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2017.07.16

「アザーデザートシティーズ」を観る

「アザーデザートシティーズ」を観る
東京芸術劇場
シアターウエスト

劇場のポスター類はしゅうさんのまま、変更案内貼り紙と、入口に
中止になった公演の払い戻し案内の掲出、ロビーには白い供花が
設えられ、しゅうさんを偲ぶ一文が添えられていました。

実は献花台があるかと、グロスター卿(ランカスター側)に因んだ
赤い薔薇を一輪持参したのですが、献花台がなく、開演前にロビー
スタッフにお渡ししておいたら、供花の端に供えて下さってました。
しかし白のフラワーアレンジの脇に赤が一輪は目立ち過ぎ。
白にすべきでした。

舞台は客席に真ん中部分が張りだすT字型、両サイドに脇正面的
客席がある、能舞台的裸舞台。

正面最前線の一席を空席にして、寺島さんや中村くんが座るので
あの両サイドのお客さんは俳優さんを超至近距離で見られ右隣の
方は、寺島さんに声までかけられていました。
一幕二幕冒頭はト書き部分を寺島さんが読んでいました。

内容は、ギクシャクしながら体面を保ってきた家族に事件が起こり、
家族全員が真正面から向き合わざるを得なくなる、家族の会話劇。
「ボビーフィッシャー〜」などいくつか類作を見た気がするので
昨今の流行でしょうか

セットを最小限に抑え、役者の身体で状況感情を表現させる演出は
観客の想像力が芝居の一要素として求められるので、うかうか見て
いたら取り残されます。

今回感心したのは、ベテラン役者に混じって息子役を演じていた
中村くん。
映画「大奥」の垣添役とか、線の細い学園ドラマ系イメージでいたら
寺島さんとも拮抗する存在感ですごく良かったです。

寺島さんの役はご自身の境遇に被ると言うインタビューが納得。
でも映画だと極端な役が多いのを見ているので、今回はまだ穏や
かな方かと(笑)

麻実さんは最近この手の役柄を続けて見ますが、品がなくならない
のは凄い。
でも個人的にはシェイクスピアとかギリシャ悲劇とか、もっと
スケールの大きなお芝居で拝見したい方。
そうそう、仁左衛門さまからお花が届いていたようです。

オリエさんは、えぐい役なのにそう見せないのが手腕。
2幕のどんでん返しを見ると傷を抱えるさまが痛々しいですね。

そして斎藤さん。
年齢よりは若く見える方なので、寺島さんの父親に見えるかちょっと
危惧していました。
後ろになんとなくしゅうさんの影を見てしまいながらになって
しまいましたが、セリフの量以上に機微を求められる役柄を、アン
サンブルに上手く溶け込むように演じていらっしゃいました

多分もっと劇的にやる演出もありそうな戯曲ですが、今回は役者の
力を信じて削ぎおとした芝居でした。
実業家時代のトランプ氏とか、共和党実在の政治家とか、時代を示す
キーワードを十分理解できないのが翻訳劇のつらいところですが
家族の物語として普遍性があり、比較的分りやすかったです。

そして、偶然にも、戯曲も実際も、登場しない人物が大きく芝居に影響を
与えていて、ラスト、感情が揺すぶられました。

にしても、客席が危険でした。
私が見ていた間だけで、開演前と終演後、お二人、舞台にかかる
階段に躓いて転んでいました。
特殊形状の舞台の場合は休憩、開演前、終演後は客席は明るく
すべきではないでしょうか。


改めてこの舞台で拝見できる筈だったしゅうさんのご冥福をお祈り
します。

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