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2010.12.23

「まちがいの狂言」を観る

世田谷パブリックシアター
こう言う日に限って、田園都市線がよりによって三軒茶屋駅での人身事故の
影響でかなり長い時間遅延、ダイヤ乱れを起こしていてヒヤヒヤしました。

今回は劇場会員限定公演。
五演目にして初めて、万作さん、万之介さんのベテランお2人に替わって三宅家
からお三方、右近さんが父・直介役(これまでは万作さん)で、三宅近成さんが
金兵衛役(これまでは月崎さん)で、高澤佑介さんが陰陽師・薮右衛門役(これ
までは万之介さん)として新しく参加されての新カンパニーと言う事で、翌日
からの一般公演に先駆けてのプレビュー公演的でもありました。

三宅右近さんと言うと、萬斎さんが「釣狐」を「ござる」でなさった時に、一回
猟師役で共演されたのを覚えていますが、しっかり背景するのはほぼ初めてです。

相変わらず客席入口に「異界」暖簾、客席には開幕前から「ややこし隊」が客を
席に案内したり、逆に脅かしたり、客の荷物もいじったりと跋扈中。
また、嘘青空(笑)下の金属の梁や手すりのようなところにも、案山子のように
脱け殻「ややこし隊」別動隊が鎮座?(実は引っかかってるだけ)

舞台は前に「タイタニック」やっていた2階バルコニー部分が小さくなった印象
(実際、公演後の質疑応答で萬斎さんより「海外ツアー仕様」に変更されたとの事)

上記のようにセットが変わり、また配役が変わった事もあって演出も変わった部分、
印象が変わった部分が結構ありました。

まずは全体に落ち着きましたね。
これまではスピード勝負のドタバタの印象が強かったのですが、今回は謡の
部分はしっかり聞かせているし、やや落ち着いた気がしました
(やはり主演二人が少しは年を重ねたからもあるかも?)
また薮右衛門の活躍が増え、白草の石之介がお菊を口説くシーンが先ほどの
セット変更により、「1階」に降り(但し、正面の幕で高さを半分隠すと言う工夫)、
最後に新たに太郎冠者が絡みました
(ちょっと演じるスペースが狭くて見えづらかったけど)

大きな違いはそれくらいでしたが、「不法侵入」と言うセリフが今の時事情勢に
絡んで妙にリアルだった気がしました。

あとは初日らしいハプニングがいくつか。
まず直介を両側から脅す警護の者の槍の先が、左の人のがまず落ちてただの
棒になってしまい、シーンの最後には右の人のも先が落ちてしまい、次に出た
「黒草の市民」が拾ってそっと袖に隠してました。
更にびっくりは、白草メンバーが上手に入る時に勢いで、置いてある橋掛の
「欄干」を倒してしまった事。
最初新しい演出かと思ったりもしましたが、直ぐに後見が立て直しに来たので
やはり偶然だった模様。

相変わらず原作のエッセンスをきっちり出しつつ、面を使うやり方は、蜷川さんの
プロダクション(2006年。小栗くん主演)でもクリアしづらかった「そっくりな
双子同時出現シーン」問題を楽々クリアさせる偉大なツールだと改めて感心。

公演後に貸切公演恒例の会長ご挨拶と来年の「解体新書」チケットと萬斎さん
直筆サイン色紙プレゼント抽選に、萬斎さんトーク。
抽選は当然当たらず(笑)、トークは久しぶりに萬斎さんのかなり理論的、かつ
理想的な劇場&演劇論をお聞きできました

質疑応答では、上記の他に、お恵美は何で同じ国内にいる黒草の石之介&
太郎冠者に気づかなかったのか、と言う鋭い質問が。
いや確かにそうです(笑)
私に言われてもシェイクスピアの原作がそうなんですから、と萬斎さんもお困り
でした。
確かにそうなんですが、いやそんな事言ったら、何で一緒に生まれて、一緒に
育てている双子に(最初から別れ別れになると判っていた筈もないのに)同じ
名前がついているのか(原作ならアンティフォラス&ドローミオ、狂言で言えば
石之介&太郎冠者)
普通、いくら似ていても、だからこそ別の名前をつけそうなもの。
そこからが問題でしょう(笑)

初日、と言う事でまだちょっと幕の裏側の後見が見えたり、動きが完全に綺麗で
なかった部分もありましたが、やはり「まち狂」は素晴らしい作品でした。

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コメント

かのこ様。私は25日に「まちがいの狂言」を観に行ってきました!ついでに、レクチャーも受けてきました。
かのこ様のおっしゃる通り、全体的に落ち着いた感がありましたね。それに、今日のややこし隊は「ジングルベル」と「お正月」の歌を♪ややこしや ややこしや♪で歌って上機嫌でした(笑)私は「まちがいの狂言」を行く度に何かしら絡まれるので、今日は来ないで欲しいなと思って(どうリアクションしたらいいのか困るので)ずっと携帯をいじっていたら、案の定ややこし隊いらっしゃいまして、携帯をじっと見つめられてしまい、「電源消します」って言ったら、「ややこしや」って納得されて去ってゆかれました。本編は言うまでもなく、私の中では不朽の名作の1つかと思っております。演劇の魅力と狂言の魅力がぎゅっと凝縮したような作品だと私は感じてます。レクチャーは貴重なお話が聞けて、これまた楽しかったです。意外と直訳が多かったり、時には萬斎さんの提案があったセリフが入っていたり、あとレクチャーで聞くまで気がつかなかった点まで聞く事が出来て私にはとっても楽しいクリスマスでした。
新キャストの3人の方々も違和感なく溶け込んでいましたので、是非また上演して欲しいですね。あと、来年のパリ公演ではどんな反応になるのか楽しみです。

投稿: 華菜 | 2010.12.26 00:08

華菜さま
ややこし隊に絡まれるって楽しくないですか?(^^)/
私はせいぜい先日の会員限定公演の時に、ほとんどのお客さんが座っている列をややこしさんが無理やり膝先を通っていかれたくらい(ほとんどぶつからないから凄かったですが)で、せっかくなら荷物取られたりしたいなあ~と思ってますが。
公演→レクチャーとなるともう一度公演見たくなっちゃいそうですね。どうせならレクチャー→公演という時間帯だったらという気もしますが。

投稿: かのこ | 2010.12.26 10:45

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