんと言う大ベテラン
3人で、それだけで見所あちこちから笑いが起こりました。
そしてその3人が、期待通り?、私が「狂言版だるまさんが転んだ」と勝手に
名付けている、テキトーな偽地蔵ポージングを実に楽しそうになさっていて
見所は爆笑の渦。
演目自体がどうやっても笑いを呼ぶ曲なのですが、大ベテランの、歌舞伎で言う
ところの「御馳走」出演で更に味わいが増し、締まった舞台となりました。

ざゞん座は久しぶりに伺いましたが、今回は非常に充実した、実り多い舞台
でした。

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コメント

かのこ様

私は『釣狐』を見たことがありません。
以前、萬斎さんが福岡公演でされた時は見ることができませんでした。
一度は見たいと思っています。
できれば萬斎さんで見たいですね。

今月の博多座は六月歌舞伎で中村吉右衛門さんがお見えです。
歌舞伎の役者さんで一番好きなのが吉右衛門さんですので見に行きたいとは思っていますが土日はチケットが完売してるようなので平日に見に行けたらいいなあと思っています。

投稿: chiko | 2010.06.04 23:10

chikoさま
吉右衛門さん、私も大好きです。
今、吉右衛門さんと仁左衛門さんの東京の舞台は欠かさないようにしています(^^)/

投稿: かのこ | 2010.06.05 06:15

かのこ様

会の様子がよ~く伝わってくるレポ、ありがとうございます。
お二人も「披き」がある今回はとても楽しみにしていたのですが、前から多忙期で行けないとわかっていたので、泣く泣く断念した。
フルコース堪能のいい舞台だったのですね。
ベテラン勢の偽地蔵連も見てみたかったなぁ。

投稿: 柑子 | 2010.06.05 12:22

柑子さま
若手の頑張りとベテランの力の抜けた味わいが
絶妙でした。
こういう催しで万作家全体のスキルアップにつながるのだろうなあと思いました。

投稿: かのこ | 2010.06.06 08:27

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