« 【祝!!】第三舞台復活!!(しかも高橋一生くんも!) | トップページ | 大隈講堂の裏に劇団を探しに行った思い出 »

2011.01.30

「新春名作狂言の会」を観る

新宿文化センター。
正月恒例の茂山家&万作家の合同公演。
出演予定だった千作さんが出演できなくなられたとの事で、「附子」は千五郎
&七五三&千三郎の兄弟トリオとなりました。

まずはこの公演のお楽しみ企画、千三郎さんと萬斎さんのトーク。

まずは千三郎さんが「今更(有名な)『附子』について何か解説するべきか
悩みまして」と前置きして「東京に来てムカッとした話」を。
何でも東京でタクシーに乗って「その突き当たり」と言うところを「ドンツキ」と
京都なら一般的な言い方をしたら、運転手が意味が判らなかった事もあり、
「早めにおっしゃって下さい」と返事をしたとか。
東京でなら普通に聞こえるセリフですが、どうやら京都の人には学校の先生など
からしか言われない、上から目線の命令口調に聞こえるそう。
結構関西出身者のいる会社に勤めている私にも初耳で、そう思われていたなら
今後気を付けなくては(笑)
萬斎さんと話していても時々「あれ?」と思われる事はあるようで「今日は萬斎
くん(と千三郎さんは呼んでました)に叱られないように」と出づらい振りで
萬斎さん登場(笑)「なにから叱ろうか考えてました」(笑)

萬斎さんによれば東北地方の場合は聞き取りづらい時があるが、京都の場合は
聞き取れるが意味が判らない、のだそうです。
狂言にもそう言う言葉はあるそうで、例えば「萩大名」で主が「梅の古木」を
「梅のごもく」と聞き間違えるのの「ごもく」とは関東の人間は「五目並べ」
などの単語を思い浮かべますが、京都の方では「ごもく」とは「ゴミ」(芥)の
事で「ごもくをほかす」と言うのは「ゴミを捨てる」意味なんだとか。

また万作家が「花折」などで使う「けなりい」は羨ましいと言う意味だそうですが
茂山家では使わないとか。今でも北陸では使っている言葉だそうで、万作家の
ルーツが金沢と言うのと関係あるそう。
また座れ、という意味で狂言で使われる「ろくにおいやれ」という言葉は今でも
中国から山陰で使われているようです。
千三郎さんによると「しわい(けち)」とか「滅却する(死ぬ)」とかは今は
使われないので学校で公演するときは判り易くしたりするとのこと。
また学校で演じることが多い「附子」では、橋掛がないので、葛桶をより上手に
置くので「主人がなんで死なないのか」と思うとか(笑)
お互いが暑いからとか、子供同士が演じていたので、扇ぎあうのが可愛かったから
かとか、二人でおっしゃってました。
また昔のやり方では太郎冠者と次郎冠者は互いに扇いでいたが、あれでは「互いに
殺しあおうとしているのか」と思ったとか。
萬斎さんも「柿山伏」ではお祖父さんは葛桶の上につま先立ちだったが、万作
さんはそうしなかったので、不条理を感じながら稽古していたそうです。

ここで二人で干支にちなんで「うさぎ」の小舞をして千三郎さん準備に幕に入り
萬斎さんのトークへ。
萬斎さんは「附子」はトリカブトの毒だそうですが、今でならプルトニウムとか
でしょうかと。どっちかというとサリンみたいな気がしますけどね。
留守番でだめと言われれば言われるほど、何かあると思うのが人間。欲望が
理性に勝るということは、「花折」も共通だという話があって「附子」へ

「附子」久しぶりにみました。
わざわざ観ることがない超メジャー曲でしたが、改めてみるとやはり面白かった
です。また茂山家の「附子」は初めて拝見しましたが、「附子」を持ち歩く主を
次郎冠者が(確か)「なんで主は滅却しないんですか」とひどく冷静な突っ込みを
して主が「馴らしているから大丈夫」とか言うセリフは万作家にはなかったり
細かいことが違っていたのが興味深かったです。

休憩を挟んで「花折」
萬斎さんの新発意は金の頭巾、黄緑の衣、ベージュに地紋入り狂言丸紋袴、
辛子色の小格子熨斗目。
花見という風流な話なので、全体にのどかな話。
ホール狂言なので、もっと桜を派手にするのかなと思ったら普通に作り物でした。

今年も4000円でたっぷり楽しませていただきました!!

|

« 【祝!!】第三舞台復活!!(しかも高橋一生くんも!) | トップページ | 大隈講堂の裏に劇団を探しに行った思い出 »

「能&狂言」カテゴリの記事

「野村萬斎」カテゴリの記事

コメント

かのこさん、こんにちは、うさきちろうです。
26日の岡山の東西狂言会では、萬斎さんの解説の最後にうさぎの小舞謡を習いました。マイクなしでも朗々と響くお声に続いて、会場全体で謡いました。(私は8日の福岡公演で万作さんの小舞を見せていただいていたので、謡いながら頭の中で再生しました。)外国人のお客様がちらほらいらしてたので、「リピートアフターミー」「オーバーザマウンテン」と英語まじりの説明でした。1回謡い終わって時間切れ。「覚えるところまでは行きませんでしたね」。もっと教わりたかった!

萬斎さんは「千切木」にご出演。弱腰の部分と、留守とわかって急に勇ましくなるところの対比が鮮やかでした。棒を持って長刀のように振り回し、「右の腕(かいな)を打ち落とし、左の腕も打ち落とし・・・」という台詞が、まるで本当に切り落としているようにリアルに見えてきました。笑いの中にぞっとするような鋭い切れ味がしのばせてあって、観てよかったと思います。

投稿: うさきちろう | 2011.01.31 11:40

うさきちろうさま
みなさんで小舞の謡のおけいこなんて、いいですね~「please repeat after me」とかの話は新宿でもされていました。あと「附子」は海外では「honey」と訳してるとか。

「千切木」久しく拝見していませんが、うさきちろうさんのレポを拝見すると見てみたくなります(^^)/

投稿: かのこ | 2011.02.01 06:15

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 【祝!!】第三舞台復活!!(しかも高橋一生くんも!) | トップページ | 大隈講堂の裏に劇団を探しに行った思い出 »