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2011.02.18

「国立能楽堂定例公演」を観る

国立能楽堂の定例公演としては配役も豪華で、能は稀曲とたっぷり楽しめました。
まずは千作家の「惣八」
休憩を挟んで能「竹雪」。
ストーリー性が非常に強く、またワキが最初に出て発端を語るとワキ柱前に座る
ことなく、ラスト前まで幕に入って出てこないとか、シテが橋掛で、またアイが
ワキ柱前でそれぞれ葛桶に座って、一方の芝居(敢えてそう表現しますが)が
終わるまでじっと待っていたりと「演出」も変わっていて、能と言えばこのところ
寝てばかりいた私が、最初から最後まで完全に覚醒して見てました
(何の自慢にもなりませんが)

粗筋はこんな感じ。
主(ワキ:閑さん)が妻(アイ:萬斎さん)に息子(妻には継子・月若)のケアと
竹囲いの雪払いを命じて参籠に。
妻は「別に月若虐めてもないのになんでわざわざそんな事言われなくちゃいけない
のかしら、きっと月若が告げ口したんだわ」と邪推し月若に八つ当たり。
月若、辛くなり、生き別れている実母&姉(住んでいるところも判っている。
結構近く)に会いたくなってプチ家出。
継母、更に「実母に告げ口に行ったわねっ!」と益々キレ、「パパが帰ってきた
から戻っておいで」と従者(高野さん)に嘘を言わせて迎えに行かせ、実母の
ところでもらってきた小袖を着て戻ってきた月若から小袖を剥ぎ取り、「雪払い
しておいで」と家の中に入れないように門を閉めてしまう。
月若くん健気に雪を払うも、寒さで遂に凍死。
流石にこれはまずい、と従者自ら実母に知らせに行き、実母&姉が駆けつける。
泣き崩れるところに父親帰宅して「元はと言えば私が悪かった」と悲しみに暮れて
いると奇跡が起きて、月若くん蘇生しめでたしめでたし。

途中、後場には結構リアルな竹に綿の雪を載せた作り物が出たあたりのシテの
謡と舞が見所、と解説にありましたが、萬斎さんファンとしては、アイにしては
珍しいはっきりしたキャラクターの後妻役が非常に面白かったです。
狂言ではよくいる「わわしい妻」が「義母」になった感じで不思議ではないの
ですが、それがワキに口答えしたり、子方をイビると言うのがなかなか。
そもそもなんで夫が前の妻を離別してまで彼女と再婚したのか、「私のせい」
とか夫が言ってるので、例えば妻実家が凄いセレブで出世のために目が眩んだ(笑)
とかで男子がいたにも拘わらず離別したのかも知れず、そうなるとやはり妻にも
プライドとかありそうで(実際、白地の着物に花の刺繍が入った紫色の物を
羽織のように重ねて着た萬斎さん演じる妻はなかなかな「美人」な「セレブ妻」に
見えましたし)、能と言いながら、登場人物全員キャラが立っていて面白かった
です(そう見える、見えたのが正しい鑑賞法かは判りませんが)

後場に出た作り物の、綿を雪を被った竹囲いとかも含めてリアルで劇的でした。

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コメント

この定例公演、いくかどうか迷って、結局チケットを取らなかったのですが、かのこさんのブログを読んでいけばよかったな・・・との思いを強くしてしまいました。詳しく書いてくださいって、見ているかのような気分になれましたので、悔しさは半減ですけど。お能でアイが重要な役どころを演じることが時々ありますね。今回は台本を検討したようなところもあり、継母役を萬斎さんが演じたのでしょうね。しばらく、(昼の公演はあるけど)夜の時間での国立能楽堂主催公演で萬斎さんが出てくることはなさそうですし。

投稿: らっかせい | 2011.02.20 10:07

らっかせいさま
今回は前の狂言で千作家、あとの能で万作家を拝見できたのもイレギュラーで、ちょっと得した感じでした(^^ゞ
ちゃんとした(という表現はヘンですが、いわゆる夢幻)能はなかなかまだ私にはハードルが高いので、「安宅」とか「道成寺」とか「船弁慶」とか今回のとか、展開が劇的なのがありがたいです(^^ゞ

投稿: かのこ | 2011.02.20 22:04

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