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2011.12.30

映画「聯合艦隊司令長官・山本五十六」を見る

「十三人の刺客」「最後の忠臣蔵」そしてこれと、役所広司さん大活躍の邦画界。
「坂の上の雲」見終わったばかりなので、「聯合艦隊司令長官」と言えば東郷
平八郎さん、な状態で見に行ったのですが、歴史的にも映像的にも、また今の
日本の状況にも色々リンクしていて、興味深く見ました。

映画館はレディースデイにも拘わらず男性客が圧倒的多数。
男性同士も結構いて普段とは随分違いました。

映画はまず何より、キャストが「坂の上の雲」と被りすぎ(笑)
「坂の〜」メインキャスト3人のうち、阿部さんと香川さんが出ていて、2部で実質
「退場」済みの香川さんはともかく、阿部さんに至っては、「日本陸軍騎兵の
父」役から、こちらでは海軍の司令官役、しかも途中で指揮していた船と運命を
共にする非常に印象的な役柄でした。

また「坂の上」では苦悩する乃木さんが強烈だった柄本さんが、こちらも今度は
海軍の知性派・米内光政役、子規の母親役だった原田さんが今度は五十六さんの
奥さんとややこしいこと甚だしく、また、「坂の上〜」3部で陸軍第3軍の大庭
二郎役だった千葉哲也さんが、こちらではやはり海軍軍人役でご出演。

「らしく」見える俳優さんが限られている、と言う事なのかも知れませんが、
あれだけ長い期間撮影していた「坂の上〜」ですから、合間にこの映画が挟まって
役者さん同士が苦笑、なんて事はなかったんでしょうか。

さて本題。
戦争を描く映画ながら、飲食シーンが多くて、そのリラックスした顔と戦闘時の
ギャップが印象的でしたが、「坂の上〜」共々感じたのは、極限状態での的確な
判断とリーダーシップのありよう。
自分の考えと所属する軍の方針の違いにどこまで自身を落とし込むかとか、
どこまで自身で責任を負うのかとか、何れの社会にも当てはまるテーマだと
思いました。
またこれも「坂の上〜」同様、「現場と司令部」の感覚の乖離の問題とか
(「踊る〜」の「事件は会議室で起きてるんじゃない」はまさにこの話)は、
「3.11」の原発事故の処理を連想しました。

更にこの映画ならではの視点は「世論は」と主語付ける事で逆に世論をコント
ロールしようとする新聞マスコミのスタンス。
香川さん演じる「主幹」がまさにその象徴で、それに疑念を抱くのが、玉木さん
演じる部下。
新聞側の期待する答をしない山本に主幹ががっかりして取材しないで帰り、
見送る山本が苦笑するシーンは印象に残りました。

キャストでは阿部さん、柄本さんのほか、井上成美役の柳葉さん、作戦参謀役
の椎名さん、山本の側近役の吉田栄作さん、山本の友人で今は軍隊を離れた
堀役の三津五郎さん、散々言われますが自身も苦悩している南雲役の中原さん
など、みなさん場に馴染んでいました。

個人と組織について、また日常と非常時について、じっくを考えさせる映画でした。

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