「2月文楽公演」(第3部)を観る
第2部に続けて第3部。
第3部はこれもお馴染み「義経千本桜」から歌舞伎でもよくかかる「渡海屋&
大物浦」ですが、無論文楽では初めてで、色々歌舞伎と違いがあって(正確
には文楽→歌舞伎変換時点での変更)面白かったです。
一番の違いは歌舞伎では典侍局の従う女性が幾人か出てき、お味方劣勢を
聞いて典侍局より先に入水してしまいますが、文楽では最初から最後まで
女性は典侍局ただ一人。
また、義経らの船出は歌舞伎では描かれませんが、文楽では舞台上にちゃんと
船着き場があり上手に船が出ていきましたし、また劣勢を聞き入水しようとする
典侍局(&安徳帝)を間一髪助けた義経は渡海屋に入り込み、戻ってきた知盛を
建物の中で迎え対していました
(歌舞伎だと後ろに既に知盛の飛び込む岩がある野外)
そして知盛は歌舞伎では義経らの視野に入った状態で碇を身体に巻いて入水
しますが、文楽では典侍局の死を見届け、安徳帝を義経に託して一人船で沖に
漕ぎ出し、先にある孤島風の岩に一人よじ登り、死に至っている、等々。
(銀平の登場時に歌舞伎だとちょっとアイヌっぽい柄の刺し子みたいなのを着て
いたり、役者の工夫が加わったりしますしね)
見得を切ったり、身体を張っての背中から後ろに落ちるギバ(って言うのかなぁ、
やはり)とか、役者が身体を張ってこその見せ場についてはやはり歌舞伎に軍配
上がりそうですが、語りがちゃんと全部説明して下さるのが文楽の有難いところ。
で、やはり身体性メインの踊りは文楽で見るのはまだ修養が足らず(歌舞伎でも
好きではないけど)、「大物浦」の続きで出た「道行」は見ずに出てきました。
長年歌舞伎を見てきて文楽はまだ初心者の私の場合、今のところ文楽の面白さは
2部のように歌舞伎で余りかからない場面をやるとか、逆にこの3部のように
歌舞伎でよくかかる演目で、歌舞伎で加えられた工夫を逆算で知ったりと言うのが
これまで主でしたが、今回今まで一番大夫&三味線に近い席で、語る姿や弾く姿を
間近に見られて、語られる言葉や緩急、間合い、三味線との息など、歌舞伎に
ないポイントにも関心を持ちました。
次回(5月)は「源平布引滝」と演目としてちょっと行かないかも、ですが、
今後は徐々に文楽ならではの楽しみ方も発見できそうです。
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