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2010.12.25

今年の舞台年間ベスト&残念

こんな季節になりました。

前にも書きましたが、今年は歌舞伎座が「さよなら公演」で力を出しまくった
ため、例年のようにランキングに入れるとベスト10の半数以上が歌舞伎に
なってしまうのと、萬斎さんの「本業」の演目に印象的なものが多かったので、
所謂「伝統芸能」は別枠にします。

まずはベスト10

★「ファウストの悲劇」(7月 シアターコクーン)
★「じゃじゃ馬馴らし」(10月 彩の国さいたま芸劇)

これが双璧、同点1位。
「ファウスト〜」はどんなに世間の演劇評が辛かろうと(笑)関係なし。
久しぶりに蜷川さんやりたい放題(良い意味で)炸裂の舞台でした。
特に言わずもがな、萬斎さん×勝村さんのタンゴはここ数年で一番
「記憶に残る」シーンでした。
一方「じゃじゃ馬〜」は何と言っても筧さん初蜷川さん舞台の実現に、
「ファンやっててよがっだぁ〜」と千秋楽に目頭が熱くなる幸せを感じた
舞台でした。

続く3位集団は
★「ヘンリー六世」(3〜4月 彩の国さいたま芸劇)
★「エリザベート」(8月 城田トート版 帝劇)
★「薔薇とサムライ」(3月 赤坂ACT)

「ヘンリー〜」は確かに去年の新国立版に比べて短い割に力が入り過ぎて
ちょっと疲れはしましたが、鋼太郎さん、長谷川くん、高岡くん、池内さんに
加え、田島くんと言う新星発見あり、男優陣 vs.大竹しのぶさんバトルを
堪能。
「エリザ〜」は城田くんの無重力系王子トートが、ラストのお姫様抱っこを含めて
見事でした
「薔薇サム」は赤坂ACT開場以来初めて、あの無駄に広い空間を使いきり、
楽しめた舞台。天海さんのカッコ良さが際立っていました。

以下ほぼ同点のランクイン
★「お気に召すまま」(7月 あうるすぽっと)
★「ガラスの仮面」(8月 彩の国さいたま芸劇)
★「現代能楽集」(11月 シアタートラム)
★「美しきものの伝説」(12月 彩の国さいたま芸術劇場)
★「ブルー/オレンジ」(5月 ワーサルシアター)

「お気に〜」はカンパニーのアンサンブルの見事さ、「ガラス〜」は何より夏木
さんのハマりっぷり、「現代能楽〜」は能らしい身体性と緩急、またエピソードの
リンクと言う仕掛けで楽しめ、「美しきものの〜」は蜷川さんの熱い愛情に若い
役者たちが成長と言う形で応えた一体感、また「ブルー/オレンジ」は今年偶然
意外に多く見た、少人数のキャストによる小さな劇場での芝居の中で一番印象的
だった作品。

「叔母への旅」(8月 青山円形劇場)、「焼けたトタン屋根の上の猫」(11月
新国立)、「今は亡きヘンリーモス」(8月 赤坂レッドシアター)が次点集団で
これらは作品がと言うより、特定の役者さんを見るための芝居でした。

役者さんとしては、萬斎さん、筧さん、横田さんは勿論ですが、中嶋しゅうさん、
チョウソンハさん、谷田歩さん、田島優成くん、川口覚さん、そして何より
「ファウスト」の勝村さんと、「ファウスト」「イリアス」「焼けた〜」と大活躍だった
木場さん、素晴らしかったです
(まるで女優さんが出ている芝居を見てないかのようだ(笑))

また、萬斎さんの「本業」の中で印象に残ったのは
★狂言「花子」(4月「万作十八選」 国立能楽堂)
★狂言「二人袴」(4月 宝生能楽堂「野村狂言座」)
★「越後聟」(8月 宝生能楽堂「能楽現在形〜千秋楽」)
★「道成寺」(10月 喜多能楽堂「大島能の会」)
★新作能「野馬台の詩」(3月 国立能楽堂)

一方残念・・・
因みに並べて見たら共通した「残念」な理由は、役者さん、演出に問題あり、
とか「つまらなかった」と言うより、あくまで「私が期待してたのと違った」
もしくは「こっちの期待が大きすぎた」でした

☆「血は立ったまま眠っている」(1月 シアターコクーン)
☆「象」(3月 新国立)
☆「2人の夫と私の事情」(5月 シアターコクーン)
☆「ザ・キャラクター」(8月 東京芸術劇場)
☆「広島に原爆を落とす日」(8月 シアターコクーン)
☆「聖地」(9月 彩の国さいたま芸術劇場)
☆「イリアス」(9月 ルテアトル銀座)
今年のコクーンは(「ファウスト」以外は)意外に「残念」の宝庫?でした
(もう一つ「論外」な芝居を見たのもコクーンでした。タイトルすら挙げる
気にもならないけど)

ま、そうは言いつつ、今年は本当に楽しめた1年でした。

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コメント

自分もそろそろベスト10を…と思ってはいるんですが、なにせ自分の場合萬斎師関連しか挙げられないので(苦笑)思いっきり狭い選択範囲になってしまいますけどね~。『ファウストの悲劇』祭りはもうここ数年の語り草になりそうなイキオイでした(笑)。かのこさんの『じゃじゃ馬』フィーバーも、自分が観ていないのでコメントは出来なかったですがその"熱さ"が伝わって来て、まるで自分も観たかのように楽しく読ませて頂きました♪
来年の『Bedge Pardon』も熱くなれるといいなぁと今から期待しています(笑)。

投稿: RICC | 2010.12.25 13:17

RICCさま
いまから気にかかりますね、「Bedge Pardon」、どう考えていも仕事の山場にぶつかりそうな6-7月というのが個人的にはチケット取り以上に頭が痛いです(-_-メ)

投稿: かのこ | 2010.12.26 10:48

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