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2011.10.15

「万作を観る会」を観る(1)

国立能楽堂
狂言の会で3時間半の長丁場は初めてでしたので、レポートも分けてアップします。
まず前半。

見所にドナルド・キーンさん、そして河合祥一郎先生などお見かけする

最初は「火打袋風流」と言う、全く見当もつかない小書のついた「三番叟」付きの
「翁」

シテは金剛流お家元の永謹師で、裕基くんが千歳(兼面箱)披キ。
囃子方も大鼓に亀井広忠さん小鼓頭取が源次郎さんと囃子方も気鋭のメンバー
(そうそう、広忠さんの後ろにはお父様、笛の隆之さんの後ろに幸弘さんが出ら
れるなど、とにかく隅々まで豪華でした)

さて大役の裕基くんは水色に鶴と梅模様の装束。
考えたら、千歳って誰より先に舞台に出、特に今回は「火打袋風流」のために
上演時間が90分に及び、その殆どを脇柱の前に座っていて、一番最後まで
舞台にいるのですから大変でしたね。

翁の永謹師は実に威風堂々の雰囲気で、完全に気のせいなのですが、舞われる
間、後ろの松羽目に朝日のような赤いオーラを感じました。

千歳が面を翁に出す一連の動きから千歳の舞の間、後ろに控えていた三番叟の
萬斎さんのお顔が毎度ながら(笑)すごい厳しくなっているように感じたのは、
こちらは気のせいだけではなかった筈。
(そしてそれがご自身の出番になった途端、スイッチが切り替わった様に表情が
みるみる変わったのも凄いなぁと拝見しました)

裕基くんは勿論立派に舞われていて、特に袖をハッシと腕に巻き付けるところは
パパそっくりで、あと数年以内に三番叟を披くのが目に浮かびました。

萬斎さんの装束は黒(に近い深緑?)に鶴と若松柄

大鼓の広忠さんとの息もぴったり、揉の段は、やはり萬斎さんの気合いはもの
すごく、烏跳びも久しぶりに「跳びした!」な跳びっぷりでした。

鈴の段の前の、尉と千歳とのやりとりから今回の特殊演出へ。
黒尉に十人子どもがいて目出度いと言う部分は、先月大台風の中行われた、
神奈川芸術劇場での杉本博司さんのプロデュースによる「神秘域」のうち、萬斎
さんがなさった「小書・子宝」と全く同じで、つまり「火打袋風流」は、「子宝」の
やりとりの後に、実際に黒尉の十人の子どもたちが揚幕から登場するものでした。
まず末っ子(火打袋と言う妙な名前。他の9人もかなり妙な名前ですが)以外の
9人の子どもたちが現れ、千歳が「一人足りない」と気づくと、橋掛に並んでいた
9人は地謡座前に移動し、揚幕から袋に入った(実際には頭から、上部が袋を紐で
くくった様にデザインされ、前が開いている布を被っている)末っ子火打袋(万作師)が
登場。
(さすがに滅多にされないためか、面をかけて更に被りものをされていたからか
万作師、橋掛から本舞台へかかる直前、シテ柱に危うく当たりそうになって後見の
石田さんがすかさずフォローされていました)
千歳が紐をほどくと、中から黒頭に金地の法被、金地の半切に面をかけた、超
派手な装束の火打袋くん本体?が登場。
火打袋くんなかなか理論家で、来るのが遅いと言われると「何でも満ちれば欠ける
だけ、頂上に達すればあとは下るだけ、ナントカ(失念)と言う伽藍もわざわざ完成
させないために瓦を一枚葺かなかった」とか言い訳?
そして黒尉が鈴の段を見物せよ、と言うと、「自らもところどころ舞いましょう」と
鈴を取り出して、尉と鈴の段を連れ舞に突入。
つまり、なんと万作さんと萬斎さんが「鈴の段」を並んで踏むと言う、空前絶後の
豪華共演を拝見してしまったのでした(相当興奮)

しかもお二人とも面をかけていらっしゃり、普段は一人で踏まれている段を二人で
なさるので、つい素人的には「良くぶつからないものだなぁ」と、プロに対して
ずいぶん失礼ですけど、思ったりしていました。
(本当に失礼…)

最後は十人の子を先にやり、黒尉は面を直し、通常のスタイル通り、千歳を従えて
幕に入られて終了。
やはり万作さんと萬斎さんの二人鈴の段が強烈でしたが、最後に前に萬斎さん、
後ろに裕基くんが続いて入って行かれるのを拝見して「次世代」への芸の継承を
強く強く感じました。

ここで休憩。

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