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2012.03.30

「ござる乃座」を観る

国立能楽堂。

本当は前日の能楽堂主催公演で余り上演されない「樽聟」がかかるとあって、
チケット買っていたのですが、仕事で行けなかった事もあり、本当に久しぶりの
国立能楽堂。

まずは小舞。
裕基くんの「雪山」と万作さんの「玉の段」
4月から中学生になるとの裕基くん、背も髪も伸び、声がわり間近かやや声が
つらそうでしたが、紫の装束でちょっと大人。背が伸びた分更に小顔(笑)
それよりも万作さんが御年もものともしない矍鑠とした「玉の段」
迫力&語りアイのようなストーリー性がありました。

次が「粟田口」

「末広がり」などと同じ太郎冠者の勘違いショッピングシリーズ(笑)ですが、
まさか物(刀)と人(すっぱ)を間違えるとは。
しかも頼んだ大名もお買い物が合ってるか判らないため、後から自宅秘蔵の
仕様書(由緒書)を取り出していちいち本人に確認してましたが(銘があるかと
言うのを「姪が二人いる」と言うのには笑いました)、由緒書き持っていて、
「書いたものは重宝」と本人も価値が判っているのなら、買い物にやる前に
出して太郎冠者共々読んでからにせい、と(笑)

後半は大名とすっぱの反射神経対決、と言うか、大人の「だるまさんが転んだ」
でしたね。
萬斎さん大名、張り切り過ぎたか、ラスト前で烏帽子紐の喉元の結び目がほどけて
膝下あたりまでだらりと一直線に紐が伸びていて少しドキドキしました。
ちょっと前までは多分この役は万之介さんの専売だったような記憶がありますが
萬斎さんもなさる年齢になってこられたのですね。

休憩を挟んで裕基くんシテの「口真似」
話は「咲嘩」の短縮版みたいな感じで中身は殆ど同じ。
万作さん主、石田さんが客の組み合わせ。
裕基くん見事な太郎冠者ぶりだったのですが、ラスト石田さんを投げ飛ばして
入るところで自ら思わず口元が緩んで笑ってしまいそうに。これは師匠チェック
入りそう。

素囃子はお馴染み「神舞」でしたが、最近大鼓や笛のひしぎを近くに聴くと
耳がキーンと鳴る症状が出るのでちょっときつかった…

最後がチラシにもなっている「蛸」
今回、萬斎さんによる小書「吐墨」が付いていて、萬斎さんの解説に「ある能の
手法を用いた」とあったので、これはきっと「土蜘蛛」の蜘蛛の糸を黒く染めた
ものを使うのだろうと予想して見ました。
小さい、そしてかなり笑った翁の面に、頭巾、茶色の着流しに杖姿の前シテ、
出てくるなり「回向してくれ」と一言言うやさっさと中入り(笑)
後シテは、派手な法被に緑の下袴、何よりは賢徳とうそふきのコラボレーション
みたいな面に、赤頭、さらに朱色の巨大ホオヅキのような物を頭に乗せていると
思ったら、その付け根、頭頂部から四方にオレンジ色の太いドレッドヘアが垂れて
いました。
一瞬置いて、それが蛸の足の意匠と判って見所のあちこちから忍び笑いが。
蛸の精は自らの不幸を嘆きつつ、最後は予想通り、小ぶりなから「蜘蛛の糸」の
黒墨バージョンを二回ほど「吐いて」幕に入りました。

「通円」などと同様、能の形式を徹底的にパロディにしていて、地謡が真面目な
顔で非常に馬鹿馬鹿しい詞章をもっともらしく謡うのがまた笑いを誘う、それは
楽しい舞狂言でした。
ちなみに秋は久しぶりの「花子」での全国ツアーだそうで(「花子」と言うと
象の名前とつい思うのは昭和の人間だけか)、「のぼう」公開時期でもあり、
(その前に「藪原」もありますが)楽しみです。

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