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2011.01.13

「野村狂言座」を観る

宝生能楽堂。

ロビーには万之介さんの舞台写真と万作の会からのメッセージ、白い花だけを
何種類か集めて盛った水盤が飾られて、改めて寂しさがひしひし。
当日配布の番組表は変更になった配役が印刷されていました。

またロビーでは「一人一枚限定」で「のぼう〜」チラシを配布してました。

配役が変更(文山賊:山賊1/万之介さん→石田さん、山賊2/石田さん→深田さん)に
なったためなのか、曲順もチラシでは最初にあった素囃子が「麻生」の前、休憩
直後に変更になっていましたが、見所満載で大変充実した内容でした。

今回の公演の惹句を書くとすれば、万之介さんの幻影、あるいは悪酔いする遼太
くん(笑)または髷を結い、主人の赴任先でにもGPSは必要だった萬斎さん、と
言うところでしょうか。

まずは「筑紫奥」
先日の「銕仙会一月能」でも出た曲で、今回は月崎さんと深田さんが百姓、石田
さんが奏者でした。
最近月崎さんのセリフがとても力強く、また「まちがい〜」でお恵美を演じられた
時も思いましたが、語りに説得力が増した気がしました。

続いて「伯母ヶ酒」
見たことはある筈ですが、萬斎さんの伯母はともかく(これもなかなか、なんで
すが)、遂に遼太くんが酒を飲むために悪知恵を働かせた挙げ句、悪酔いする役を
演じるようになったのは、そのセリフの多さ共々、感慨深いものがありました。
役は女性ですが、萬斎さんにとっては遼太くんは確かに甥なので、そのあたりが
セリフを聞くのがまた一段面白く、また武悪面と向き合う遼太くんの形に、
「次期『まちがいの狂言』太郎冠者候補」の片鱗をかいま見た気がします。
因みに萬斎さんの装束は紫の縫箔でした。

次が「文山賊」
心優しく風流さも心得る山賊二人のやりとりを描く15分ばかりの小曲でしたが、
石田さんの演じるのを見ながら、これを万之介さんが演じられる筈だったのかと
そこはかとなくイメージを重ねて、少ししみじみ拝見しました。

休憩、素囃子「神舞」を挟んで最後の「麻生」は間違いなく初見。
主の髪を烏帽子用に結う(中に収まるよう、髷を立てて元結で縛る)と言う所作が
あるため、主の役の万作さんは鬘で登場されたのがまず非常に珍しかったです。
いよいよ赴任先の京から故郷信濃に戻るので、勤務先に最後の挨拶のため
烏帽子を新調し、髪を結わせる主。
烏帽子を受け取りに出た源六(げろく…深田さん)は品物を受け取った帰りに
道に迷い、主の宿(社宅、ですかね)に戻れなくなっている間、藤六(とうろく
…萬斎さん)は主の髪を結んで結っただけの「沖田総司風」から、元結でぐる
ぐると髪の束を括って立てるのに大苦戦。
藤六も覚えたての設定ですが、多分割に遠い曲なので、萬斎さんもそんなにしば
しばなさってない感じで、(しかもセリフを言いながらなので)特に髪を立った
ままになるよう縛るのが大変そうでした。

話は烏帽子屋に行ったきり戻らない源六を藤六が迎えに行ったものの、結局、
二人揃って迷い、仕方ないので謡好きの主が気がついてくれるのを期待して
「私どもは迷いました〜」と大声で謡いながら道を行き、案の定、二人の謡を
聞いて楽しくなった主が声をかけてめでたしめでたし、3人揃って舞うと言う、
ちょっと「末広がり」っぽく、また「筑紫奥」同様、お目出度い曲で締めとなり
ました。

正月公演ならではの華やかさの中に一抹の空虚感が漂った公演でした。

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