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2017.08.12

「八月納涼歌舞伎」(第2部)を観る

「八月納涼歌舞伎」(第2部)を観る
今回の2部は彌十郎さんの「修禅寺物語」に染五郎/猿之助の
「弥次喜多」バート2と言う、和定食にカレー味のアイスクリーム
みたいな(喩えです)、なんとも不可思議な組み合わせ。

「修禅寺〜」は彌十郎さんの御尊父とお兄様の追善で、縁(ゆかり)の
若手役者さんたちと。
しかし鬼気迫る筈の夜叉王の芸術論も、どこかキリキリ聞こえて
こないのは、やはり彌十郎さんと言う役者さんのキャラクターが
陰と言うより陽だからでしょうか
勘九郎さんの頼家も生来の品の良さが勝って、パンチに欠けてかなぁ。

猿之助さんの桂がインパクト大でした。

さて問題の(笑)「弥次喜多」
外題の読みを募集したり(歌舞伎座捕物帖と書いて「こびきちょう
なぞときばなし」と読む)、観客に途中でストーリーを二者択一させる
マルチエンドと謳ったり、しかも外題通り、歌舞伎座の内幕もので、
冒頭にはスクリーンが出て、富士山マークからの「松竹」ロゴを
見せての「弥次喜多」前作のおさらい映像まで流れて(ちょっと前に
「シネマ歌舞伎」でやっていた)と、まあ言ったら「俳優祭」の
演目を本公演にかけたようでした。

いきなり鳥屋から酷いなりの弥次喜多が「YGKT(ヤジキタ)ラップ」に
乗って「宙乗り逆バージョン」で登場。
東海道中ツアーから無事に?帰ってきたものの、歌舞伎座に落ちて
しまい、成り行きで大道具でバイトする事になった弥次喜多が、
「四の切」の舞台で起きる殺人事件の謎解きに巻き込まれると言う
のがザックリとしたあらすじで、あとはひたすら笑うだけなんですが、
そこは猿之助さん得意の演目でもあり、仕掛けをいつも不思議に感じて
いる「四の切」なので、階段の出の時に足を踏ん張る位置をバイトの
筈の喜多八の方が詳しかったり、天井裏からの出の仕掛けを解説
してくれたり、大道具の仕掛けがかなり解り、見たら人にしゃべり
たくなるし、そう言う意味で面白かったです。

脚本に名前も出ている猿之助さんの上手いところですね。

キャストとしては元・忠信役者で今回は後輩(隼人くん。以下役名
あるのですが、紛らわしいから役者の名前に統一します)に譲って
静役をやる巳之助くんが、赤姫姿でキレまくるのが笑えましたし、
隼人くんの忠信は見た目獅童くんそっくり(親戚ですねぇ)、
先月に続いてキレまくる悪婆な児太郎くんもなかなかな存在感。
更に座元役の中車さんもなんですが、役名が「釜桐座衛門」。
むろん中の人が「昆虫すごいぞ」の方ですからね(笑)
(楽屋?の暖簾にかかる家紋がカマキリ柄と言うのも笑えました)
猿弥さんの「古原仁三郎」もうっすら似、七之助くんの女医は
「黒須屋の羽笠」とこちらも探偵絡みのネーミング。
(更に雅楽之助は戸板康二さんの「中村雅楽」、玩具の佐七は横溝
正史さんの「人形佐七」のそれぞれ捩りだそうです)
さらに門之助さんは義太夫、笑三郎さんは三味線ご自身でなさって
いました(貴重)。

ともあれキャスト変更して再開された?本番で、猿之助さんが狐忠信に
退治される荒法師に扮しながら、つい動きが忠信のそれになって
いたのも面白かったですし、新悟くんの義経も綺麗でした
(ちょっと篠井さん似!)
そして気になったのは勿論マルチエンドの行方。
今回は取り調べたいのが児太郎さんか弘太郎かで客席の拍手の多寡で
弘太郎さんになって、結末児太郎さんが犯人になりましたが、さて
児太郎さんが選ばれていたら犯人はどうなっていたのか、他の日の
結末を知りたいですね。

ラストも宙乗りで終わりで気楽にうち上がりました

まあこれを歌舞伎入門と言うのはちょっと違う気はしますが。

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